もし、潜在意識が私たちが不調を自覚する
よりも前に、何らかのシグナルを送っている
としたら・・
あなたは風邪の弾き始めにどんな症状が
出ますか?
軽い頭痛から始まる人もいれば、
喉に違和感を覚え、咳が出る人もいます。
頭痛や喉の違和感と言った分かりやすい
症状ではなく、もっと前段階から体に異変が
起こっているのを察知できる人もいます。
例えば、特徴的な耳鳴りがするとか、
決まって特定の関節が痛くなるとか、
吹き出物が出るとか、
その人は、多分、風邪を引くことと耳鳴り
に因果関係があることを経験で突き止めた
のでしょう。
体がいつもと違う状態であることを表す
これらシグナル。
もちろん、潜在意識もこうした小さな
シグナルに気づいています。
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病気の兆候を示すサイン
体の違和感に気づいた潜在意識が私たちに
メッセージを送ります。夢という形で。
次は筆者が見た夢の一例です。
エノコログサが浴槽に浮いている。
” 何でこんなところに? ”
取り除こうとすると、それは
水面をジャンプして鼻の穴に
入ろうとしてくる。
とっさに払いのける。
エノコログサというのは、草むらに
よく生えている猫じゃらしのような草です。
夢の中で、それは、何か意思を持っている
かのように動き出し、水面を跳ねると
顔めがけて飛んできた。
とっさにそれが ” 体内に入ろうとしている ”
と思いました。体内から異物が出てくる夢
とは逆の異物が体内に入るパターンです。
夢から目覚めて、すぐに風邪の兆候だと
気づきました。
数日前から、朝方に若干の頭痛があった
のですが、その夢を見るまで、特に気には
留めていなかったのです。
いよいよ潜在意識が警告を発し始めた。
悪化する前に芽を摘み取って置こうと思い、
その日はしっかりと食べた後、葛根湯を
飲んで、いつもより早めに寝ることに
しました。
お陰で悪化することなく、朝方の頭痛も
無くなった。
置き換えられた異物
では、今回の夢を具体的に見ていき
ましょう。
まず、最初に ” エノコログサ ” ですが、
多分、どの夢占いにもそんな項目は無い
と思います。
エノコログサの思い出と言えば、小学校の
帰りに草むらに生えているそれをちぎって
軽く握った拳の中に入れてから、
ギュッギュッと繰り返し握ると生き物
のように拳の中から出てくるという遊びを
よくしたものです。
筆者にとっては、懐かしく親しみのある
植物です。
なぜ、潜在意識は ” エノコログサ ” を
チョイスしたのでしょう?
*
仮に、夢を作る段階で、何かを体の中に
入れる演出が必要になったとして、
あなたなら何を入れますか?
やはり、無害で、せめて気持ち悪くないもの
を選択するでしょう。潜在意識も同じことを
考えます。
懐かしく馴染みのある植物、一見すると、
ビールの原材料となる麦芽にも似ている。
自分から異物を体内に入れるわけには
いきませんから、それが勝手に入ってくる
という演出が選択される。
害にならなそうで意思を持っていそうな
植物。丁度良かったのでしょう。
潜在意識は、子供の頃、エノコログサで
遊んだ記憶を利用したのです。
体内に入ってきた ” 風邪 ” という異物を
無害な物に置き換えて対処しようとしている。
つまり、この場合、夢の中の無害で安心
出来そうな存在は、裏を返すと有害な物を
体の中に入れたくないという心理の表れ
と解釈できるので、実際に入ってくるのは
有害物ということになります。
” 病気 ” を表現する
夢の中では体内に入ろうとしている
エノコログサを寸前で払いのけています。
ここで、少し整理しておきましょう。
筆者は、すでに早朝の頭痛など風邪の兆候
が出始めていましたから、夢を見た時点で
風邪を引いていたと言えば、そうです。
つまり、病気の侵入をすでに許している。
しかし、夢の中では、異物が体に今まさに
入ろうとしていて、結果、防いでいます。
*
潜在意識が夢として表現しているものは、
実際に病原体が体内に入ったかどうか
ではありません。
現在の体の状態から、一つのイメージを
連想しただけなのです。もちろん、
医学的な根拠があるわけではない。
そこに厳密な意味などなく、単に潜在意識が
その時、病気が体に入ってくるように感じた
だけであり、その感覚が夢になっている。
なので、夢の中では体内に入っていない
のだから、風邪になっていないはずと
決めつけることは出来ません。あくまで
イメージなので。
そして、それを払いのけている。
” 風邪 ” といった形無きものに
” エノコログサ ” という形を与えることで
物理的に対処しやすいシチュエーションを
作っています。
ウィルスとは違って目に見えるものなら、
とにかく体内にさえ入れなければ良いの
ですから。
夢の結末と現実
夢占いでは、夢の結末によって
出来事の結果を解釈することがあります。
今回の夢で言えば、結果、異物を払い
のけているので、病気にはかからない
といった具合に。
今回のケースでは、筆者が早めに風邪に
対処したので大事には至りませんでしたが、
仮に対処を怠り風邪が悪化したとしても、
夢の中で異物の侵入を許すような
ストーリーにはならなかったでしょう。
異物が体に入ってこようとするなら、
夢の中で拒むのは当然でしょうから。
つまり、夢の結末がどうであれ、
現実世界での私たち次第で結果は
変わってくるということだと思います。
*
また、すでに病気が体を侵し始めており、
潜在意識がそれを自覚している段階では、
潜在意識が着目するのは、
” 体内に入ったか、入ってないか ” という
点ではありません。
要するに、” もう既に入ったもの ”
と仮定して夢は作られるため、
ストーリーの構成自体が変わってきます。
例えば、異物を体内から出すという部分に
焦点が当たった夢ならば、すでにそれは
” 入っている ” 前提です。
他には、体が震えているのを地震の夢と
して処理することもあります。異常が
あるのは自分の身体ではなく、地面である
という錯覚を利用して、問題の切り離しを
行うのです。
つまり、本当は入っているが、
” 入っていないふり ” をするわけです。
健康上の問題を別の問題にすり替える
ことで、気休めにしようとしている。
*
いずれにせよ、それが健康に関する夢
であるという判断は、容易につくものでは
ありません。
上記に挙げた例と同じ夢を見たからといって
あなたの見たものが病気の兆候を描いている
とは限らない。
それは、心の問題かもしれませんし、
仕事に関する未来予知なのかもしれない。
それらを夢の内容だけを見て判断する
べきではないと筆者は考えます。
あなたが健康について不安を持っている
なら、自身の体調について観察し続ける
ことは何よりもの手がかりでしょう。
体重や体温、血圧を測ったり、日記を
つけるといったありきたりな習慣からも
不調に気づくことはあります。
変化を見逃したくないのであれば、
続けることです。
日々の積み重ねが無ければ、あなたの
身に起きたことが ” 例外 ” なのか、
” よくあること ” なのかも分かりません。
夢は、あくまで ” アドバイス ” であって、
” 診断 ” ではないのですから。
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