異性に良い印象を与えるには|印象とは何か?

” 人の印象のほとんどは第一印象によって
決まる ”

巷では、よくそう言われています。

そして、その ” 第一印象 ” と言うものを
良くするために、人は様々な努力をする。

話し方や姿勢、身だしなみ、振る舞い、
女性ならばメイクやファッションなどにも
気を使うことでしょう。

逆に、” 人は、外見より中身が大切だ ”
と言って、そういったことに無頓着な
人もいます。

ただ、問題なのは、中身を磨いたとしても、
結局、その努力は他人には伝わらない
ということです。

さて、第一印象を良くする方法などは、
書店に行くか、ネット検索すれば、
すぐに見つかるでしょう。

ここでは別の視点で、この ” 第一印象 ”
について考えてみたいと思います。

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フィルターを通して

まず、第一印象とは、
どうやって作られるのでしょう?

例えば、とある旅先で異性との出会いが
あったとします。笑顔が素敵な男性、
もしくは、女性がこちらを見ている。

自分も微笑み返す。

笑顔が素敵ならば、第一印象は、お互いに
良いものになるでしょう。

では、少し設定を変えてみましょう。

過去、あなたは旅先でお金を騙し取られて
酷い目にあった経験がある。その時の
相手は、最初、笑顔で近づいてきたのです。

話を戻しましょう。

今、出会ったばかりの笑顔の素敵なその人に
あなたは、どんな印象を持つでしょうか?

あなたに微笑みかけるその人の印象は、
” 笑顔の素敵な人 ” でなく、
” 旅先の怪しい人物 ” になるのではない
でしょうか。

その人の服装も髪型も出会ったシチュ
エーションも何一つ、変更していません。
一つだけ違っているのは、あなたの過去の
体験です。

” 印象 ” とは、その人にまとわりついている
ものではなく、その人を見る人の頭の中に
作られるものです。

つまり、人それぞれが持っている
” 価値観 ” や ” 認識 ” というフィルターを
通して、誰かを見ることで ” 印象 ” が完成
するわけです。

見る側のフィルターによっては、善良な人も
偽善者に見えたり、悪人の中に善良な部分
を見たり、結局、印象とは、見る側の捉え方
によって決められてしまう。

もし、無人島にあなた一人なら、あなたに
” 印象 ” と言えるものはありません。
あなたを見る人がいないのですから。

もし、その無人島に野生の虎がいたなら、
虎から見たあなたの印象は ” ご馳走 ” です。

あなたが、どれだけ身だしなみを
整えようと、ヘアースタイルを変えようと、
虎の頭の中にある印象を変えることは
出来ない。

無難なアドバイス

もし、第一印象が、それを見た人の
勝手な主観によって決まるものだとしたら、
人の印象のほとんどは、見る側の ” 主観 ”
によって決まると言うことも出来る。

そう考えると、自分の印象を良くする為に、
あれこれ努力するよりは、初めから良い印象
で見てくれる人を探した方が早いような
気もします。

そして、それはSNSやマッチングアプリで
実際に行われている。

インスタグラムに自撮り写真をアップして、
多くの ” いいね ” を貰う。良い印象を持った
閲覧者たちがフォロワーになる。

無論、世の中には、あなたの写真に全く
無関心な人もいるでしょうが、そういった
人たちは通り過ぎて消えていくだけです。
あたかも、最初から存在しなかったかの
ように。

巷でよく紹介される印象を良くするための
ノウハウは、人生の中で偶然出会った人に
良い印象を与えるということを前提とした
技術です。

例えば、一般的な基準として、
異性から好かれる話し方や立ち振る舞い、
仕草というものは実際にあるのでしょう。
清潔感のある人は誰が見ても良い印象しか
与えないという一般的な傾向。

ファッションに疎い男性が、女性に良く
思われるために何を着るべきか迷って
いると、大抵は、
” 綺麗にアイロンのかかった白いシャツを
着ていけば、まず、悪い印象を持たれる
ことはない ”
とアドバイスされる。

