ホームパーティーや宴会、結婚式、
お祭りなど、人々が集まる楽し気な場所が
夢の舞台になることがあります。
まず、ここで理解しておくべきは、
夢の舞台を選んだのは
その夢を見ている本人であるということです。
つまり、そこが選ばれた理由を
夢を見た本人は知っている。
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人生の一幕
夢占いには、特定の場所に
それぞれ解釈がありますが、
それは、あくまで一般論に過ぎません。
実際、夢はもっと個人的な事情に
影響を受けて作られます。
なので、ここで大切なのは、
その場所が自分にとって、
どういった意味があるのかを
自身に問いかけることです。
例えば、以前、友達の結婚式に出席して、
大勢の前でスピーチした時に、
とても恥ずかしい思いをしたという
嫌な思い出があるのなら、
夢の中の結婚式は、その人にとって
” 二度と繰り返したくない失敗 ”
という意味を持つかもしれない。
もし、あまり知らない知人の祝賀パーティー
に出席を予定している人が見た夢の中の
食事会は ” 面倒な人付き合い ” を
意味しているかもしれません。
個人の事情を踏まえて、なぜ、その場所が
選択されたのかを考える必要があります。
*
次は、とある女性が見た夢の一例です。
野外でパーティーが開かれている。
テーブルの上には色々な料理が並んでいる。
一方、私はオフィスで仕事をしている。
この仕事が終わったら、
パーティーに参加するつもりでいる。
同僚のSさんが隣で仕事をしている。
仕事が終わり急いで会場に駆けつけるが、
パーティーは既に終わっており、誰もいない。
会場の隅に料理の残り物が
蓋をされて置かれている。
パーティーに参加するために
仕事を片付けているというストーリーです。
パーティー会場は架空の場所で、
結婚式のような大掛かりなものではなく、
ホームパーティーといった感じの
楽し気な雰囲気だった。
*
こういった架空の場所が夢の舞台になる場合、
人生の一幕を一つの風景として表現している
と考えることが出来ます。
例えば、受験生が
卒業後の進路について悩んでいるとき、
架空の駅の夢を見ることがあります。
人生の選択を ” どの列車に乗るべきか ”
という選択に置き換えているのです。
置き換える理由の一つは、
” 人生の選択 ” という大掛かりなテーマを
シンプルな設定にすることで、
直感的に処理しやすくなるからです。
人生の選択は頭を抱えますが、
列車を選ぶだけならば、
さほど考え込む必要はありません。
重たいテーマを日常的な設定に置き換えて、
心の負荷を減らそうとしている。
*
いずれにせよ、彼女にとって
夢の中のパーティー会場は、
人生の一幕を表現した
一つの ” 例え ” の可能性があります。
では、パーティー会場は、
具体的に何を例えているのでしょう?
それを説明する前に他の部分について、
もう少し掘り下げることにしましょう。
人生のプライオリティ
この夢でパーティー会場が何を例えているのか、
それを読み解くための鍵となるのが
同僚のSさんの存在です。
なぜ、彼女は、この夢に
Sさんをわざわざ登場させているのでしょう?
他の同僚では
いけなかったのでしょうか?
もしくは、誰もいない職場で
黙々と仕事をしているという設定でもよかった。
しかし、夢の中では、Sさんと
自分だけが職場に残って仕事をしていた。
彼女の話では、Sさんは先輩にあたる人で、
真面目で仕事一筋のどちらかと言えば
” 遊び心の無い人 ” というイメージ。
この人物は、彼女にとって、
” 仕事一筋の人生 ” を象徴しているのです。
そして、彼女は、
そのSさんと一緒に仕事をしている。
つまり、この夢が野外の楽し気なパーティーと
殺風景なオフィスでの仕事という対比によって
構成されていることが分かります。
*
夢の中で、彼女はパーティーに
遅れていることに焦りを感じながらも、
仕事を済ませると急いで会場に向かいます。
オフィスを後にするとき、彼女は、
Sさんが一人残って仕事をしている姿を見て、
” あの人は、きっとパーティー
には出ないつもりなんだ ” と思った。
この夢は、キャリアを優先するか、
人生を楽しみ謳歌するか、
彼女の中にある生き方の迷いを描いているのです。
*
オフィスで仕事を続けるSさんのように
キャリアを重視して遊びの無い人生を生きるのか、
楽しいことや人との触れ合いを求めて生きるのか、
丁度、その境界線上に彼女は立っているのでしょう。
さて、夢の中の彼女の行動を見る限り、
キャリア一筋で生きていくつもりはなさそうです。
ひと段落したら、
楽しい人生へと移行したいという気持ちが、
仕事を切り上げて会場へ急ぐという行動に
表れている。
つまり、夢の中のオフィスが
” キャリア優先の人生 ” なら、
パーティー会場 は、
” 楽しさを優先した人生 ” を象徴しています。
未来の形
夢の中で、仕事を終わらせ会場に駆けつけるも、
既にパーティーは終わっている。
彼女は、蓋をした料理の残り物を見つけて、
凄く虚しい気分になったそうです。
” 人生を楽しまなくていいの?
楽しめる時間はいつまでも無いんだよ! ”
潜在意識が、日々、仕事に明け暮れる彼女に
メッセージを送っています。
この夢は、彼女の今の生き方が続けば、
いずれ、大切な何かを失ってしまうという
未来を前もって見せてくれたのかもしれません。
*
今回の夢は、” 生き方 ” という
彼女にとって大きなテーマを扱っています。
行けなかったのがパーティーならば、
また、別のパーティーがあるかもしれない。
しかし、人生は一度きり。
潜在意識は、彼女がこれから
取り逃がしてしまう貴重な時間や体験を
単なる野外パーティーに置き換えて、
損失を減らそうとしているのです。
ただ、ここで誤解してならないのは、
彼女がそれを本当に失ってしまうのかどうかは、
また、別の話ということです。
あくまでこの夢に描かれているのは、
彼女の ” 主観 ” であり、
現在の ” 人生観 ” です。
もし、彼女がこの夢からメッセージを受けて、
生き方を変えようと行動を起せば、
また、違った夢を見ることになるでしょう。
失望を希望に変えるストーリーとして。
もし、同じような夢を見続けるなら、
アクションの方向性が間違っているか、
もう少し頑張らなければいけないということです。
いずれにせよ、未来の形は、
彼女が何を選択するのかによって決まるのです。
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