罪を犯してしまう夢|罪悪感、後悔・・・

何らかの罪を犯してしまう夢。

” 罪 ” と言っても様々なものがあります。

例えば、誰かに嘘をつくという日常的で小さな罪もあれば、誰かの所有物を盗む。入ってはいけない敷地に入る。人の命を奪うといった現実世界ならば、法律に反する大きな罪を犯す夢を見ることもある。

そして、犯してしまった後悔と恐怖で膝が震え、パニックになる。もしくは、警察に追われて必死に逃げ続けるといった展開になる場合も。

夢は自らの意思によって作られるものですから、自身に都合の悪いストーリーを作るはずはないのです。

しかし、実際にそれは作られる。

一体、なぜ、私たちは、現実では犯すはずも無い罪を夢の中で犯すのでしょう?

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深層心理に潜む ” 悪 “

次は、とある20代男性が見た夢の一例です。

暗い密室。
 
見知らぬ女性が縛られた姿で座っている。
 
女性が大声で騒ぎ出したので、
慌てて馬乗りになって首を絞める。
 
女性は動かなくなる。

彼は何度か、女性に呼びかけたそうです。
” 気を失っただけだ ” と自分に言い聞かせながら。

しかし、女性は全く動く気配が無く、それを見て、
” とんでもないことをしてしまった!” と思い、頭の中が真っ白になったところで目覚めた。

実際の彼は、交通違反すらしたことのない善良な青年でした。また、彼は、自らの手で人の命を奪うといった夢をこれまでに、一度も見なかったと言います。

なので、今回、あまりにリアルで残忍な夢を見たことに大きなショックを受けているようでした。

一見すると、真面目な青年の中に凶暴な性格が潜んでいるようにも見えます。

確かに、見た目真面目な印象の人が、大きな犯罪を起こすというニュースを時々耳にすることがあります。そういった偏見を持ってしまうのは、やも得ないのかもしれない。

ただ、潜在意識は現実世界のルールに関心を持ちません。

例えば、重力を無視して空を飛ぶ夢を作ることもありますし、時間の法則を無視して過去に遡ることもある。
誰かの家を燃やすこともありますし、車で暴走することもある。潜在意識に法律など何の意味も無い。

夢の中で、現実では許されない無責任な行動を取ることは誰にでもあるのです。

なので、夢の中で誰かの首を絞めたからといって、その人に犯罪者の素質があると安易に決めつけることは出来ない。

人の心は、それほど単純ではありません。

勘違い

筆者は、まず、被害者の女性について質問をしました。

「その女性は、架空の人物ですか?」

彼いわく、女性は20代ぐらいで全くの架空の人物だったと言います。

「あなたが女性を縛ったという設定だったのですか?」

「分かりません。気付いたらそういう状況でした」

つまり、彼の説明では、夢の冒頭から密室で椅子に縛り付けられた女性と二人きりだった。

筆者は、状況を把握するため次の質問をしました。

「夢の中では、女性が助けを求めて叫んだので、あなたはそれを止めようとしたんですね?」

彼は答えます。

「 ・・いや、違うんです。助けを求めるために叫んだわけでなく、僕を挑発したんです」

ここで夢の内容について、誤解が生じていることに気づきました。筆者は、てっきり女性が外部の誰かに助けを求めるために騒ぎ出したのだと勘違いしていたのです。

彼の説明では、女性は縛られながらも、彼を罵倒し続け、どちらかと言えば、彼の方が押されていたと言います。

” やるんだったらやれば?どうせ出来ないくせに! ”

彼はその挑発に煽られ、そして、自分を罵る言葉を止めるために行為に至った。

さて、女性を監禁するという設定でありながら、女性が彼に対して罵声を浴びせるという奇妙なシチュエーションは、一体、何を意味しているのか?

まるで、シチュエーション全体が、彼に一線を越えさせ、悪に手を染めさせるために作られたかのようにも見えます。

夢の中の犯罪行為ですらショックを受けてしまう真面目な彼が、このような残酷な夢を作らなければならない理由とは、何だったのか?

