夢が現実を描写する” 再現率 “|数秒後を予知する夢

例えば、あなたが何か夢を見たとして、
それが、その当日、もしくは数日後に
現実になる・・いわゆる ” 予知夢 ” ですが、
そういった体験は稀でしょう。

しかし、人生に一度は見たことがある
という人もいるかもしれません。

それは ” 奇跡体験 ” ではありません。
現実的な体験です。

厳密には、一般的な願望夢の未来に関する
再現率が何かの理由で高かったために
あなたがそれを ” 予知 ” として認識できた
というだけのことです。

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投げられたボール

多分、このブログを始めて訪れ、最初に
この記事を読んでいるとしたら冒頭の
文章が何を言っているのか分からない
かもしれません。

もう少し噛み砕いて説明してみましょう。

あなたが学生時代の旧友にばったりと
出会う夢を見たとして、数日後、それが
現実になったとします。

全く夢で見たとおり同じシチュエーション、
同じ場所、同じ時間帯で、その旧友と
出会ったというなら、夢の再現率はかなり
高いということになります。

一方、旧友と再会したというのは事実だが、
そもそも夢で見たような場所では無かった、
昼ではなく夜だった、着ている服が違って
いた、旧友は旧友でも別の人物だったという
ような場合、再現率は低めということに
なります。

予知夢には、この ” 再現率 ” というものが
必ず関わってきます。

そして、あなたが人生で一度だけ見たことが
あるという奇跡体験は、比較的再現率が
高かったために、実際の出来事と数日前の
夢がリンクしていると気づけた一例に
過ぎないという意味です。

つまり、再現率が低かった場合、また、
実現までに日数がかかった場合などは、
気づけていない可能性がある。

要するに、それが予知夢であったとしても
あなたが気づけていないだけで実際は、
頻繁に見ているかもしれない。

では、再現率が低下する理由は何か?

それは、その人の持つ霊感の強さによって
左右される・・わけではなく、夢の作り手
である潜在意識の思惑によるものです。

次は、筆者が職場で休憩中、椅子に座って
ウトウトした時に見た夢の一例です。

右側に人影が見える。
人影はボールを左側に向かって投げる。

この直後、左側からガシャーンと大きな
音がして目を覚ましました。台車に
積み上げていたダンボールが崩れて散乱
したのです。

潜在意識は、ダンボールが崩れることを
知っていて、予め夢を作ったのでしょうか?
そう考えると、これは数秒先を予知した
” 予知夢 ” ということになります。

もしくは、ダンボールが散乱した後に、
音を聞きつけた脳が目覚めるまでのほんの
一瞬で夢を作った。つまり、出来事が先で
夢が後に作られた。

いずれにせよ、この夢が作られた理由は、
来たる衝撃に備えるためです。

夢が先なのか、出来事が先なのかは、
ここでは問題ではありません。それが予知
であっても、そうでなくとも、今から行う
説明はどちらにも言えることです。

0%の再現率

ここで疑問に思うかもしれません。
先ほどの夢の一例は、予知夢とは言えない
じゃないか、と。

確かに発生した出来事は、積み上げた
ダンボールが崩れたというものです。
そして、筆者が見たものは、人影が
ボールを投げたという一瞬の映像。

映像としては全く一致する部分が
ありません。世間一般の予知夢に対する
認識に合わせれば、筆者が見るべき夢は
ダンボールが崩れる映像です。

つまり、筆者の見た映像は、再現率0%の
夢ということになります。もはや、それは
” 予知夢 ” とは呼べない。

しかし、実際の出来事とこの夢には、
何らかの関係があるようにも思えますよね?

ボールが投げられた方向から、
大きな音がした。

出来事に対して何を描くかは潜在意識が
選択するわけです。再現率が必要なら
出来事を必要な割合だけ再現し、必要
無ければ、全く別の映像としてストーリー
を構成する。

潜在意識としては、目的さえ達成できれば
よいので再現率をどうするかは、その時の
都合によって決めるのです。

今回の夢で言えば、映像が何であれ、
筆者が驚いて椅子からずり落ちなければ、
それでよいのです。

また、誰かの投げたボールがどこかに
当たったところで、それは筆者のせい
ではない。台車に載せたダンボールが
崩れそうになれば、筆者はそれを止める
ために飛び起きなければいけなかった
でしょう。

