就寝直後の不可解な体験|それは、夢か、現実か?

布団に入ってから、どれぐらいの時間で
意識を失うか?

多分、誰にも分からない。自分がいつから
眠り出したのか、その境界は極めて曖昧。
意識を失う瞬間を意識することは出来ない。
意識自体が失われるわけですから。

この眠っているのか目覚めているのか、
よく分からない曖昧な時間に夢を見る
ことがあります。

意識が失われ始めると、夢は、すかさず、
その隙間に入り込んでくる。その瞬間に
夢を見ていたことに気づけるのは、
一時的に失いかけた意識を取り戻した時
だけです。

そして、意識がはっきりとしてくると
同時に、脳裏の映像が薄くなっていき、
夢が少しの間だけ部屋の景色と重なって
見えることも。

目を開けて夢を見ている状態です。

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幽体離脱の夢

次は、筆者が見た夢の一例です。

時計は深夜2時を指している。
 
薄暗い部屋でパソコンの前で
ボーッしている。
 
ベッドの方を見ると自分が寝ている。
驚いて、自分の体に戻る。

戻った瞬間、ハッと目を覚ましました。
時計を見ると、ベッドに入ってから、
10分も経っていなかった。

夢の中でベッドで寝ている自分の姿を
見つけ、とっさに幽体離脱だと思いました。
それで急いで自分の体に戻ろうとした。

この夢は、一体、
何を意味しているのでしょう?

一見すると、超常現象にも見えるこの夢は、
寝落ちしたか、していないかの曖昧な
状態で見ているという点が重要です。

筆者は夢の中で、自分はまだ起きている
のだと思っていた。つまり、この夢は
” まだ、眠りたくない ” という気持ちと、
” もう眠らなければ ” という気持ちの狭間を
描いている。

筆者はこの時期、色々とデスクワークを
抱えていて、深夜、” 眠るにはまだ早い ”
と言いながらPCの電源を入れたまま、
ぼやっとすることが度々ありました。

眠気を我慢して効率の悪い仕事をする
ぐらいなら、眠ってしまった方が幾分か
良かったのかもしれません。

この夢では、体を二つに分割して、
起きながら眠るという二つの事を同時に
しています。つまり、霊的な意味での
幽体離脱ではなく単なる願望夢です。

幽体離脱の夢が、大抵は、眠りに落ちる
寸前の朦朧とした意識の中で見られる
というのも、こういった願望夢の可能性が
あります。

では、もう一つ夢を紹介しましょう。
次は、とある女性が就寝直後に見た夢の
一例です。

薄暗い部屋で、目を閉じて
ベッドに横になっている。
 
突然、足元から物音がする。
 
薄目で確認すると、消したはずの
ノートPCの画面がついている。
 
怖くて起き上がることが出来ない。

目を閉じてベッドに横になり、眠る直前、
わずかに意識だけがあるという状態で
恐怖体験をしたという話はあります。

例えば、誰かが部屋に入ってきたとか、
目を開けると足元に幽霊が立っていた。
人の泣き声や、笑い声が聞こえたなど、
怖い幻覚や幻聴。

眠りながら、自分は、まだ眠っていない
という設定の夢です。そして、それは、
金縛りを伴うこともある。

では、この夢は、どう解釈すればよい
でしょう?

この夢を見た女性は、目覚めた後も、
恐怖でしばらく身動きが出来なかった。

” 私の見たものは夢だったのか、
現実だったのか・・・・ ”

彼女は薄目を開けて、デスクの上を
もう一度確認すると、ノートPCの電源は
OFFになっていた。

” 夢だった・・ ”

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ログインしたのは誰か?

” PCの電源は
寝る前に落としたんですよね? ”

” ええ、落としました ”

” スリープ状態だったということは? ”

” じゃないです。また付いたらいやだな
と思って、時間を置いて確認しましが、
OFFになってました ”

” 足元から聞こえた物音というのは、
PCの起動音ですか? ”

” 起動音が聞こえて、それから、
キーボードを叩く音が・・・ ”

” 部屋にあなた以外に誰かいたという
ことでしょうか? ”

” 分かりません。薄目でわずかに
見ただけなので・・もし、誰かいたら
怖いので寝たふりをしていました ”

” ディスプレイに何が映っていたかは
覚えてませんよね? ”

” ああ、クルクル回るロード中の画面が ”

” ログイン直後の状態ですね? ”

