罪を着せられる夢|身に覚えの無い批判を受ける時

夢の中で、言われのない罪を着せられ、
自分には全く身に覚えが無いという
奇妙なシチュエーション。冤罪の夢。

例えば、突然、自宅に警察官が訪れて
逮捕されてしまうとか、通りがかりの人に
全く無関係の自分が説教をされるとか、
会社で誰かのミスが自分のせいになる、
周りの人に犯罪者呼ばわれるされるなど、

日常的な設定でとばっちりを受ける夢、
誰かの身代わりになって、自分が身に
覚えの無い追及を受けるという理不尽な
設定の夢は色々と考えられます。

一体、潜在意識は、なぜ、
このような夢を作るのでしょう?

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ちぐはぐな演出

次は、とある女性が見た夢の一例。

スーパーで大柄な警備員に止められ、
かばんの中を見せるように言われる。
 
” あなたがしたことは、
はっきりしてるんだ!”
 
まるで自分が万引き犯だと
決めつけているかのように
かばんを奪い取ろうとする。
 
” 抵抗するなら力づくでやりますよ! ”
 
警備員は腕をつかんでくるが、
何かの間違いだと思い、
私は無抵抗で突っ立っている。

この夢では、突然、万引きを疑われるという
理不尽な状況が描かれています。

まず、最初に、理解しておくべきことは、
この夢を作ったのが彼女自身だということです。

つまり、彼女自身が自分に疑いがかかる
という設定を行っている。

一見すると、何らかの罪を犯した彼女が
その罪悪感から自首をするために夢が
作られたようにも見えますが、それ以前に、
この夢には不可解な部分が一点あります。

それは、抵抗もせずにただ立っている彼女に
対して腕につかみかかり、あたかも彼女が
抵抗しているかのような態度で警備員が
接していることです。

彼女は夢の中で全く身に覚えの無いこと
なので、ここは事を荒立てないためにも
素直に従うつもりだったと言います。

そして、かばんの中さえ確認すれば、
疑いはすぐに晴れるだろうと思っていた。

にも関わらず、警備員は暴れてもいない
彼女の腕をつかんで、取り押さえようと
している。

大柄な警備員を登場させ、自分を
取り押さえようとする演出を入れたのは、
夢の作り手である彼女が仕組んだものです。

そして、それを仕組んでおきながら、
当の本人は暴れることもなく、大人しく
状況を見守っている。

このちぐはぐな演出は、
一体、何を意味しているのでしょう?

リベンジドラマ

彼女は警備員に強硬な態度を取らせながら、
同時にかばんの中を確認することで、
疑いがすぐに晴れることも知っています。

自分が何も盗んでいないのは
明白だからです。

数分後には、自分よりも体の大きな警備員が
帽子を取って謝罪することになるでしょう。

だから、それまでの間は、出来るだけ警備員
に高圧的な態度を取らせて、後で彼に
思いっきり恥をかかせようとしているのです。

自分は至って、冷静に取り乱すこともなく、
突然の出来事に対応している。

彼女が何も主張せず冷静沈着であるほど、
警備員が強気であるほど、その逆転劇は
際立つことになる。

ただし、彼女が目覚めてしまったために、
この夢は結末を向かえる前に途中で
終わってしまうのです。クライマックスを
向かえることなく。

彼女の話では、現在勤めている職場は、
女性従業員が少なく、まだ、男性社会の
ような古い体質が残っており、常に形見の
狭い思いをしていた。

その経緯からも、この夢は、
男性社会の中で生きていく彼女が感じた
” 男 ” という生き物に垣間見える高圧的な
態度に対する ” 反発心 ” を描いていた
のかもしれません。

大柄の警備員は、彼女から見た ” 働く男 ”
の象徴だったのでしょう。

頭が固くて、見当違いの考えを押し通し、
自分が常に正しいと思っている愚かな
生き物。

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横入り

では、もう一つ夢を紹介しましょう。
次はとある女性が見た夢の一例です。

長い行列の中にいる。
 
突然、後ろから声がする。
” あなた私より後ろだったよね ”
 
