夢の中の ” 知っているようで知らない人 “

夢の中で登場する見知らぬ人物。

ただ、不思議なのは初対面であるはずなのに、
親し気に会話していたり、妙に共感したり、
最初から親戚や友達という設定になっていたり、

その人物に対して、
前にも会ったことのあるような、
昔から知っているような、
不思議な印象を持つことがあります。

この ” 知っているようで知らない人 ” は、
単なる記憶違いの産物なのでしょうか?

それとも、この不思議な現象に
何か意味があるのでしょうか?

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奇妙な行動

次は、とある女性が見た夢の一例です。

明るい陽射しの差し込む部屋にいる。
 
眠気を感じ、
川の字になって昼寝をしている
見知らぬ家族の間に入って
自分も横になる。

この夢に登場する川の字で眠っている
家族は ” 見知らぬ人たち ”
ということになっています。

ただ、夢を見た彼女は、彼らのことを
” 身内 ” のように感じたと言います。

と言っても、実在の親戚でもなく、
家族でもなく、はたまた知り合いでもない。

そして、彼女は、その見知らぬ家族の
間に割り込んで眠るという、
一見、おかしな行動をとっています。

普通ならば、
見知らぬ家族が自宅で眠っていたら
驚くでしょうし、その間に入って
眠ろうとは思わないでしょう。

彼女のこの奇妙な行動は、
一体、何を意味しているのでしょう?

現実では絶対にしないような
奇妙な行動を夢の中で
ごく自然に行うことがあります。

夢の中では、それが
” おかしい ” とは全く思わない。

理由の一つは、夢の中では
理性的な部分が影を潜め、本能的な部分が
表面に出やすいという性質があります。

例えば、恋愛に消極的な人が、
夢の中で情熱的に振る舞ったりする。

ただ、この場合、
” あれ、私こんなに情熱的だっけ? ”
という冷静な心も
どこかに残っているのです。

もう一つの理由は、
夢に登場する人物や場所が、
外見を偽っている場合です。

分かりやすく説明しましょう。

例えば、あなたが
次のような夢を見たとします。

悪しき存在が母親の姿を借りて、
いつもどおり食事の支度をしている。

ただ、その後ろ姿を見て、こう思う。

” 違う、お母さんじゃない! ”

あなたは母親を家から追い出そうとする。

自身では追い出す理由を知っていますが、
外見だけ見ると、あなたがおかしくなって
奇妙な行動を取っているようにしか見えません。

今回の夢で、架空の家族にとった
彼女の奇妙な行動も、この現象と同じです。

描かれた ” 家族像 “

さて、一体、何が、
架空の家族という姿を借りて、
夢に登場しているのでしょう?

もちろん、悪しき存在ではない。

そうでなければ、自ら一緒に
眠ったりはしないでしょうから。

この架空の家族は、彼女の思い描く
” 家族像 ” を映像化したものです。

つまり、

” もし、自分が家族を持つなら
こんなふうかな ”

彼女のそんな思いが、川の字で
眠っている家族として描かれている。

そして、その家族は
自分の想像の産物なので
ある意味、” 身内 ” でもあるのです。

ゆえに、彼らの間に入って眠る
という行為も、彼女にとっては、
違和感の無いことだったのでしょう。

つまり、自分の想像の産物に
自分も加わってみたということなのです。

この夢は、彼女の ” 自分の家族を持ちたい ”
という気持ちが描かれています。

さて、この解釈には一つの疑問が残ります。

それは、架空の家族の母親役を、なぜ、
彼女自身が演じなかったかという点です。

夢の中では、お昼寝の仲間に入れてもらう
という控えめな形で ” 家族 ” に参加している。

彼女は ” 家族を持ちたい ”
という憧れを持っているのと同時に、
結婚し、家族を持ち、母親になる
ということに対して一定の距離を
置こうともしています。

川の字の中に入って眠るだけならば、
余計なしがらみを気にする必要も無く、
家族を一時的に体験できる。

彼女が、本当の意味で母になるには、
まだ、心の準備が出来ていない
ということかもしれません。

登場人物に対する態度

さて、あなたの夢の中に
見知らぬ人物が登場し、尚且つ、
それが身近な存在に感じられる場合は、
その人物が自分と何らかの繋がりを
持っていると考えるのが自然です。

今回の夢では、彼女の中の ” 理想像 ” が
架空の家族として登場していました。

そして、夢の中で取った彼女の
奇妙な行動は、その家族が何者なのかを
彼女自身が知っているからなのです。

あなたの夢の中に登場する見知らぬ人物を
キャスティングしたのはあなた自身です。

つまり、その人物に対するあなたの態度は、
正体を知った上での態度。

もし、見知らぬ人物が登場したら、
その人に自分がどう接しているかを
よく観察してみてください。

その人物が、何者かを知る手掛かりに
なるかもしれません。

 

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