日常的な夢に登場する見慣れたアイテムの解釈

日常生活でいつも持ち歩いている携帯品、
よく使う愛用品などが夢に登場する場合。

例えば、現代人が肌身離さず持っている
スマートフォンとか、視力の悪い方なら、
メガネがそうかもしれません。

他に、頭痛持ちの人なら、バッグの中に
常備薬を携帯している場合もあります。

既婚の方なら結婚指輪、信心深い人なら
お守りを持ち歩いているかもしれない。

こういった持ち歩けるぐらいの小さな物、
そして、日常でよく使うものが夢の中で
強調される場合は、
どう解釈すべきでしょうか?

広告

メガネの夢

まず、そのアイテムの使い方や価値は
人それぞれですので、その解釈も
ケースバイケースになるということを
理解しておかなければなりません。

例えば、スマホについて言うなら、
メガネのような用途が限られたアイテム
とは違い、電話、ゲーム、SNS、
ネットショッピング、株式投資ための
ツールなど、使い方は多岐に渡ります。

それは幅広い用途を持っているわけ
ですから、スマホが登場する夢は他の
アイテムに比べて、より解釈が難しくなる。

その人がスマホをどのように使っている
のかという所から始めなければなりません。

もし、その人がSNSを中心に使っている
というのなら、スマホの夢を見たとしても、
それは、スマホを通じたSNSについて
描かれた夢ということになります。

スマホについて書き続けると、かなりの
分量になってしまうので、この辺りで
話を戻しましょう。

要は、アイテムが持つ特性によって、
柔軟な解釈が必要になっていくという
ことです。

次は、とある女性が見た夢の一例です。

オフィスにて。自分のデスクの上に
メガネが置いてある。

とても短く、シンプルな構成の夢です。

ストーリー性も登場人物もいないので、
” デスクに置かれたメガネ ” だけが、
唯一の判断材料ということになります。

また、デスクの上にメガネが置いてある
という場面は、一見すると不自然ではなく、
日常的な光景のようにも見えます。

この夢は、一体、
何を意味しているのでしょう?

いつもと違う設定

女性の話では、メガネは自分がいつも
使っているもので、通常は、常に身に
着けているが、お風呂と就寝の時だけ、
それを外すということでした。

ここで、一つの疑問が浮かびます。

なぜ、いつも身に着けているはずのものが、
デスクの上に置きっ放しになっている
のでしょう?

それが置いてある場所は、洗面所でも、
枕元でも無く、職場のデスクの上。
彼女の潜在意識は、夢の中で、メガネが
デスクの上に置かれているという設定を
あえて作っている。

筆者は尋ねます。

” それは、仕事場に忘れたという設定
だったのでしょうか? ”

彼女の認識では、職場に置き忘れたメガネ
を思い出す回想シーンとして今回の夢を
見たということでした。

そして、自分は会社に取りに戻るか
どうかを迷っていたと言います。

筆者は、次に、夢を見た日の状況を
尋ねます。

” 夢を見た前日、もしくは最近のことで、
職場で何か印象的な出来事などは
ありましたか? ”

彼女は、一日を終え、予定通り枕元に
メガネを置いて眠りに就こうと
ウトウトしだした時にこの夢を見た。

ただ、その当日、彼女には、
やり残した仕事があったそうです。

通常は、仕事を仕上げた後に一通りの
チェックをするのですが、その日は、
なぜかしなかった。

帰宅途中の車内で、それを思い出したが、
これまでチェックで間違いを見つけたこと
が無かったので ” 大丈夫だろう ” と思い、
そのまま帰宅した。

そして、就寝時にはそのことを
すっかり忘れていた。

広告

すり替えられたもの

翌日、彼女は職場に来ると、夢を見た
ということもあり、気になっていた
昨日の仕事を朝一番にチェックすると、
間違いを一箇所だけ発見したそうです。

この経緯を聞く限り、次のような解釈が
出来ます。

彼女は、仕事のやり残しが心の底では
引っかかっていた。ただ、職場に戻る
のは面倒だった。そこで潜在意識は、
睡眠中に夢を作った。

戻らなくてもよい言い訳を作るために。

オフィスに忘れたのは、やり残した
仕事ではなく、いつも使っているメガネ
であると、問題意識の ” すり替え ” を
行ったのです。

仕事なら、後々、何か問題になるかも
しれませんが、メガネなら、私物だし
置き忘れたとしても問題にはならない。

彼女の潜在意識は、自分がミスをして
いることに気がついていたのかも
しれません。

心の底で感じていた ” 焦り ” を仕事上の
ミスではなく、メガネを職場に忘れた
からだと錯覚させて、自身の気持ちを
騙そうとしているのです。

しかし、なぜ、メガネなのでしょう。
他のアイテムでもよかったのでは?

もし、置き忘れても困らない爪切りや
目薬だったとしたら、どうでしょう?

打ち消せない心の焦りが、どうでもよい
爪切りのせいだとは、とても思えない。
それはある程度、大事な何かでなければ
” 焦り ” とのバランスが取れないのです。

潜在意識は、いつも愛用しているメガネが、
問題意識のすり替えに丁度良いアイテム
であることを認識しています。

分析に必要な視野

メガネ、アクセサリー、化粧品、時計、
バッグなど、帽子、靴、

こういった持ち歩くことが出来る小さな
アイテムは、比較的、夢占いで検索すると
見つかりやすいタイプの項目です。

そのため、夢解釈の時に、
ストーリー全体、意味不明の場面、設定、
という分かりにくい部分を放置したまま、
アイテムのみで解釈してしまうという
アイテム中心の分析になりやすい。

夢を映画に例えるなら、小さなアイテムは
小道具です。

無論、小道具だけで映画は成立しませんし、
それだけ見ていても映画のテーマは
伝わりません。

断片的な手掛かりだけでは、夢が伝えている
本当の意味を知ることは出来ないのです。

大切なのは夢を見た本人にとって、
そのアイテムが何を意味するか、どんな
価値を持っているのか、ということを
よく理解しておくことです。

もし、あなたがいつもバッグに入れて
持ち歩いている化粧品の夢を見たとしたら、
それを使うタイミングはどんな時か、
それに感じている使い心地、
最近使い始めたのか、ずっと愛用している
ものか、なぜ、使い始めたのかといった
細かな観察をしていく必要があります。

観察していく中で、

” もしかして、
こういうことなんじゃないか・・ ”

と自分の中に一つの考えが浮かんだら、
後は、それを掘り下げていくだけです。

いずれにせよ、なぜ、それが夢に登場
したのか、そこには裏付けされた心理が
あるのです。

メガネが登場したらこう解釈するといった
教科書的な模範回答はありません。全ては、
その人の個人的体験から始まること。

なので、あなた自身の体験が夢を解く鍵と
言うことも出来る。

アイテムだけでなく、全体を視野に
入れるのです。それは、無論、夢の内容
だけではありません。あなた自身の日常、
さらには人生も、その中に入るのです。

 

関連記事


読む

読む

広告

 

この記事をシェアする