” ええ ”

” では、キーボードを叩く音というのは
パスコードを入力した時の音? ”

” あ・・多分、そうです。パスコードを
入力する時の短いカチャカチャという
感じでした ”

” そのPCでは、お仕事か何かされている
のでしょうか? ”

” いえ、いつもはネットショッピングや
SNSや、映画を見たりして、PCの前で
夜遅くまで起きていることが多いですね ”

” 眠れないということですか? ”

” と言うより・・
寝るのが勿体ない気がして・・ ”

彼女の話を踏まえた上で、筆者は、
一つの仮説を立てました。

ベッドの中で目を閉じたまま、彼女は
頭の中で考え事をしていた。

” 寝るには、まだ早すぎる。
もうちょっと起きてようか・・
このまま眠るべきか・・ ”

そんなことを考えながら、意識を
失い始めた時、潜在意識が夢を作った。
ベッドから起き上がり、パソコンを起動
させる夢を。

しかし、睡魔が訪れていたために彼女は、
そのまま眠ろうともしていた。

そこで彼女の潜在意識は、筆者が見た夢
のように ” 幽体離脱 ” という方法を取らず、
相反する感情を次のように処理した。

肉体だけをベッドに残し、意識だけで
パソコンを遠隔操作しようとした。
パスコードを入力したのは彼女自身ですが、
厳密には彼女の意識がキーを叩いた。

つまり、魂ではなく ” 念 ” だけを
切り離した。これも、一つの ” 分離 ” と
言えます。

なぜ、” 幽体離脱 ” という演出を採用
しなかったのか? それは、単に、
その発想が浮かばなかったからでしょう。

無論、それは全て夢の中の出来事ですから、
パソコンは起動していませんし、彼女は
キーを叩いてもいない。全ては幻覚です。

夢を作った自覚の無い彼女は、キーを
叩く音が何者かによる仕業だと思い込み、
恐怖感に駆られる。

彼女は、ぼんやりとした意識の中、
眠りと覚醒の曖昧な境界線で夢を見ていた。
現実の視点で。

就寝前の物足りなさ

” 念・・ですか・・ふむ ”

” 曖昧な境界線のことですから、
私も仮説が正しいかどうかは・・・ ”

” でも、就寝前にこのまま寝るかどうか
迷っていたというのは、言われてみると、
そうかもしれないです ”

” そういったことは、よくあるのですか? ”

” ええ、夜更かししようと思えば、ずっと
起きていられるので、どこかで踏ん切りを
つけてベッドに入るんです。でも、
なかなか寝付けなくて、その時間が勿体
なくて・・・ ”

” それは、あまり良い習慣では無いですね ”

” 自分でもそう思います。どうすれば
ぐっすり眠れるんでしょうか? ”

” そうですね・・・難しい問題ですね。
・・勿体ないと感じるのは、その日一日を
生き抜いた実感が無いから・・自分はまだ
何もしていない。だから、一日の最後に
物足りなさを感じてしまう・・ということ
でしょうか ”

” ああ、なるほど・・”

入眠直後の意識がはっきりしない状態で
見る夢は、実際は眠っているのに、自分は
まだ眠っていない、眠らなければいけない
という矛盾した願望を持つことがあります。

眠りが浅いと感じる場合は、より深い眠り
を求めて、夢の中でベッドに入って眠る
という再帰的な演出を行うこともあります。
既に眠っているはずなのに。

また、先ほど紹介した夢のように、
起きて何かしたいという眠ることに
抵抗する気持ちが夢になることもある。

そして、そういった夢は、大抵、自分が
ベッドに横になっているというリアルな
シチュエーションから始まる。

単に、眠るか眠らないかをテーマにした
夢ですから、無論、設定がベッドの上から
始まるのは自然な成り行きです。

あなたが、もし、ベッドの上で横になった
状態で何か怖い体験したとしたら、まず、
状況分析することが大切です。

就寝前のルーティン、習慣、目を閉じて
どんな考え事をしていたか、メンタルの
状態、健康状態、それが本物の心霊現象で
無いならば、多分、原因らしきものが
見つかるでしょう。

意外と、人は就寝前の自身の行動について
考えたりはしないものです。そして、
意外と、メンタルは頭に浮かんだちょっと
した考えに影響を受けたりする。

私たちの ” 心 ” は、そんなに頑丈には
出来ていないのです。

 

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