夢は本当に記憶の整理なのか?|私たちが証明できないこと

夢は記憶の整理だという説があります。

それは、記憶の断片が寄せ集められ、
支離滅裂なストーリーになっているだけだと。

しかし、なぜか夢には、何十年も前の
学生時代の恩師が登場したり、子供の頃に
住んでいた家が舞台になったりします。

果たして、そんな大昔の記憶を
今頃、整理する必要があるのでしょうか?

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私たちが証明出来ないこと

私たちは、映画 ” インセプション ” のように
眠っている人の頭の中に入って、他人の夢を
直接観察することは出来ない。

他人の夢を観察する方法は、結局、
インタビューとして夢の内容を聞き取る
しかありません。被験者の話を信じる
とするなら。

だから、夢に関する研究の多くは、数学
のように ” 証明 ” は出来ないのです。
それが統計に基づいたデータだとしても、
結局は ” 人から聞いた話 ” でしかない。

無論、このブログで伝えている夢に関する
多くのエピソードも証明出来るようなもの
ではありません。それは、単なる筆者の
経験から語っていることに過ぎない。

もしかしたら、夢が記憶の整理である
という説は正しいのかもしれませんし、
誤りなのかもしれない。

もしくは、筆者の言っていることが
間違いなのかもしれないし、あるいは
正しいのかもしれない。

それは、誰にも分からない。

夢とは、イメージそのものです。
頭の中に浮かんだイメージを第三者に
どうやって証明するか?

不可能です。

もしかしたら、あなたは人類で唯一、
” 夢 ” を見ることができる特別な存在
なのかもしれない。

他の人も夢を見たとは言っているが、
それはあなたが見ている夢とは全く
別の物なのかもしれない。

それが同じであると、
どうすれば証明出来るでしょう?

絵を描きましょうか?
それとも夢日記を見せましょうか?

それは、科学的根拠にはなりえない。
夢にそれを求めること自体がナンセンスです。

それは、人の頭の中にある。

人類にテレパシーでもない限り、それを
直接伝えることは不可能。故に、夢が
何であるかを決めつけることは誰にも
出来ない。

もし、それをあたかも事実のように
伝えている情報があるならば・・
世の中に ” 絶対 ” はありません。絶対と
言う人がいるならば、疑うべきです。

ただ、これだけは言えます。

あなたが見た夢は、あなたにとっては
紛れもない事実。筆者には確かめようの
ないことですが。

あなたが見た夢の内容を証明できるのは、
唯一、あなた自身に対してだけ。

” 感覚 ” を信じるということ

では、あなたが夢を見て、自ら解釈し、
それが正しい答えかどうかは、
どう判断したらよいのでしょう?

判断する方法は、一つしかありません。
あなたの夢の答え合わせは、あなた自身が
するしかないのです。

仮に他の人がそれを解釈をしたところで、
あなたに証明することは出来ないのだから。
所詮、それは他人の意見に過ぎない。

別に、これは奇妙な話ではありません。
例えば、あなたが誰かに人生相談をした
として他人の意見を聞いた後、最終的に
どう考えるかは自分の意思に委ねるでしょう。

人は、元々、自身に問いかけることで
答えを得る。

夢とは、そもそもが科学的証明が不可能な
現象であり、全ては憶測に始まり、憶測に
終わる。それは、人類が今だ神の存在を
証明できないのと同じです。

元々存在しないから存在を証明できない
のではなく、存在しないということすら
証明できないのです。

なぜなら、神は信仰者のイメージの中に
存在するから。

筆者は、このブログで常々、夢を解釈する
上で大切なのは、自身の感覚に問いかける
ことだと主張しています。

つまり、今朝見た夢の意味を考えてみて、
” この解釈に心当たりがある ”
という、心にシックリとくる感覚だけが、
唯一の判断基準なのです。

” 感覚なんてものに頼って大丈夫?
ネットで調べた方が・・”

と思われるかもしれませんが、周りを
見渡してみてください。夢を見た本人が
認める以外に確かな根拠など、どこにも
無いのです。

自分の感覚を信じるしかない。

言い換えるならば、それ以外に信じられ
そうなものはどこにも無いということ。

無論、筆者の言葉もあなたにとっては
真実ではない。真実は、あなた自身が
その夢に何を感じたのか、それだけです。

” 自分の感覚を信じる ”

確かに良い響きの言葉です。ただ、それは、
周りの意見を遮断して、耳を塞ぎ、自分が
正しいと思い込むというのとは違います。

ここで重要なのは、自分の考えを否定する
視点を持つことです。

つまり、” いや、ちょっと待てよ・・
それは、本当に正しいのか? 自分が単に
そう信じたがっているだけでは? ”

