夢の中の ” 架空の道 “|その先にある景色

会社の通勤経路や自宅前の通りなど、
現実に存在する道ではなく、
実際には存在しないシチュエーションとして
” 道 ” が登場する夢。

それは、道路や遊歩道といった
明確な ” 道 ” だけとは限りません。

山の中の獣道、海岸で見つけた続く誰かの足跡、
もしくは、ビジュアルとしての道ではなく、
何かに対する考えや思いといったものが
変化していくその過程を
” 道 ” と捉えることも可能です。

無論、実在する道が登場した場合と
架空の道が登場した場合とでは解釈の仕方も
変わってくるでしょう。

架空の道は、どちらかと言えば
象徴的な意味合いが強いかもしれません。

実在の道ならば、その道と
あなたの間の接点を探す必要があります。

では、具体例で
” 架空の道 ” について見ていきましょう。

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架空の道

次は、とある女性が見た夢の一例です。

細い山道を歩いている。
大きな石が転がっていて歩きにくい。
 
次第に険しくなり道が途切れかかっている。
 
倒れた枯れ木の向こう側に
かすかに道らしきものが見える。

この夢を見た女性に尋ねたところ、
道は架空のものだったと言います。

” 道 ” が、ストーリーの
中心的な部分を占めていて、
架空のものだった場合、
人生の一場面を抽象的に描いている
という場合があります。

例えば、人生の分岐点に
差し掛かっている人ならば、
夢の中で二本の分かれ道が出てくるといった、

他にも、苦難にぶち当たって、
それを乗り越えている途中の人なら、
急な坂道を登っているという夢になる
かもしれません。

*

潜在意識が ” 人生の一場面 ” という
込み入った状況を分かりやすく表現するために
” 架空の道 ” に置き換えているのです。

人生のテーマをシンプルに映像化することで、
直感的な対処が可能になります。

例えば、あなたが人生の分岐点に
差し掛かっているときに、
一本道が二本に別れる夢を見たとします。

現実の ” 人生の選択 ” は、
容易ではありません。

しかし、分かれ道をどちらに進むか
というシンプルな選択なら、
直感的に選ぶことが出来る。

潜在意識は、難しい問題を
解決しやすい形に変換する性質があります。

個人的な事柄

さて、今回の夢で登場する架空の道について、
夢を見た女性に詳しく話を聞いたところ、
その山道は緩やかな坂道でカーブを
描きながら続いていていたと言います。

道の状態は、所々、雑草や岩など、
障害物の多い荒れた砂利道で歩きにくかった。

これは、どう解釈すべきでしょう?

*

これを ” 人生の苦難 ” として
解釈してしまうことは容易ですが、
まず、何よりも彼女自身の今の状況について、
知っておく必要があります。

筆者は彼女に次のように質問しました。

” 今、苦労されていることや、
乗り越えようと頑張っていることはありますか? ”

彼女は、現在、会社員として働く一方で、
小さな雑貨店を友人と共同経営という形で
開きたいという夢を持っていました。

二人ならば、どうにか予算を捻出できたのですが、
友人が、最近になって、
” 降りたい ” と言い出したのです。

それで、雑貨店の話は暗礁に乗り上げてしまった。

この夢は、現在、彼女が置かれている
苦難の状況を ” 架空の道 ” に置き換えて
描いています。

一人ぼっちで足場の悪い坂道を歩きながら、
道の脇には岩が立ちはだかり、
雑草が生い茂っている。

それでも彼女が立ち止まらずに
歩き続けていることからも、
今でも夢を諦めてはいない姿勢が伺えます。

山道は薄暗く寂しげだったそうです。

友人が離れてしまって、
一人でやらなければならないという
彼女の心細さが
山道を一人で歩く時の気分と似ている
ということかもしれません。

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その先にあるもの

道は、次第に険しくなり、
途切れかかっているという部分は、
彼女が実現しようとしていることが、
先行き不透明になっていると
読むことが出来ます。

彼女は山道を歩き続け、やがて、
倒れた枯れ木に行く手を遮られる。

枯れ木を乗り越えなければ
先に進めないわけですが、
潜在意識は、彼女の行く手を阻む
何らかの ” 障害 ” を
” 倒れた枯れ木 ” に例えています。

単なる倒木ならば、よじ登って、
乗り越えれば済む話ですから、
簡単に問題を処理できる。

ここでも、先ほど言った
複雑な問題をシンプルな問題に
置き換える処理が行われています。

*

さて、彼女にとって ” 障害 ” とは何でしょう?

先ほどの雑貨店のエピソードを知る限り、
” 資金不足 ” と考えるのが自然です。

ただ、倒木は枯れているということなので、
別の見方で解釈するなら、

生きていたものが、水分を失い
干からびてしまったという状態から、
彼女と友人の間にあった
” 友情 ” もしくは、” 絆 ” が、
それなのかもしれません。

もし、そうならば、
彼女は失ってしまった友情を乗り越え、
先に進もうとしているのです。

*

さて、夢の最後の部分、
倒れた枯れ木の向こう側に
かすかに道らしきものが見える。

” かすかに ” ですから、
もしかしたら道ではないかもしれない。

しかし、完全に道が
無くなっているとも言えない。

向こうに見える景色を
彼女のイメージする ” 将来像 ”
だとするなら、潜在意識の視点でも、
そこに道があるのか無いのかは未知数であり、
判断できないということなのでしょう。

仮に、倒木の向こう側に
美しい世界が広がっている場合、
それは、実現される未来、ではなく、
彼女の ” 理想 ” が描かれている
ということかもしれません。

いずれにせよ、
彼女の今すべきことは、
まず、障害を乗り越えること。

その先に何があるのかは、彼女自身が
行動して確かめるしかなさそうです。

” メッセージ ” の意味

さて、今回は、架空の道について
具体例を挙げて解説しましたが、もし、
あなたが似たような設定の夢を見たとしても、
今回の解説が参考になるとは限りません。

ここで説明した ” 道 ” に関する
諸々の解釈は、あくまで、
雑貨店を経営するという夢を持った
彼女にしか当てはまらないからです。

あなたが、道を歩いている夢を見たなら、
あなただけの解釈が必要になる。

誰かの見た夢の解釈をそのまま
当てはめることは出来ないのです。

*

ただ、これだけは言えます。

あなたの見た夢を作ったのは、
あなた自身だということです。

夢の意味を知るために必要なのは、
情報検索で新しい知識を得ることではなく、
自身の心に問いかけることです。

なぜなら、夢は、
そこで生まれたものだから。

しかし、” 心に問いかける ” というのは、
具体的にはどうすればよいのでしょう?

もちろん、頭の中で、
” 夢の意味を教えて ” と念じても、
潜在意識が、言葉として
それに答えるわけではありません。

潜在意識は言葉を使わない。
使うのは ” 感覚 ” です。

だから、夢を見てあなたが、
何を感じたのかが夢の意味を
知るためには重要なのです。

つまり、あなたが感じた ” 感覚 ” こそが、
潜在意識が伝えたかった
メッセージそのものなのです。

 

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