夢の中の ” ゲーム “|現実と仮想世界の交差点

携帯ゲーム機やスマホの普及によって、
” デジタルゲーム ” は、私たちにとって
日常的なものになっています。

それが、常に身近なものである限り、
はやり、夢のストーリーに
組み込まれるのが自然でしょう。

また、ゲームと言っても、パズル、RPG、
シューティング、シュミレーションなど、
様々な種類のものがあり、
同じものは一つとして無いわけですから、

もし、あなたが、夢の中でゲームをしていたとして、
それをまとめて、夢占いの ” ゲーム ” という
項目に当てはめるというのにも無理があります。

*

夢の中でRPGゲームをしていた場合、

RPGであってもドラクエなら、こう解釈し、
ファイナルファンタジーなら、こう解釈する。
ラスボスと戦っていたなら、こう解釈する。
レベルアップしたなら、こう解釈する。

と、情報検索の視点では、
細かく解説してほしいところですが、
こうしてシチュエーション別に解説することには、
何の意味も無いのです。

潜在意識は検索する利便性を
考えて夢を作ったりしてはくれない。

そして、それがデジタルゲームの中の
バーチャル体験であっても、実体験であっても、
潜在意識がそれらを区別することはありません。

潜在意識にとっては、
どれも、単なる ” 体験 ” でしかないのです。

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夢の中で作戦を練る

次は、とある男性の見た夢の一例です。

自分は、10人ほどのスワットチームを指揮している。
 
物陰に隠れて、
テログループのアジトを偵察している。
これから奇襲をかけようとしている。
 
ジェスチャーで指示を出す。

彼は、夢の中で、自分が
最近、ずっとプレイしているシューティングゲーム
の世界に入り込んでいたと言います。

スワットメンバーの全員の頭の上に
体力ゲージと名前が、それぞれ表示されていたため
すぐに、これがゲームの世界だと気づいた。

そして、彼の説明では、チーム全員の体力ゲージが、
ほぼ半分まで減っていた。

*

この夢の内容を聞き、筆者が最初に思ったのは、
夢の中のゲームステージが、彼の心の状態を
抽象的に表現しているのではないかということでした。

似たようなケースとして、
自分の日常を夢の中で、ドラマや映画のシーンに
置き換えることがあります。

この演出の意図は、
現実として受け止めるには抵抗のある悩みや、
自身に起こる出来事を一旦、架空の世界、
バーチャルな世界に置き換えることで、
” リアル ” から距離を置こうとしている。

*

筆者は、彼に尋ねました。

” 夢の中の場所に見覚えがありますか? ”

彼は、とあるゲームステージに似た場所がある
と答えます。

そして、そのステージは何度もプレイしているので、
建物の配置が全て頭に入っている。

つまり、彼は、自分についての問題を
処理するためのシチュエーションを
得意とするシューティングゲームの
戦い慣れたステージに置き換えた。

現実世界ならば問題を解決することは難しいですが、
攻略済みのゲームの世界ならば、解決するのも容易。

彼は、夢の中で、
” 自分の土俵 ” を用意したのです。

*

さて、実際、彼には、
どんな問題があると言うのでしょう?

筆者は彼に、この夢は心の中にある二つの感情が
戦っている状況を描いているのではないか、
と説明しました。

例えば、テログループが ” 悪い考え ” を意味し、
スワットチームが ” 善良な心 ” を表している。

各メンバーの体力ゲージが半分まで減っている
ということは、すでに、以前から、
衝突は起こっていて消耗戦になっている。

そして、敵の本拠地に攻め込み、
” 悪い考え ” を一網打尽にしようとしている。

彼自身の解釈

彼は、筆者の説明を聞き、もしかしたら、
それはゲームのプレイ中の話かもしれない
と言いました。

彼が、現在、遊んでいるシューティングゲームは、
見知らぬ人たちが集まりオンライン対戦するもので、
その中で利用者のマナーが、
以前から問題になっていたと言います。

ゲーム中、マナーが悪いプレイヤーがいると、
他の人たちに迷惑がかかったりして、
気持ちよく遊べないということでした。

彼の解釈では、夢の中のテログループは、
マナーの悪い連中を表し、自分は
それを追い出したいのではないだろうか? 
というものでした。

*

確かに、その解釈ならば
体力ゲージが半減している説明がつきます。

この問題は、以前から彼を悩まし、
消耗戦を強いられていた。

そして、リアルに彼を悩ます問題である一方、
バーチャルな世界で起こっている問題でもある。

今回の夢は、
リアルとバーチャルの交差した領域に発生した
一つの問題をゲームの世界に
自分が入り込むという演出によって描いていた。

まさに、” ゲームに関する問題 ”
そのものだったのです。

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教科書の無い世界

今回は、シューティングゲームを題材に
夢とゲームの関係について話しましたが、
冒頭でも言ったようにゲームとは、様々です。

例えば、二人が、同じく、
スーパーマリオの夢を見たとしても、
解釈はそれぞれ異なるのです。

なぜなら、一人一人がどんな状況で、
それをプレイしているかが違うからです。

*

一人は、勉強しなければいけないのに、
ついゲームをして時間を浪費している受験生ならば、
もしかしたら夢の中のマリオは、
罪悪感の象徴なのかもしれません。

一人は、仕事のストレスを発散するために
プレイする会社員なら、夢の中のクッパ大王は、
嫌いな上司の身代わりなのかもしれません。

それは、一人一人の
置かれた状況によるのです。

ですから、夢にマリオが登場したら、
こう解釈するという教科書的な回答は存在しない。

これは、ゲームキャラクターだけの話ではなく、
夢に登場する人物、動物、物、風景、動作、ストーリー、
あらゆるものに共通して言えることです。

細分化した項目別解釈に意味が無いというのも、
そういったことなのです。

*

では、私たちは、自分の見た夢を
何を頼りに解釈すればよいのでしょう?

この記事一つで、
その全てを説明することは不可能ですが、
一つだけ大切なことがあります。

それは、夢を作ったのは誰か?

無論、あなたの夢は、あなたが作ったのです。

あなたの潜在意識は、
意味を分かった上でシナリオを書いている。

さらに言えば、
夢に登場するあらゆるキャストの意味は
あなたが与えている。

つまり、コンパスは ” あなた自身 ” なのです。

*

夢を読み解くためのベースとは、
結局、自身への問いかけであり、
” 自己観察 ” 以外にありません。

あなたは、すでに ” 答え ” を知っている。

ただ、それに気づいていないだけなのです。

 

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