ちょっとした一言

「現在、お付き合いされている女性は?」

筆者が尋ねると、彼は次のように答えます。

「恋人はいません。好きな人はいますが」

その女性は同じ職場で働く同僚ということでした。

「夢の中の女性は、その人ではないですよね?」

「違うと思います。年齢は近いかもしれまんせが、見知らぬ女性でした」

「その方と、最近、ご関係に変化はありましたか?」

「特に変化は無いと思いますが、ちょっと引っかかることを言われて・・」

「それは夢を見る前?」

「ええ」

その経緯は、次のようなものでした。

職場の休憩時間に二人は、たわいない雑談をしていた。そこで、彼はそれとなしに、自分のような男をどう思うか尋ねてみた。

すると、彼女は次のように答えた。

” あなたは良い人過ぎて私には勿体ない ”

彼はその言葉を聞いて、内心、ショックを受けたと言います。と言うもの、過去にも別の女性から、同じ理由で振られた経験があったのです。

” 何だよ、良い人過ぎるって・・ ”

意識的に心掛けているわけでもなく、人に良く見られようとしているわけでもなく、彼にとって、それが普通だと思って生きてきた人生の全てを好きな女性に否定されてしまった気分だった。

夢の中で彼を罵倒する女性は、特定の誰かではなく、彼を以前に振った女性を含め、人生の中で出会いながらもすれ違っていった、どこかよそよそしい同世代の女性たちの象徴として登場しています。

そして潜在意識は、善良な彼に一線を越えさせるために、その誰でもない女性を使って、自分自身に精一杯の ” 煽り ” を行った。

彼は、夢の中で悪人になる必要があった。” いい人過ぎる ” と言われないために。

しかし、潜在意識は彼の性質を十分理解しています。誰かをちょっと困らせる程度の演出では、善良な彼を悪人に変えることは出来ない。それを変えるには、インパクトのある設定で振り切るしかなかった。

元々 ” 悪 ” の加減が分からなかった彼は、振り切ったのです。

夢の舞台が密室なのは女性を監禁するためではなく、追い詰められた彼が、その場から逃げ出せない状況を作っているのです。

それぞれの ” 答え “

セッションを終えて、数日経った頃、彼から一通のメールが届きます。

文面では、前回の夢に登場した女性が再び夢に登場したそうです。ただ、今回は、遠くから人混みの中にその姿を確認しただけで何事も起こらなかった。女性が生きている姿を見て、彼はホッとしたと言います。

結局、彼は、その女性の命を奪ってはいなかった。

彼は言いました。

” 自分を無理矢理変えても、結局は、上手くいかないですね。今までどおり生きていこうと思います ”

さて、今回は、罪を犯す夢について見ていきましたが、実際、罪を犯すと言っても様々なシチュエーションがあると思います。

無論、今回紹介した夢はあくまで一つの例ですから、ここで行われた解釈が、あなたの見た夢に当てはまるということではありません。

夢の中であなたが、何か罪を犯したとしても、そこには何らかの動機があるはずです。ただ、その動機は、現実世界とは違う視点によって生じるもの。

例えば、銀行強盗をする夢を見たとして、現実世界なら、それは ” お金が欲しいから ” という動機になりますが、夢の世界は、そういった物質的な動機は意味を持ちません。

強固なセキュリティに守られた金庫は、意中の人の閉ざされた心の象徴。そして、あなたはそれを力づくで破ろうとしている・・という解釈をすることも出来ます。

もしくは、人質は、あなたにとっての ” 保険 “、警官隊とのにらみ合いは、あなたに残された ” タイムリミット ” を象徴しているのかもしれない。

結局、どのようにも解釈可能なのです。夢を見たその人の心を理解しなければ、夢を理解することは出来ない。

あなたの見た夢には、あなただけの答えがあるはずです。

夢の中で罪を犯すことが、あなたにとって、どんな意味があるのか、自身の心に問いかけてみてください。

 

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