夢占いに詳しくなるほど、当たらなくなる?

夢占いで自分の見た夢を調べていると、
ぴったりと当てはまる場合もあれば、首を
傾げてしまう場合もあります。

ただ、夢占いで常に自分の夢を調べるという
習慣が続くとある現象に気づくのです。

段々と夢占いが当たらなくなっていく
という奇妙な現象。

この現象に遭遇した人は、かなりの夢占い
通でしょう。当初、筆者もこの現象がなぜ
起こるのか分かりませんでした。

なぜ、同じ内容の夢なのに
一度目の夢は当たったが、二度目の夢は
当たらなかったのか?

夢占いの解釈を誤って理解している自身の
能力不足が原因なのか?

最初に当たっていたのは、単なる偶然
だったのか? もしくは、
ネットリサーチが足りなかったのか?

この夢占いの的中率が落ちていく現象には、
明確な理由があります。

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成長によって変わるもの

あなたが何かを経験したり、新しい知識を
得ると、それが心境の変化に繋がることが
あります。

例えば、インターネットで睡眠不足に
ついて調べていて、とあるウェブサイトで
睡眠時間を削ると脳にどういった影響が
あるかを知り、その日から夜更かしをやめる
といった。

そして、あなたの変化は、潜在意識の変化
でもある。夢を作るのはその潜在意識。

つまり、蓄積していく夢占いの知識は、
夢の作り手である潜在意識にも影響を
もたらすということになります。

知識や経験を重ねながら、心が成長する
ように潜在意識も成長していく。
そして、その成長は、その後に作られる
夢に反映される。無論、解釈もそれに
合わせて変わっていく。

やがて古く固定的な夢占いの解釈と、
成長した潜在意識が作る夢の意味が乖離
していく。

これは避けられないことなのです。

子供の頃に見た ” 空を飛ぶ夢 ” と、
大人になってから見た ” 空を飛ぶ夢 ”
の意味は、やはり違いますし、

犬好きな人が犬の夢を見る場合と、
犬嫌いの人が犬の夢を見る場合とでは、
” 犬 ” の意味は違ってきます。

さらに言えば、今まで犬嫌いだった人が
子犬を拾って、一転、犬好きになれば、
嫌いだった時に見た夢と、
好きになった後に見た夢の意味は変わる。

夢の意味は、常に夢を見る人の変化に
合わせて変わっていくのです。

次は、夢の一例です。

飛んでいた一匹の大きな蛾が、
とある人の枕の上に落ちる。

夢占いでは、” 蛾 ” は、古来から死の予兆を
暗示するシンボルとして扱われてきました。
つまり、この夢は、その枕を使っている
人物の死期が迫っていると解釈することが
出来ます。