振りかえると、後ろに並んでいる
何人かが不満げな表情で自分に
注目している。
 
誰かが、叫ぶ。” 順番を守れ! ”
 
自分は、なぜ、行列に並んでいるのか
思い出せない。

長い行列の中でストーリーが展開する
という何か抽象的な雰囲気を持つ夢です。
この夢の注目すべき点は、はやり、彼女が
行列に並んでいる理由です。

筆者は尋ねます。

” それは、何の行列だったのですか? ”

彼女は、” 分からない ” と答えます。

最初は並ぶ必要があって並んでいた気が
するが、最後は、

” なぜ、私はこんな所にいるんだろう? ”

と、自分が行列の中にいることに疑問を
感じたと言います。

ただ、行列は長く、それがどこから
来ているのかも不明。

彼女自身、何となく並んでいたら
” 順番を守れ ” と、突然、言われた。
無論、彼女には横入りをした覚えはなく、
ただ、その場で戸惑うだけだった。

一体、この夢の意味は何でしょう?

彼女が感じていること

筆者は、この抽象的な夢は、日常を
描いているというより、もう少し、俯瞰的な
テーマを描いているように思えました。

夢の中で彼女は、行列に並んでいる理由を
見失っている。

筆者は尋ねます。

” 今、自分のやっていることが、
何の為なのか、分からないと感じることは
ありますか?”

彼女には、最近、思うことがあった。

現在、三十歳を迎える手前になって、
将来について真剣に考えなければならない
と感じ始めていたと言います。

キャリアアップや結婚について、インター
ネットで色々と調べ、婚活サービスにも
登録したそうです。

しかし、調べれば調べるほど、自分の理想
とする将来が淡い夢のように思えてきた。

” 幸せになるために、
そこまでしなければいけないのか ”

妥協を余儀なくされ、血の滲むような努力
をして、人々が幸せをつかもうとしている
姿を見て、そう感じてしまった。

夢の中の行列は ” 人々の理想とする幸せ ”
に向かって延々と続いている。彼女は、
一応は、その列に加わっています。

そして、身に覚えの無い並び順のことで
後ろから非難を浴びている。

彼女に視線を向ける人々は、ルールを守り、
誰が後ろだとか、前だとか、お互いに監視
をし合いながら幸せを渇望する人々。

他人と自分とを比較して、自分がどれぐらい
幸せなのか、ランクをつけたがる現代人を
描写しているようにも見えます。

結局、そういったいざこざも、
長い行列の中では大した意味を持たない。

夢の中で、彼女は次のように感じたのかも
しれません。

” 行列に並ぶことに意味があるのだろうか? ”

” こんなところで時間を潰すことが、
幸せなんだろうか? ”

彼女いわく、夢の中で順番を指摘された後、
並んでいる理由を思い出せず、列から
外れようとしたところで目覚めたと言います。

つまり、彼女が夢の中で遭遇した身に覚え
の無い批判をする人々は、彼女から見た
” 幸せを渇望する人々 ” のイメージそのもの
だったのです。

” 囚われた生き方からの離脱 ”

それが、この夢が作られた目的です。

意に反する設定

もし、あなたが冤罪を着せられる夢を
見たなら、それなりの理由があるのです。

夢の作り手はあなた自身ですから、自らに
冤罪を着せる設定をあえて選んでいる
ことになる。

一見、意に反するように思えますが、
夢の世界では自身を追い込む設定を選択
することはしばしばあるのです。悪夢は
その代表例です。

今回は、二つの例を挙げて解説しましたが、
自分に罪を着せなければならない理由は、
無数に考えられるでしょう。

無論、あなたの見た夢には、あなたにしか
当てはまらない理由があるはずです。

まず、自身の今の状況を振り返ってみる
ことが大切です。

抱えている悩みや日頃から感じていること、
その一つ一つを夢の内容と関連づけて
考えていく必要があります。

その中に ” もしかして、これかもしれない ”
というものを見つけたら、夢の細かな設定
についても見ていきましょう。

そのどれもが辻褄が合うというなら、
それが ” 答え ” です。

 

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