この場合、再現率が高いと都合が悪い。
故に再現率0%、つまり、全く別の映像
として夢を作った。

さきほど、夢が先か、出来事が先かという
話をしましたが、いずれにせよ潜在意識は
夢を作る過程で再現率を調整することに
なります。

それが未来に関する夢であれば、
未来の出来事をどこまで再現するか、
それが現在に関する夢であれば、
現在の状況をどこまでリアルに描くか
という同じ処理を行うだけで、そこに
大差はない。

単なる願望夢として見る日常的な夢は、
現実を再現する形で作られますが、
全く現実にあったことがそのまま夢に
なることは、ほとんどありません。

大抵、途中からリアルさは崩れ、変な演出
が入ったり、全く無関係な場面展開が
行われたりする。ストーリーが進んでいく
過程で必要が無ければ、それは排除される。

つまり、全ては潜在意識の都合次第で
再現率、言い換えれば ” リアルさ ” が
決まるのです。

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100%の再現率

では、再現率0%の夢ではなく、再現率が
100%の夢について考えてみましょう。
つまり、実際の出来事と完全一致の夢。

残念ながら、再現率100%の夢は存在しない
のです。存在する必要がないと言った方が
正しいかもしれません。

そもそも人が夢を見るのは、なぜか?

それは、何らかの目的を達成するためです。
ささやかな願望であれ、激しい衝動であれ、
野望であれ、不安の解消であれ、それらを
疑似的に処理するために夢は作られる。

現実世界の再現は、そのために必要とされた
演出の一つ。映画制作で言うなら、
スタジオ内に撮影用として作られたセット
のようなものです。

セットはストーリーを展開するために
設置されたものです。演者もカメラマンも
いないセットに何の意味もありません。

潜在意識は、そこに登場人物を配置し、
何かしらをさせるために、わざわざ現実を
再現しているのです。

再現率100%とは、現実を忠実に再現する
ために、その他の余計な演出を一斉排除
した状態です。あなたが夢の中で現実では
言わなかったことを口にするだけで、
100%の再現率は失われる。

それが未来の出来事であれば、潜在意識は
出来事をコントロールするために夢を作る
わけですから、実際に起こる出来事と夢に
見た出来事に一致しない部分があるのは
必然なのです。

潜在意識に現実を100%再現しなければ
ならないという動機はありません。

よって、夢は作られない。

逆を言えば、夢が作られたとしたら、
その夢は100%の再現率ではないと言えます。

とは言え、再現率90%といった高いレベルの
予知夢は実際にあります。それは潜在意識が
残りの10%を使って目的を達成するために
作られた夢です。

また、居眠り中に見た短い夢などは
ストーリーの途中で目覚めることもあるので
結果的に事実そのものを描写しているように
見えることがあります。ビジョンのように
見る一瞬の夢に多い。

これについては、別の記事で解説したいと
思います。

漠然としたインスピレーション

さて、今回は ” 再現率 ” について解説
していきましたが、再現率が高い夢は
予知夢として認識されやすいというのは
冒頭で言ったとおりです。

では、再現率が低いタイプの夢、
もしくは、全く別のシチュエーションと
して描かれる夢が未来を予知しているか
どうかをどう見極めるか?

それは、夢の本質を理解する以外にない
でしょう。ここで本質について簡単に
説明するのは難しいですが、結局、
夢の作り手の意図を理解することだと
思います。

そして、潜在意識とは、あなた自身です。
つまり、潜在意識への理解を深めることは、
あなた自身への理解を深めることでもある。

また、未来予知に関する夢と一般的な
願望夢の間に明確な境界線はありません。
予知夢が作られるプロセスは、通常の夢が
作られる場合と何も変わらないからです。

なので、一般的な願望夢を読み解くことが
出来れば、予知夢に対しても同じアプローチ
を使うことが出来る。

実際、あなたは自分が思っている以上に
未来を予知している。

” 再現率 ” について理解することが出来れば、
これまで単なる夢として見過ごしてきた
多くの示唆に気づくようになる。

この記事をここまで読んでいるとしたら、
あなたは、多分、未来に関する夢を見た
経験があるのでしょう。

ただ、それはつかみどころが無く、
何となく感じていたインスピレーション
に過ぎなかった。

” もしかしたら、私の見たものは、
予知夢だったのかもしれない・・ ”

多くの人々は、眠っている時に見たそれを
単なる夢として片づけてしまうか、
心に引っかかったとしても数日もすれば
忘れて普段の日常生活に戻っていく。

ただ、あなたは雑踏の中で立ち止まり、
空を見上げて、何かを思う。

多分・・あなたにとって必要な何かを
潜在意識が感じ取ったのでしょう。

 

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