目覚めた後も覚えている ” 顔 “|彼らは何者か?

夢に見知らぬ人物が登場した場合、
その人物の顔を覚えているということは、
あまり、ありません。

大抵、ぼんやりとしか記憶に残らない。

しかし、稀に目覚めた後も、はっきりと
顔を覚えているというケースもあります。

それは、過去に会ったこともない知らない人
ですから、一見すると、
今後、人生の中で新しく出会う人物が
夢に登場したのではないか?
と思ってしまうかもしれません。

さて、本当にそれは、
未来の出会いを暗示しているのでしょうか?

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2008年6月

筆者にも、そういった経験があります。

その夢は、2008年、
もう十年以上前に見たものでした。

そして、夢の中に登場した見知らぬ男性の
顔を今でも思い出すことが出来る。
次は、その時に見た夢です。

ベッドで眠っている。
 
目を開けると足元の方、部屋の隅に
見知らぬ男が後ろ向きで立っている。
 
自分が慌ててつかみかかると
男は振り向く。

見知らぬ男がベッドの足元に立っている
わけですから、夢の中では
かなりの恐怖感で、目覚めてからも
しばらく心臓の鼓動が収まりませんでした。

何よりも怖かったのは、
振りむいた時の男の表情です。

それは、何かに怯えた様子の痩せた男性で
年の頃は30代前後。

何年も付き合いのあった過去の人なら
覚えていますが、普通、
一度や二度会った人物の顔は、多分、
数か月もすれば忘れてしまうでしょう。

夢の中でほんの一瞬見ただけの顔を十年以上
経った今でも覚えているということが、
何よりも不可解です。

一体、あの男は何者だったのか?

ここで、いつものように夢の詳細を一つ一つ
解説することが出来ればよいのですが、
その当時、筆者がどういった精神状態
だったのか、どういった生活を
送っていたのか、というリアルタイムな
情報が今となっては思い出せませんので
夢の意味を解き明かすことは不可能です。

2008年、世間では大きな事件が発生し、
テレビでは連日報道が続いていました。

東京、秋葉原で起こった凄惨な事件は
犯罪史に刻まれるほどのインパクトを
社会に与えた。

丁度、その騒動とリンクする形で
夢を見たので年数を覚えていたのです。

その時は、事件から受けた筆者自身の衝撃が
夢に関係しているのだろうと思いました。

無論、夢の中に登場している男は、
事件を起こした犯人ではありませんし、
全く事件と筆者の見た夢は無関係だった
ということも十分ありえます。

そして、夢の中の男性は、
14年経った今も筆者の前に現れていません。

多分、今後も現れることはないでしょう。
今では架空の人物だったという認識です。

何を伝えようとしているのか?

さて、なぜ、架空の人物であるのに
その顔をはっきり覚えているという
不可思議な現象が起こるのでしょう?

筆者が見た14年前の夢では、
どちらかと言えば ” 顔 ” と言うよりも、
男が振り向いた時の
怯えた目の表情が印象に残っています。

あの目が、怖かった。

潜在意識が映像として夢を作る理由は、
私たちに事実を知ってほしいわけではなく、
感じてほしいのです。

例えば、
夢の中で美しい家を再現したとして、
その家に部屋がいくつあるとか、
インテリアはナチュラルスタイルだったか、
モンダクラシックだったかというような
物質的な情報を伝えたいのではなく、
その家に訪れて、何を感じたか?

その ” フィーリング ” が
潜在意識からのメッセージそのものです。

( もし、夢を見た人が、建築業界、
インテリア業界で働く方なら
話は変わってきますが )

なので、実際、夢の登場人物の
” 人相 ” という部分は、
潜在意識にとってそれほど重要ではなく、
夢を見ている本人がその人物から
何を感じとったか、
という部分が注目すべき点です。

