幽霊が登場する夢|夢の中で感じた” 気配 ” の意味

夢の中に幽霊や悪魔が登場し、
襲い掛かってくるといった恐ろしい
シチュエーションの夢。

目覚めてからも幽霊の顔をはっきりと
覚えているというケースもあります。

それがリアルであるほど、そして、
衝撃的であるほど夢の中の恐怖体験が、
何か不吉な出来事の予兆ではないかと
心配になったりする。

こうした悪夢は、よく金縛りの時に見る夢
として語られることもあります。故に、
霊的な力が働いた結果として夢が作られた
という解釈をする人もいます。

では、実際、夢の中の幽霊は、どう解釈
すべきなのでしょう? その悪夢は、
本当に霊的存在の仕業なのでしょうか?

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背後に立つ幽霊

次は、とある女性が見た夢の一例です。

どこかの病院らしき建物。
廊下に立っている。
 
子供たちの悲鳴が聞こえたが、
すぐに静まりかえる。
 
奥の部屋で何か異常事態が
起こっているようだ。
 
” 何か来る ” と思った瞬間、
背後に女性の幽霊が現れるが、
怖くて振り向けない。

この夢を見た女性は、背後から幽霊が
自分の右手首をつかみかかったところで
飛び起きる。

彼女は目覚めてから、すぐに右手首を
確認したが、さずがに捕まれた跡は
無かったそうです。

この夢の注目すべき点は二つあります。

まず、奥の部屋から感じた
” 異常事態が起こっている ” という感覚。
そして、幽霊が登場する直前に感じた
” 何か来る ” という感覚。

夢の中で彼女は部屋をのぞいてもいないのに
” 異常な空気 ” を察知します。なぜ、
そのようなことが分かるのでしょう?

子供たちの悲鳴を聞いたから
なのでしょうか?
ここは、とても重要なポイントです。

筆者は、彼女に次の質問をしました。

” 異常な空気を感じたのは、
子供たちの悲鳴を聞いた後ですか? ”

彼女は悲鳴が聞こえる前から、すでに
建物全体の空気がおかしかったと答えます。

” 最初から、これは悪い夢だという
認識がありました ”

彼女は言います。

つまり、子供たちの悲鳴は、彼女が
最初から感じていた陰鬱な空気に
後付けされた演出です。

霊気の発生源

子供たちの悲鳴は、この夢において
一つの役割を与えられています。それは、
異常な空気の発生源を特定することです。

その悲鳴は、奥の部屋の中から聞こえた。

厳密に言うと、
潜在意識は発生源を探し当てたのではなく、
発生源を ” 奥の部屋 ” に決めたのです。

つまり、夢の中に発生源など最初から無い。
なぜなら、夢を見ながら眠っている彼女自身
が発生源だからです。

では、潜在意識が、おかしな空気の発生源を
” 奥の部屋から ” という狭い範囲に限定する
理由は何でしょう?

それは、対処しやすくするためです。

つまり、ある部屋から、おかしな空気が
出ているのであれば、その部屋に
近づかなければよいわけです。

そこを避けることが出来れば、彼女の
感じた ” 異常なこと ” から、少なくとも
逃れることが出来る。

しかし、この演出は、あくまで夢の中に
作り上げた ” 誤魔化し ” でしかない。
故に、彼女が感じている現実の感覚を
完全に打ち消すことが出来ない。

彼女は夢の中で異常な空気から逃れる
ことが出来ず、やがて、その空気は
” 幽霊 ” という形で視覚化されることに
なります。

つまり、彼女が夢の中で感じた
” 異常な空気 ” は、夢を見て感じたもの
ではなく、最初から彼女の心の中に存在し、
それを元にして、この夢は後から作られて
いるのです。

その理由は、子供の悲鳴が後付けされた
のと同じく、彼女の抱えている心の問題を
夢という形で視覚化することで対処しやすく
するためです。

この状態を分かりやすく例えるならば、
次のようなことでしょうか。

あなたが何かの事情で外出が出来ない時、
その状態がずっと続くと精神的ストレスが
溜まってしまうでしょう。

そこであなたは知恵を絞る。

家から外に出ることは出来ないが、
映画を見たり、旅番組を見たり、
ゲームをしてみたり、気分を変えようと
部屋の模様替えをしたり、家に居ながら
別世界へ疑似的に外出するのです。

しかし、ストレスの原因は、外出出来ない
状況が続いているということですよね?

