夢の中の ” 勘違い “|心当たりの無い記憶

夢の中で、勘違い、思い込み
をしていることがあります。

例えば、すでに辞めたはずの
会社に遅刻して慌てる夢や、

犯してもいない罪を
犯したことになっていて、
警察に追われる夢や、

見知らぬ家なのに、
ずっと前からそこに
住んでいるという設定など。

*

夢の中では、当然のように
そう思い込んでいるが、
目覚めてみると、
全く心当たりがないという
不可思議な現象。

これは、単なる ” 記憶違い ”
ということなのでしょうか?

それとも、何か意味のある
のでしょうか?

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記憶の捏造

次は、とある女性が見た
夢の一例です。

オフィスの一画で
同僚と雑談をしている。
 
” 今、付き合ってる人と
結婚するらしいよ ”
と突然、同僚が言う。
 
” 誰が? ” と聞き返すと、
同僚はAさんに視線を向ける。
 
Aさんは素知らぬ顔で
いつもどおり仕事をしている。

一見、職場の日常を描いている
ように見えるこの夢には、
妙な点が一つだけあります。

この夢を見た彼女の話では、
夢に登場したAさんは、
そもそも恋人はおらず、
職場の中では、
” 最も結婚しなさそうな人 ”
と言われている人物でした。

そのAさんが、夢の中では、
なぜか、恋人がいるという
設定だった。

彼女自身も、結婚の噂を
聞いたときに
” そうなんだ。結局、
結婚することになったんだ ”
とその設定を何の疑いも無く、
受け入れていたと言います。

このありもしない事実を
夢の中で、あたかも
前からそうだったかのように
自然に受け入れている状態、
” 記憶の捏造 ” は、
しばしば起こる現象です。

なぜ、そのようなことが
起こるのでしょう?

*

類似した例として、
全く見知らぬ家を自宅だと
思い込んでいる場合について
考えてみましょう。

例えば、あなたが見知らぬ家を
自分の家だと夢の中で
思い込んでいたとして、

簡単に説明するならば、
どの家も ” 自宅 ” なのです。

すなわち、夢の中に登場する
全ての家は、あなたの心の中に
建っているわけですから、
” 昔からずっと住んでいる場所 ”
には違いないわけです。

夢の中で再現された家が
現実世界で住んでいる家と、
間取りが違っていたとしても、
そこは、常に ” 心の中 ”
なので、あなたにとっては
” 住み慣れた場所 ” として
認識される。

要は、” あなた ” という家の中に
建てられた家なのです。

見知らぬ人を自分の親戚や
友人だと思い込んでいる
という場合も同じです。

それは、あなたの中から
生まれた ” 分身 ” なのです。

*

逆に、夢の中であっても
見知らぬ場所にいるという
感覚を持つことがあります。

それは、潜在意識が、あえて、
” 見知らぬ場所 ” という認識を
与えているのです。

厳密には、
それは ” 場所 ” ではない。

例えば、交際中の恋人に
今まで見せなかった別の一面が
あることを発見した人が、
見知らぬ場所で迷子になる
という夢を見る。

恋人の新たな一面を見つけた
戸惑いが、” 場所 ” に
置き換えらえた結果なのです。

恋人との関係を今後どうしていくか
と言う問題は簡単ではありませんが、
それが、見知らぬ場所ならば、
来た道を引き返せば済む。

では、今回の夢の中の
彼女の思い違いは、
どのように解釈すべきでしょう?

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対局の存在

” あなた自身は、現在、
お付き合いされている人は
いますか? ”

筆者が尋ねると、彼女は
” いない ” と答えます。

彼女の仕事は拘束時間が長く、
また、男性との出会いが、
ほとんどないという職種
だったので、なかなか良い
出会いに恵まれず、苦労している
ということでした。

ただ、夢の中に登場していた
同僚だけは、女性ばかりの
職場で唯一、交際中の恋人が
いるということで、最も、
結婚に近い存在だと言われて
いたのです。

つまり、この夢には、
” 最も結婚に近い人 ” と
” 最も結婚に遠い人 ” という
対極にある二人が登場している
ことになります。

*

潜在意識は、この二人を利用して、
夢の中でちょっとした
” 置き換え ” を行っている。

最も結婚に近いと言われる同僚に、
Aさんの結婚について噂話をさせる
という紛らわしい演出によって、
Aさんと同僚の立場を入れ替えて
いるのです。

彼女は、同僚の結婚の話が、
誰について言っているのか、
最初は分からなかったと言います。

この紛らわしい演出によって、
結婚するのはAさんだと
思い込んでしまう。

実際、夢の中では、同僚は
Aさんに視線を向けているだけで
個人を特定する発言をしていません。

さて、潜在意識は、
なぜ、そのような曖昧な
演出を行ったのでしょう?

*

” 最も結婚に遠い人 ”
が結婚をするという設定
によって救われるのは誰か?

それは、異性との出会いに
苦労している彼女自身です。

Aさんに出来るなら、
自分にも可能性はあるはずだ
という希望を与えるために
この夢は作られたのです。

Aさんは、素知らぬ顔をして、
いつものように仕事をしている。

結婚を予定している感じには
見えないが、どうやら、
そうらしいという曖昧な認識が
最後の場面に表れています。

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” まやかし ” による処理

潜在意識は、しばしば、
紛らわしい演出によって、
私たちに錯覚を与えようとします。

無論、その方が
都合が良いからなのですが。

例えば、妻との関係が、
上手くいかず、夫婦間が
すっかり冷え切ってしまっている
男性がいたとしましょう。

彼は、開きっ放しの窓から
寝室に冷たい風が入ってくる
夢を見る。

まさに、妻との関係を
寝室の気温に置き換えて
いるのですが、
彼はそれに気づかない。

そして、こう思い込む。

” 自分が感じている寒さは
窓が開いているからだ ”

窓が開いているだけなら、
それを閉じるれば解決出来る。

潜在意識は、彼の錯覚を
利用して、問題を処理
しようとしているのです。

*

無論、彼が、夢の中で
寝室の窓を閉じても、
心に感じている寒さは消えません。

彼が感じているのは、本当は、
夫婦関係の冷却期間による
孤独感なのですから。

夢の中で行っている処理は、
結局は、” まやかし ” なのです。

現実の問題を解決するわけではない。

もし、あなたが何か夢を見て、
そこに ” まやかし ” を
見つけたとしたら、潜在意識は
こう言っているのです。

” 夢の中で出来ることはしたよ。
後は、目覚めた後に
あなたが行動するだけだ ”

 

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