14年前の潜在意識はベッドの足元に
怯えた目をした痩せた男を配置して、
筆者に恐怖感を与えようとしていた。

厳密には筆者は ” 顔 ” ではなく、
顔を見て感じた ” インパクト ” を覚えている
と言った方がいいのかもしれません。

インパクトを与えることが
潜在意識の目的ならば、
その目論見は成功したと言えます。

確かに印象が薄ければ、
何年も覚えていることは無いでしょう。

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路上の変質者

次は筆者が二年ほど前に見た
夢の一例です。

歩道を歩いていると、遠くで
自転車に跨った男性がこちらを見ている。
 
走ってくると、ニヤニヤしながら
自分の周りをグルグルと回り出す。

路上で変質者に絡まれるという
気味の悪い夢でした。

この夢も、やはり、
変質者の顔を今でも覚えています。

少し色黒で顎が角ばっていて、
目が細く、小柄で70代ぐらいの男性。

もしかしたら、過去、どこかですれ違った
可能性もありますが、定かではありません。

また、ニ年経った今でもこの男性とは
出会っていませんし、変質者に
実際に絡まれたという事件もありません。

夢の中では ” 見知らぬ人 ” という認識で、
自分の周りを自転車で回りながら
ニヤニヤとしているその表情が
とても不気味で記憶に残っています。

ただ、登場人物、セリフ、建物や景色、
出来事、そういった目覚めてからも
鮮明に覚えているリアルな夢のほどんどは
現実化することが無いということは
経験則から分かっていたので、今回
登場した男も架空の人物だと考えていました。

では、この夢は、
一体、何を意味しているのでしょう?

まず、筆者は変質者と出会った場所が
気になりました。

それは車通りの少ない道路だったのですが、
一本道ではなく、直進する道路に対して、
右に逸れる形でもう一本の道が分岐している
という状況でした。

そして、変質者は直進方向からやってきた。

明確なT字でもY字でもない緩やかな
カーブを描いて本線から逸れていく
側道の状況から、これは筆者が、その時、
直面していたとある問題について
描いているのかもしれないと思いました。

筆者は依頼者の夢を分析しながら、
カウンセリングのようなことを
行っていますが、正直、これは
収入と言えるようなものはありません。

ある種、ボランティア活動と言った方が
いいかもしれない。

むしろ、一つの夢を解釈するまでに
一週間ほどの日数がかかるので、
大変、時間的コストがかかります。

二年前、本業の兼ね合いもあり、
この活動が大きな負担になっている
時期でした。

活動をこのまま継続すべきだろうか?
筆者は、今後の方向性について悩んでいた。

夢の中に登場した直進する道は
活動を継続するという選択。

そして、右に迂回する道は活動をやめて
もっと有意義な道へ進むという選択。

直進方向からやってきた変質者は、
多分、筆者の未来の姿だったのでは
ないでしょうか?

無駄なことに時間を浪費し続けたせいで
人生が狂ってしまった
” 変人扱いされている惨めな老人 ”
として筆者の前に現れた。

潜在意識は問いかける。

” どうする? 君はそれでも続けるのか? ”

外見を利用して

夢の中の変質者が筆者の未来の姿
だったとしても、
その外見は全く別人でした。

多分、潜在意識が伝えたかったことは、
変質者の風貌ではなく、常軌を逸した
雰囲気であり、” 惨めさ ” という
印象だったのでしょう。

もし、夢の中で登場した人物の顔を
鮮明に覚えているという場合、
それは、未来に出会う人物なのか?

これまで多くの夢を観察してきましたが
そういったケースに出会ったことは
現段階ではありません。

いずれにせよ、鮮明だから現実化するか
と言えば、そうではないと考えています。
今のところ。

それよりも、その人物を見たときの印象を
掘り下げていくことの方が、
夢を読み解く上では重要です。

顔そのものよりも、その表情から感じ取った
印象、感覚は、メッセージの断片です。

例えば、
美しい顔立ちの異性が夢に現れたとして、
その異性に心がときめかなかった。
むしろ、冷たい印象を持ったというなら、
なぜ、そう感じたのかを追求していくのです。

それは、表面上美しく見える物事に
シビアな裏の側面があることを感じた
あなたの潜在意識が、その状況を
擬人化した結果なのかもしれない。

潜在意識にとって登場人物の外見は、
印象を伝えるための ” 演出 ” に過ぎないのです。

 

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