無論、そういった方法では根本原因の解決
にはならない。潜在意識も全く同じ対処を
行います。

あなたを苦しめているストレスや悩み
といったものから解放されるために、
潜在意識は、あなたの心を二つに分割
するのです。

一つは、あなた自身が住む世界、
そして、もう一つは外側の世界という
ことにして、夢の中で外側の世界に
悩みの原因を置き、自分は安全な場所で
やり過ごそうとする。

しかし、結局は一つの心の中を二つの領域に
区切っているに過ぎないので、全ては
あなたの中に存在するのです。

幽霊が登場すると言った場合も同じです。

” 幽霊 ” は夢の中では、あなたの外側に
存在するものという設定になっていますが、
実際は、元々あなたの心の中に存在する
何らかの感情です。

そして、その感情から逃れることは
出来ない。

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終わらない鬼ごっこ

” 何か来る ” と思った直後に、彼女は
幽霊が自分のすぐ後ろに立っている気配を
感じ取る。

彼女が体験した ” 霊感 ” のようにも思える
この感覚は、夢の中で第六感が研ぎ澄ま
されたということなのでしょうか?

そうではありません。

そもそも、幽霊を自分の背後に出現
させたのは、彼女自身の演出なのです。

自ら演出したものですから、無論、後ろを
振り向かなくても背後に何がいるのかが
分かる。

忘れてならないのは、この夢の作り手は
彼女自身ということです。つまり、彼女は、
この短編ホラー映画の総合演出であり、
映画監督なのです。

ここで、こんな疑問を持つ人もいるかも
しれません。

” 自分を恐怖に陥れる演出を自らする
わけがない ”

しかし、実際は誰もが悪夢を見る。それは、
心に抱えるものを処理するためには、
やも得ない措置なのです。

潜在意識が自ら作った仮想世界で主人公が
苦しんだとしても、それは、治療のために
医師が注射針を腕に刺すときの ” 痛み ”
のようなものです。

さて、彼女は自らが抱える心の問題を
” 幽霊 ” という存在に置き換えて視覚化
しています。ある意味、彼女は自分の
抱える問題と向き合おうともしている。

このように夢の中で心に抱えた不安や
苦悩が、幽霊や怪物、悪魔という形で
しばしば表現されることがあります。

それは、形無き不安や苦悩に形を与える
ことで物理的な対処が可能になるからです。

幽霊や怪物という目に見える存在ならば、
なるべく遠くに逃げたり、戦って倒したリ
すれば、夢の中では、一応は問題解決した
ことになり、心に安心感を与えることが
出来る。一時的な錯覚でしかありませんが。

例えば、幽霊にどこまでも追いかけられる
という夢。これは、現実の問題が夢の中の
演出だけでは誤魔化しきれていないという
ことを表している。

ゆえに、夢の中で幽霊から延々と
逃げながら誤魔化し続けなければいけない。

袖をつかむ者

さて、ここまで解説しましたが、
そもそも彼女が抱えている心の問題とは、
一体、何だったのでしょう?

筆者は、それについて尋ねてみましたが、
彼女は ” それについては、答えたくない ”
と言って、それ以上のことを語っては
くれませんでした。

ただ、母との関係で、とある問題を抱えて
いるということだけ教えてくれました。
最後に彼女は、次のように言います。

” 幽霊は、母親の影だったのかもしれない ”

その言葉の意味は筆者には分かりません
でしたが、彼女の心に重くのしかかった
それが、今回の夢を作ったのでしょう。

筆者もこれ以上、彼女の心の傷を刺激
しないためにセッションを中断したのです。

人は日々夢を見ますが、その中には誰にも
打ち明けることが出来ない個人的な悩みが
主題となるときもある。

むしろ、誰にも言えないからこそ夢になる
と言うことも出来ます。

特に悩みが深刻であれば、今回のように
強烈な恐怖を感じる夢を作る可能性も
あります。

もし、あなたが恐怖で飛び起きるような
悪夢を見たならば、まず、自身のメンタル
について、一度、冷静に考えてみる時期
なのかもしれません。

人は、目覚めて日中活動している時は、
案外、日常の忙しさから、自分の心の
バランスについて注意を払わなかったり
するものです。

” 大丈夫、これぐらいのことは
よくあること・・ ”

と受け流し、心の叫びと向き合うことを
避けるのです。

ただ、それが決して悪い行いだとは
思いません。現実、前に進むには、
そうしなければいけない時もある。

しかし、心の声に気づかないままでいると、
いつの間にか、前に進めなくなってしまう
こともあるのです。

もし、あなたの中のメッセンジャーが、
服の裾を引っ張って泣き続けているなら、
たまには話を聞いてあげてください。

それが小さな声であっても、あなたには
必要なメッセージなのです。

 

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