しかし、次のようなケースでは、
必ずしもそういった解釈にはなりません。

この夢を見た人物が夢占いにおいて
” 蛾 ” が何を意味するか、すでに知っていた
場合です。

そもそも、潜在意識が ” 死の予兆 ” を
蛾に置き換える理由は、この二つが
” 遠ざけておきたい嫌悪すべき存在 ”
であるという点で共通しているからです。

そして、蛾に限っては簡単に追い払える。

ゆえに、夢の中でこの二つを入れ替え、
小さなそれを追い払うことで、死を
遠ざけようとする心理が働いた結果が
夢となる。

” 蛾 ” が死の予兆であると既に知っている
場合、潜在意識はその知識を利用して、
例えば次のような夢を作ります。

憎たらしい夫が
ソファーにふんぞり返って、
好きなテレビを見ている。
 
夫の鼻の上に
一匹の蛾が止まっている。

この夢を解釈するなら、
” 憎たらしい夫に死の制裁を! ”
と言ったところでしょうか。

蛾がもはや死の予兆ではなく、単に
憎たらしい相手を懲らしめるための
” 罰 ” になっています。

それが夢の中であっても夫の死を直接
描くことに抵抗があれば、” 蛾 ” は
潜在意識にとって都合の良い ” 死 ” の
間接的表現として利用されます。

夢占いにある固定的な解釈は、夢を見た人
の個別の事情や心の成長までをフォロー
しているわけではありません。

今のケースで言えば ” 蛾 ” の意味を
知っているか、知らないかという知識の
有無によって導かれる答えが変わる。

知識を得ることで心が変化するならば、
それに伴って夢への理解も変化させていく
必要があるのです。

夢解釈には普遍的な答えなどありません。
常に流動的であり、個人的です。

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意味が変化しない夢

次は筆者が見た夢の一例です。

小さな密室に閉じ込められている。
 
どうにかして通気口から脱出したが
結局、別の密室に出る。

当時、筆者は自分の変わり映えのない
日常にうんざりしていた時期でした。

この夢は殻を打ち破って新しいことを
始めたいという筆者の心理を描いています。

退屈な日常を ” 密室 ” に例え、夢の中で
そこから脱出するという形で疑似的に
新しい世界を体験しようとしている。

しかし、その先は結局、別の密室。

潜在意識はそれが疑似体験に過ぎず、
現実は何一つ変わっていないことを自覚
しているのです。

” ここは新しい世界なんかじゃない ”

脱出の必要性を感じた潜在意識は、
もう一度、密室設定を与え、筆者に同じ
体験をさせようとしています。

また、この時期、ほとんど同じ内容の夢を
繰り返し見ていました。この場合、最初に
見た夢とその後に見た夢の意味は、
ほぼ変わりません。

現実世界で筆者の抱えていた問題が解決
されたわけではないので、心は変化する
どころか同じ場所で足踏み状態だからです。

なので、最初の夢の意味をそれ以後の夢に
当てはめることができる。

ただ、最初の夢を見た筆者と、二度目の夢
を見た筆者には若干の違いがあります。
それは、密室の夢を始めて体験したか、
すでに体験しているか、という違いです。

二度目の時、筆者は夢の中で次のように
思いました。

” また、この設定か・・ ”

そして、設定は変わらないが、通気口から
脱出する時間が短くなった。最初の時は、
部屋から出る方法を模索しながら通気口を
見つけるという展開でした。

つまり、シチュエーションに変化が無い
状態で若干の工夫をしているのです。

二回目からは ” 通気口 ” は、疑似的な
脱出ルートとしての役割がより明確に
なっている。

それは” 疑似的 ” ですが、明らかに問題に
対する向き合い方が前回よりも効率的に
なっています。

答えを導く人

夢の意味を正しく理解するためには、
夢が作られるきっかけとなった現実世界
について考えていく必要があります。

現実世界が固定化されているなら、
夢の意味も固定的でしょう。しかし、
現実世界が永久に同じであるというのは
不可能ですから、無論、夢の意味も普遍的
であり続けることは出来ない。

つまり、夢の意味そのものを保存し、
蓄積するということに意味は無いのです。

人は、一人一人違う。

そして、その一人一人が日常生活を通して、
違った経験を積んでいく。その経験が
きっかけとなり夢を作る動機が生まれる。

あなたは夢占いで常に解釈出来るような
パターン化された夢を見るほど、単純な
人生を送っているわけではありません。

夢とは、その人の心が映し出される。

キーワード検索で夢の意味を調べることが
出来るとしたら、あなたの本心を誰かが
ネット検索で理解しようとしているような
ものです。

本当の夢の意味を知るためには、教科書
どおりの解釈ではなく、自身で答えを
導き出さなければならない。

では、自分自身で夢を読み解くには、
どうすればよいのでしょう?

この記事で全てを説明することは不可能
ですが要点だけを言うなら、まず必要
なのは ” 自己観察 ” です。

夢の内容だけでなく、自分の置かれている
状況、自分が今感じていること、
そういった客観的、内面的な部分に
スポットライトを当てる作業になります。

面倒だと感じるならば ” 単なる夢 ” として、
片づけてしまってもいい。

ただ、あなたが見た夢の意味を導き出せる
唯一の人は、世界であなた一人です。
どこかのウェブサイトでも、心理学の
専門家でも、無論、筆者でもない。

これは、あなたの心の中で
起こっていること。

あなた以外に、誰が
” 答え ” を導きだせるでしょう?

 

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