幸運を暗示する夢|夢の中の ” 太陽 “

” 太陽 ” は、夢占いでも、
古くから扱われてきたシンボルの一つです。

時代が変わっても、私たちに対する
太陽の役割は何ら変わっていません。

そういった意味で、太陽に関する解釈は
変化することなく伝えられてきたものの一つ
と言えます。

そして、その解釈が、大方、的を得ている
のも、それが普遍的な存在ゆえに、現代に
至っても解釈に変化が無いからなのでしょう。

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夢の中の ” 朝日 “

次は、とある女性が見た夢の一例です。

朝日が眩しくて、時計台の日陰に身を隠す。
 
時計の針は深夜3時過ぎ。
日の出の時刻にしては早過ぎる。

まずは、この夢の経緯を説明しましょう。

この夢を見た女性は、
二ヵ月ほど前に失恋をしたということで、
まだ心の傷が癒えていない状態でした。

酷く落ち込む毎日が続く中、なぜか、
この夢に強い印象を受けた。

その後、数日してから彼女は友人から、
とある男性を紹介されます。

仕事柄顔の広かった友人は、彼女が
落ち込む姿を見て、どうにか元気づけようと、
ここ数日間奔走していたと言います。

男性は友人から、彼女が
今どういった状態かを聞いていたらしく、
とても、真摯に接してくれた。

彼女が夢の中で見たのは
” 朝日 ” ということで、夢占いでは、
これまで滞っていた運気が上昇に転じる兆し
とされています。

実際、この夢を見た数日後、
新しい男性との出会いが訪れた。

彼女を取り巻く周辺環境が、
良い方向に向かっているのを潜在意識が、
いち早く察知したということだと思います。

不可解な行動

ただ、この夢における ” 太陽 ” の意味が、
運気上昇を意味しているのなら、
日陰に身を隠すという彼女の行動は、
少々、変です。

それが、幸運の兆しならば、
正面から受け止めればよいはず。
しかし、彼女は時計台の影に隠れてしまう。

なぜでしょう?

この夢は、失恋の傷が癒えない状況の中、
新しい恋愛の機会を迎えてしまった
彼女の微妙な心理が描かれているのです。

” 自分には、この光は眩しすぎる ”

閉じこもっていた暗い部屋から、
明るい空の下へ、突然、連れ出された時、
太陽の光が眩しく感じるのと同じように、
彼女にとって新しい恋愛は刺激が強すぎる出来事。

時計の針は、日の出には
早すぎる深夜3時を指している。

強い刺激を避けるために、そして、
” 次に行くには早すぎる。まだ、時間が必要 ”
という理由によって、彼女は、
新しい機会を不意にしようとしています。

時計台は ” 時間 ” を象徴すると同時に、
身を隠すための ” 隠れみの ” としての役割を
与えられている。

つまり、彼女は ” 時間 ” を言い訳にして、
幸運に背を向けているのです。

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日食

それから、一年ほどが過ぎた頃、
彼女から再び夢解釈の依頼が届きます。

夢の内容は、次のようなものでした。

日食が起こる。
 
私は泣きながら家に戻ると、
玄関にサイズの大きな靴が置いてある。
 
照明がいつもより明るい。

彼女いわく、前回の依頼の後、
友人に紹介された男性との交際には、
結局、発展しなかったと言います。

そして、今は、ゆっくりとではあるが、
日常を取り戻しつつある状態だった。

そんな時、再び太陽に関する夢を見た
ということで依頼に至ったという経緯でした。

” 私の方が、受け入れることが
出来なかったんです。彼は悪くはありません ”

” それは、残念でしたね・・まだ、
傷は癒えていないということでしょうか? ”

” 以前よりは良くなったと思います。
完全ではありませんけど・・ ”

筆者は、彼女の受けた心の傷は
思った以上に深く、その後の人生に爪痕を
残していることに改めて気づかされました。

それから、しばらく、
夢に関する質問をいくつかします。

” 泣きながら家に戻ったということですが、
なぜ、泣いていたんですか? ”

” 何だか、とても申し訳ない気持ちになって・・
涙が勝手に溢れ出してしまうんです ”

