夢の意味を検索する前に|キーワード検索のジレンマ

キーワード検索で夢の意味を調べるという
行為は、ある種のジレンマを抱えています。

それに気づかないまま、多くの人が夢の
内容からキーワードを抜き出し、それを
検索している。ゆえに、正しい答えを
得られずにいる。

では、ジレンマとは何でしょう?

まず、夢を意味を知るためには、
その内容から検索に必要なキーワードを
抜き出すという作業から入ります。

しかし、夢は、一本の映画のように
あらゆる要素が一つになったものですから、
その一部をキーワードとして切り離した
時点で意味を失ってしまう。

映画を音楽のみで評価したり、演技のみ
で評価することは出来ますが、各要素を
バラバラに評価していては、製作者が
伝えたいメッセージを知ることが出来ない
のと同じです。

それは、各要素の集合体ではなく、
最初から分解することが出来ない一つの
作品なのです。

しかし、夢の意味をネットで調べようと
すれば、検索の仕組み上、キーワードで
部分的な検索をする以外に方法が無い。

これが、ジレンマです。

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継ぎ接ぎの解釈

具体的な例を挙げて説明しましょう。
次は、とある女性が見た夢の一例です。

駐車場に向かうと、
怪しげな男が立っている。
 
どうやら自分を待っているようだが、
気味が悪くて車がある場所まで行けない。

この夢の意味をネット検索で調べようと
するならば、キーワードとして候補に
挙げるとすれば、

” 駐車場 ”
” 見知らぬ人 ”
” ストーカー ”

と言ったところでしょうか。さらに
夢の意味を知りたいわけですから、

” 夢占い 駐車場 ”

というようなキーワードで検索することに
なります。

ネット上には様々な情報がありますから、
同じシチュエーションの回答が見つかれば
よいのですが、大抵、100%一致している
ということはありません。

部分部分では一致はするものの、細部、
もしくは、ストーリー全体として見た時に、
違っているというケースがほとんどです。

上記に挙げた三つのキーワードを元に
夢の意味を調べると、それぞれに
それらしき解答はあるものの、結局は、
バラバラの解釈です。

結果、複数の解釈から総合的に判断する
という流れになると思います。多分、
整合性の取れた解釈をすることは不可能
でしょう。

また、夢の内容にはキーワードとして
抜き出しやすいものと抜き出しにくいもの
があります。

今回の夢で言うなら、自分の車を止めている
場所に行くことが出来ないという状況を
キーワードにはしにくいので、強いて
キーワード化するならば、

” 目的地 着かない ”

というようなものになるのでしょうか。
もはや漠然とし過ぎて、有用な情報は
得られないでしょう。

こうして、キーワード化しやすい部分、
だけで夢の意味を調べるという偏った
アプローチになります。

ならば、どういった方法なら適切と
言えるのでしょう?

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夢を見た背景

筆者は、この夢を見た女性に尋ねました。

” 夢の舞台となっている駐車場は、
実在の場所ですか? ”

彼女の説明では、職場から少し離れた駐車場
だと言います。そこは、暗くて人気も無く、
彼女は日頃から物騒に感じていたということ
でした。

夜遅くまで残業になると、一人で行くのは
怖いということで、大抵、誰かと時間を
合わせて帰るようにしているそうです。

そして、最近、残業が続いていたという
こともあり、余計に神経質になっている
かもしれないと彼女は言いました。

” 見知らぬ男を駐車場で
見かけたところで目覚めたのですか? ”

筆者の質問に、彼女は次のように説明
します。

男を見つけた後、自分はその姿を隠し撮り
するためにスマホのカメラアプリを起動
しようとしたところで目覚めた。

彼女は、それを会社の上司に見せれば、
何か対策を取ってくれるかもしれない
と思った。

こうして、彼女から細かな経緯を聞くと、
この夢の意味が何となく見えてきます。

彼女が日頃から、物騒に感じていた
その不安が人物という形で登場しています。

何の根拠も無く、ただ怖がっているだけ
なら対処のしようもありませんが、私有地に
不法侵入した怪しい人物という明確な存在
ならば何らかの対処も可能。

彼女の潜在意識は、形無き不安を形ある
存在に置き換えて物理的に対処しようと
しているのです。

” 不審者が見つかれば、
会社も早く帰れと言ってくれるかも ”

彼女のそんな思惑が夢になったと解釈
することも出来ます。

夢とは舞台劇のようなもの

ここでは、彼女の置かれた状況を
リサーチするところから始めています。

夢は、その人の心の中から生まれるわけ
ですから、答えはその人の中に既にある
のです。今回の夢ならば、この夢を見た
彼女について、まず理解しなければならない。

多分、あなたは、自分が見た夢を読み
解こうとしているはずです。だから、
筆者のように誰かにインタビューをする
必要は無い。必要なのは ” 自己分析 ”
ということになります。

リサーチの対象者が自分自身ということなら
情報収集はインターネット検索よりも
簡単です。自分に問いかけるだけですから。

問いかけは、夢に関係しそうな日常の
出来事、登場した人物に関する印象、
場所に関する過去の記憶、夢の中の行動や
思考についての省察など、思い当たり
そうな情報を元に行っていきます。

今回の夢を彼女自身が読み解くために
問いかけをするとしたら、

” 会社の駐車場について、私の中に何か
気がかりがあるだろうか? ”

” いつもは一人で駐車場には行かないのに、
なぜ、夢の中では一人だったんだろう? ”

” 私は写真を撮ってどうしようと
していたんだろう? ”

というような設問をしながら、解釈の
輪郭を整えていくという感じです。

また、夢の性質を理解しておくことは、
こうした問いかけの方向性を絞るのに
役立つでしょう。

夢の性質については、様々な記事で解説
してはいますが、ここで簡単に基本的な
部分を説明しておきましょう。

例えば、あなたが何か夢を見たとします。

その夢はストーリーが複雑で、一見すると
支離滅裂に見える。そういった時は原点に
立ち返ってみてください。

その夢を作ったのは、一体、誰なのか?
それは、無論、あなたです。あなたは
夢の世界における創造主のようなものです。

人物を作ることも、見たことも無い動物を
作ることも、必要ならば海を二つに割る
ことも出来る。

夢の中では、全てがあなたの支配下に
あることを前提に考えてみましょう。

あなたが夢の中で何者かに追われている
としたら、それは追われているのではなく、
あえて、追わせているのです。

夢の中であなたと敵対する人物が登場
したなら、その人物をキャスティング
したのも、あなたです。

舞台劇に例えると分かりやすいかも
しれません。あなたは主役であり、
監督です。敵対する人物は、あなたが
用意した役者。

つまり、二人は、いい決闘シーンを作る
ために協力しあっている同じ劇団の
メンバーなのです。

その時々で監督であるあなたは敵役に指導
をする。もっと攻撃的に、もっと威圧感
たっぷりに、何だったら命を奪いに来いと。

実際はもう少し複雑ですが、基本的に
悪夢はこうした形で作られるのです。

 

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