夢の中の知っているようで知らない人

夢の中で登場する見知らぬ人物。

ただ、不思議なのは、
初対面であるはずなのに、
親し気に会話していたり、
妙に共感したり、
最初から、親戚や友達という
設定になっていたり、

その人物に対して、前にも
会ったことのあるような、
昔から知っているような、
不思議な印象を持つことがあります。

この
” 知っているようで知らない人 ”
は、単なる記憶違いの産物
なのでしょうか?

奇妙な行動

次は、ある女性が見た
夢の一例です。

明るい陽射しの
差し込む部屋にいる。
 
眠気を感じ、
川の字になって昼寝をしている
見知らぬ家族の間に入って、
自分も横になる。

この夢に登場する川の字になり、
眠っている家族は、” 見知らぬ人たち ”
ということになっています。

ただ、夢を見た彼女は、彼らのことを
” 身内 ” のように感じたと言います。

と言っても、実在の親戚でもなく、
家族でもなく、はたまた、
知り合いでもない。

そして、
彼女は、その見知らぬ家族の間に
割り込んで眠るという、一見、
おかしな行動をとっています。

普通ならば、見知らぬ家族が
自宅で眠っていたら、
驚くでしょうし、その間に
入って眠ろうとは思わないでしょう。

彼女のこの奇妙な行動は、
一体、何を意味しているのでしょう?

*

現実では、絶対にしないような
奇妙な行動を夢の中でごく自然に
行うことがあります。

夢の中では、それが
” おかしい ” とは全く思わない。

理由の一つは、夢の中では、
理性的な部分が影を潜め、
本能的な部分が表面に出やすい
という性質があります。

例えば、恋愛に消極的な人が、
夢の中で情熱的に振る舞ったりする。

ただ、この場合、
” あれ、私こんなに情熱的だっけ? ”
という冷静な心もどこかに
残っていることがあります。

*

もう一つの理由は、
夢に登場する人物や、場所が、
外見を偽っている場合です。

分かりやすく説明しましょう。

例えば、あなたが、
次のような夢を見たとします。

悪魔が、母親の姿を借りて、
いつもどおり食事の支度をしている。

ただ、その後ろ姿を見て、
こう思う。

” 違う、お母さんじゃない! ”

あなたは、母親を家から
追い出そうとする。

*

自分自身は、追い出す理由を
知っていますが、外見だけ見ると
あなたがおかしくなって、
奇妙な行動を取っているように
しか見えません。

つまり、今回の夢で
架空の家族にとった彼女の
奇妙な行動も、この現象と
同じなのです。

描かれた ” 家族像 “

さて、いったい何が、
架空の家族という姿を借りて、
夢に登場しているのでしょう?

もちろん、悪魔などでは
ないですよ。

ならば、自ら、一緒に
眠ったりはしないでしょうから。

*

この架空の家族は、
彼女の思い描く ” 家族像 ” を
映像化したものです。

つまり、

” もし、自分が家族を持つなら
こんなふうかな ”

彼女のそんな思いが、
川の字で眠っている家族
として描かれているのです。

*

そして、その家族は、
自分の想像の産物なので、
ある意味、
” 身内 ” でもあるのです。

ゆえに、
彼らの間に入って眠るという行為も
彼女にとっては、違和感の無い
ことだったのでしょう。

つまり、自分の想像の産物に
自分も加わってみたということ
なのです。

*

この夢は、彼女の
” 自分の家族を持ちたい ”
という気持ちが描かれています。

登場人物に対する態度

さて、この解釈には、
一つの疑問が残ります。

それは、
架空の家族の母親役を
彼女自身が、なぜ、
演じなかったかという点です。

夢の中では、お昼寝の仲間に
入れてもらうという形で
” 家族 ” に参加している。

*

彼女は ” 家族を持ちたい ”
という憧れを持っているのと
同時に、結婚し、家族を持ち、
母親になるということに対して、
一定の距離を置こうともしています。

川の字の中に入って眠るだけ
ならば、余計なしがらみを
気にする必要も無く、家族を
一時的に体験できる。

彼女が、本当の意味で、
母になるには、まだ、心の準備が
出来ていないということかも
しれません。

*

さて、あなたの夢の中に
見知らぬ人物が登場し、
尚且つ、それが、身近な存在に
感じられる場合は、その人物が、
自分と何らかの繋がりを持っている
と考えるのが自然です。

今回の夢では、彼女の中の
” 理想像 ” が、架空の家族として
登場しています。

そして、夢の中で取った
彼女の奇妙な態度は、
その家族が、何者なのかを
彼女自身が、知っているからなのです。

*

あなたの夢の中に登場する
見知らぬ人物をキャスティングした
のは、あなた自身です。

つまり、
その人物に対するあなたの態度は、
正体を知った上での態度なのです。

もし、見知らぬ人物が
登場したら、その人に
自分がどう接しているかを
よく観察してみてください。

その人物が、何者かを
知る手掛かりになります。