” 申し訳ないというのは、誰に対して? ”

彼女いわく、夢の中で日食を見上げながら、
その男性の顔を思い浮かべていたと言います。

” 玄関に置いてあった靴も、その人が
履いていたスポーツシューズでした・・ ”

” ただ、その方とは、
交際には発展しなかったんですよね? ”

” ええ、私の方から
お断りさせて頂いたんですが・・待つと・・ ”

” 待つ? ”

” その時に彼に言われたんです。
僕は、一年でも、二年でも待ちますから・・と ”

それ以後も、男性は彼女に定期的に
励ましのメッセージを送ってくると言います。

彼女は一言返信することもあれば、
無視することもあった。

それでも、彼はメッセージを送り続けた。

夢の中の太陽は、彼を表しています。
それは、彼女を照らし続ける。

彼女が眩しすぎると言うなら、
地球に住んでいるたった一人の女性のために、
” 日食 ” を起こしてでも光の強さを調整する。

” 彼を家に招いたことは無いんですよね? ”

” ありません。
二、三度、お食事に誘って頂いただけなので ”

” つまり、夢の中では、
彼が家に来ているという設定だった? ”

” そうなんでしょうか、玄関の場面で目覚めて
しまったので確かめてはいないんですが・・ ”

” 照明が明るかったというのは? ”

” ああ、感覚的なことかもしれませんが、
何だかいつもより
玄関が明るく感じられたんです ”

夢の中で彼女は、一度も招ねかなかった彼を
自宅に招いています。

太陽が来客者です。

故に、玄関先はいつもより明るく感じられた。

セッションの終わり、彼女は、
夢の意味を何となく理解していたと言います。

” 前回、見てもらった時、
夢解釈のやり方が何となく分ったので、
私も自分で解釈してみたのですが、
多分、太陽は彼だろうと ”

” ご自身で読み解いたのなら、
それは素晴らしいことです ”

” 私が確かめたかったのは、この夢は、
彼を受け入れる準備が出来たということ
なんでしょうか? ”

” そのようですね ”

幸運の反作用

最初に紹介した夢に登場した太陽は、
彼女には強すぎる幸運だった。

それを太陽の光に置き換えた理由は、
刺激を和らげ、ストレスを軽減するため。

新たな出会いには、
リスクが伴うという彼女の恋愛観が
そのシチュエーションを選択したのです。

そして、二つ目の夢。

この夢における太陽は、
彼女を優しく照らし続ける ” 守護者 ”

置き換えた理由は、
ストレスを軽減するためではありません。

それは、彼女が男性から感じ取った
イメージそのもの。

失意の底で彷徨っていた彼女にとって、
男性は ” 太陽のような人 ” ではなく、
まさに ” 太陽 ” だったのです。

時に、人は幸運な出来事に遭遇すると、

” そんなことあるわけがない ”
” こんな良いことは長くは続かない ”
” 絶対に裏がある ”

などという否定的な考えを持つことが
あります。

” 現実は甘くない ” という考えが、
頭の中に定着してしまい、素直に
訪れた幸運を受け入れることが出来ない状態。

こういった懐疑的な人が幸運を暗示する夢を
見た場合、今紹介した最初の例のように、
しばしば、夢の中で消極的、反発的な態度を
取ることがある。

その態度から、逆に、朝日が幸運の暗示
という解釈に真実味が出てくるのです。

もし、普段、幸運を信じない人が
夢の中で素晴らしい朝日を浴びて、
気持ちよく背伸びをしているとしたら、
その朝日は単なる ” 思い過ごし ” か
” 幻想 ” の可能性もある。

その人が、疑いもせず、
容易に受け入れられるということは、
本当の意味での ” 幸運の兆し ” では
無いのかもしれません。

いずれにせよ、夢を見た本人が幸運を
どう受け止めるかという ” 主観 ” の問題です。

あなたが、もし、幸運を暗示する夢を
見たとしたら、あなた自身の性格を
振り返ってみてください。

夢の中であなたがとったリアクションは
” 自分らしい ” ものだったでしょうか?

もし、違っていたなら、
もう少し分析が必要だということです。

 

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