と、自分の考えを客観的に疑う視点。

客観的視点無しに耳を塞いでいるだけだ
としたら、それは、自分を信じていると
言いながら実は信じていないのです。

自分の ” 全ての感覚 ” に対して正直に
なる必要があります。それが
肯定であっても、否定であっても。
それら全てを信じて、初めて自分を信じる
ことに繋がる。

仮に、自信に満ち溢れ、自分が正しい
方向に進んでいると確信できたなら、
それは冷静さを失っている兆候です。

自信は無い状態の方がいい。

特に、予知に関する夢を見た時、自分の
感覚がまともなのか、そうでないかを
判別することが極めて難しい。

それは、世間一般から見れば、単なる
” オカルト ” です。

そして、先ほども言ったとおり、
それを誰かに証明することは出来ない。
よって、予知が実現したのかどうかは、
夢を見た本人にしか分からない。

もし、あなたが予知夢を見たとして、
それを誰かに話しても信じてもらえない
かもしれない。

後で話を付け足したとか、あなたが
そう思い込んでいるだけだと周りの人は
言うかもしれません。

こう考えてください。

その誤解は永久に解けない。
その人自身が同じ体験をしない限り。
そして、彼らは体験しない。

なぜなら、そういった場面に遭遇しても、
” いや、ちょっと待てよ・・
それは、本当に正しいのか? ” という
セリフが頭に浮かぶことがないから。

人は自分の考えに同調する考えだけを
体験として受け入れるのです。

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あらゆる可能性を前提に

では、ここでとある女性が見た
夢の一例を紹介しましょう。

水筒に熱いお茶をなみなみと注ぐ。
 
蓋をしようとするがサイズが合わない。
 
無理やり閉めようとすると、
お茶がこぼれる。

普通なら目覚めて10分もすれば忘れて
しまいそうな平凡な夢です。それは、
湯飲みではなく、水筒ですから、多分、
それを持ってどこかに出かけるという
設定なのです。

しかし、水筒の蓋が閉められずに
準備が整わない。

お茶は、なみなみと注がれているわけ
ですから、よほど途中でお茶が無くなる
心配をしているのでしょう。

結論から言ってしまえば、この夢は
目標に向かって十分な準備をしてきたが、
まだ、大事なことが抜けているという
状態を描いています。

その ” 大事なこと ” が、サイズの合わない
蓋として表現されている。それが抜けている
ために、これまでの準備が無駄になりかけて
いる。

この夢を見た女性には交際中の男性がおり、
二人の間では既に結婚への話合いも済んで
いた。

ただ、一つ、男性を自分の両親に会わせて
いないという状況でした。これまで会わせ
なかった理由は、確実に反対されるから。

彼女は、どうにかして両親に彼を認め
させたかったが現実はそう簡単ではない
ようです。

両親と男性とのかみ合わない関係が
サイズ違いの水筒と蓋という形に置き換え
られています。

そして、それがしっかりとかみ合わ
なければ、いずれ彼の結婚に対する意欲が
冷めていくのではないかという彼女の中の
恐れが、蓋を開けっ放しの水筒の中のお茶
として例えられている。

さて、この解釈は正しいのでしょうか?

もしくは、単なる
こじ付け、後付けなのでしょうか?

そうなのかもしれないし、
そうじゃないのかもしれない。

筆者は断定を避けて、単に答えを
はぐらかしているだけなのかもしれません。

読み手の信頼を得るために、もっと断定的
な物言いをした方がいいとは思いますが、
それは出来ないのです。

事実ではないから。

あらゆる可能性があるのです。

それら全ての可能性を踏まえて、あなたが
何を思うか、それは自由。そもそも筆者は、
あなたの考えを変えることも拘束することも
出来ない。

夢は、潜在意識からあなたへ向けられた
メッセージです。

夢のストーリーは、一見すると、無意味で
支離滅裂に見えますが、そこには確かな
意味が隠されている。潜在意識の意図を
読み取ることで別のストーリーが浮かび
上がってくる。

自分の夢にスピリチュアルな力があるのか、
それとも、
単なる脳のデフラグメンテーションなのか、
あなた自身が確かめるしかない。

自分の夢を読み解くなら、これだけは
知っておいてください。

それは、あなたの感じた ” 感覚 ” です。

夢は感覚によって構築された世界。
言葉として説明することは出来ないが、
何かを感じ取ることはできるはずです。

あなたの感じたその ” 感覚 ” こそが、
夢を解くための重要なファクターなのです。

世間一般に広く知れ渡った学説や常識
ではなく、あなた自身の心に尋ねて
ください。現在も、これからも ” 答え ” は、
そこにしか無いのです。  

夢は、科学かスピリチュアルか
という問いは不毛です。

どちらでもよいのです。

あなたが、夢を見て何かに気づく。 
それ以上でも、それ以下でもありません。

 

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