話し方、椅子の座り方、歩き方、表情、
目線、服装、髪型・・

そのほとんどは、冒険をせずにその他大勢
の価値観に合わせたリスクを減らすための
ノウハウです。

だから、以前付き合っていた恋人の
ヘアースタイルがショートボブだった
という男性にロングヘアーのあなたが
アプローチをかけても素通りされるかも
しれない。

もしくは、その男性が以前の恋人と
喧嘩別れしたという過去を持つなら、
わざわざショートボブにしたあなたを
かえって避けるかもしれません。

そうした個別の事情までは、フォロー
アップされていない。

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失われていく” 一般的 “

例えば、テレビに出ている有名人の
ヘアースタイルを真似るのは、ある意味、
効率的です。

テレビによって、有名人のイメージが
世間に定着していますから、それは、
馴染みのある印象として、一般的に
受け入れられやすい。

その有名人の認知度が高いほど、好感度が
高いほど、比例して失敗のリスクは低下し、
恩恵を受けやすくなる。

これも、白いシャツを着ておけば、大抵の
女性は良い印象を持ってくれるだろう、
という例と同じくリスクマネジメント
なのです。

つまり、自分の印象を良くするための
努力は、全てリスクマネジメントなのです。

それは、あくまでリスクを低減するための
確率論であって、特定の個人に対して、
良い印象を与えるための技術とは違うものです。

あなたに意中の男性がいたとして、
その人に良い印象を持ってもらうために、
一般的な男性に好まれるメイクや
ヘアースタイルにしたとしても、
意中の人がその枠の中に入っているとは
限りません。

むしろ、様々な価値観が生まれ、多様化
している現代ですから、一般的な意味の
” 男性像 ” もしくは、” 女性像 ” は
無くなりつつあるのではないでしょうか。

今後、” 一般的 ” という概念が無くなって
いくとしたら、今あるリスクマネジメント
としての印象操作ノウハウは、その効果を
失っていくのかもしれません。

では、それ以外で、特定の人に良い印象を
持ってもらうための、効果的方法は、
あるのでしょうか?

それは、結局、完全オーダーメイドに
尽きるのではないでしょうか。

真夏の炎天下で汗まみれになって働く
肉体労働者に冷えた炭酸ジュースの
差し入れをするように。

寒空の下、公園のベンチに座って
震えているホームレスに熱いコーヒーを
手渡すように。

仕事でミスをした人のバックアップを
するように。

一人暮らしで料理をしない人に手料理を
振る舞うように。

その人の置かれた状況に合わせた ” 気遣い ”
という一番、面倒で誰もやりたがらない
ことが、結局、その人の心の琴線に触れる。

綻びの中に

もし、あなたが誰かに良い印象を与えたいと
思ったなら、ファッション雑誌で異性に
好感を持たれるコーディネイトを研究する
前に、その人について研究することです。

もちろん、特定の個人について時間という
リソースを使うわけですから、
その研究成果は他の誰かに対しては通用
しないかもしれない。

もしくは、成果そのものが出ないかも
しれません。つまり、非効率なのです。

しかし、考えてみてくださ。
とある異性が、その他大勢に試して成功
した ” 効率的手法 ” を駆使して、
あなたに近づいてきたとしたら・・

どんな気分でしょう?
そして、どんな印象を持つでしょう?

逆に、あなたがその手法を使ったとしたら、
相手にどんな印象を持たれるでしょう?

例えば、非の打ちどころが無いと
思っていた人物が、ちょっと間抜な失敗を
した時に、好感を持つことがあります。

凄くハンサムな男性が、シャツのボタンを
一つ掛け違えていたり、美しい大人の女性
の買ったばかりと思われる服に値札が
付きっぱなしだったら、

それは、その人が間抜けだから好感を
持ったわけではありません。
ギャップがあったからでもない。

計算しつくされたかに見えるイメージに
” 綻び ” があったから、その綻びに真実を
見たから好感を持ったのです。それは、
絶対に泣かない人の涙と同じです。

人の心を打つのは、常に ” 心 ” です。

ノウハウでも、リスクマネジメントでも
エビデンスでもない。無論、流行や心理学
でもありません。

結婚記念日のプレゼントが何であれ、
贈り物を選ぶとき、大切な人のために
あれこれ腐心して時間を使ったことが
相手の心を打つのです。

無駄になるかもしれないというリスクを
負って、ようやく伝わる印象もある。

 

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