責められる夢|夢の中の ” クレーマー “

夢の中で脈絡もなく、
誰かに言いがかりをつけられたり、
怒鳴られたリ、文句を言われるといった夢。

夢とは、そもそも、
その夢を見た本人が作ったものです。

ですから、自分が責められる設定の夢を
自ら作ったということになります。

普通に考えれば、誰かに
突然、怒鳴りつけられる設定など、
誰も望まないでしょうし、
初めから作らなければいいはず。

しかし、それは作られる。

なぜでしょう?

大抵の場合、誰かに責められる夢は、
突然、降りかかった災難のごとく、
筋違いの言いがかりをつけられるといった
理不尽なシチュエーションとして
描かれることが多い。

それゆえにショッキングで目覚めた後に、

” もしかして、
何かの警告夢ではないか? ”

と心配してしまうかもしれません。

一体、誰かに責められるといった夢は、
どう解釈すべきでしょうか?

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突然の災難

次は、とある男性の見た夢の一例です。

電話がかかってくる。
 
電話の向こうで男が怒った様子で
捲くし立てている。
 
自分は突然のことで面食らってしまう。

彼の話では、自分の携帯に突然着信があり、
電話を取ると、向こう側で男が声を荒げて
文句を言い続けていたと言います。

” 電話をかけてきた男性に心当たりは? ”

筆者の質問に彼は次のように答えます。

” いえ、全く知らない人でした ”

” 電話の相手は、
具体的に何を主張していましたか?”

彼は、はっきりとは覚えていないが、
主に誰かの人格を攻撃をしているようだった
と言います。

そして、それを聞きながら、

” この人は、多分、
かける番号を間違えたんだろう ”

と思った。

つまり、彼は運悪く間違い電話を
取ってしまい、誰かに対するクレームを
聞かされるハメになった。

夢の中で彼は、突然の災難に動揺しながらも
間違い電話だということを
相手に伝えようとしたが、なかなか
話が途切れないためにそれが出来ずにいた。

そして、結局、目覚めてしまう。

怒りの矛先

さて、ここで、この夢は彼自身が作った
ということを思い出してください。

彼は夢の中で間違い電話だと思った・・

よく考えてみると、
ちょっと変じゃないですか?

つまり、自分の作った夢の中で
自分宛に間違い電話がかかってくる
設定を自ら選んでいるわけです。

別の言い方をするなら、この夢で
かかってくる電話は、間違い電話
としてかかってこなければいけなかった。

それは、なぜか?

これは、怒りの矛先を自分に
向けないための演出なのです。

単なる間違い電話という設定ならば、
電話を取って驚きはしますが、別に
自身が責められているわけではないので、
電話の向こうから聞こえてくるクレームを
他人事として受け流すことが出来る。

” 何言ってるんだろう。
そんなこと俺に言われても・・ ”

夢とは、自分に都合のよい脚色が施されます。

つまり、この件について、他人事として
片づけようとしている彼の心理が、
この紛らわしい設定を意図的に選んでいる。

裏を返せば、電話の相手は、実際は
彼を責めているということになります。

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電話の向こう側にいるのは?

さて、ここで一つの疑問が出てきます。

電話の向こう側で捲くし立てる男は、
一体、誰なのでしょう?

それは、番号を間違えて、
見ず知らずの彼に電話をかけてきた
赤の他人ではありません。

先ほども言ったとおり、間違いなく、
その人物は彼に対して物申している
わけですから。

電話の向こう側にいるのは、彼自身です。

正確には、自分の心の叫びを電話の
向こう側の見知らぬ男に代弁させている。

つまり、夢の中で彼は自分を責めている。

男は誰かの人格をひたすら攻撃をしている。

” だから、お前は
いつまで経ってもダメなんだ!”

彼は、捲くし立てる男の言った
その一言だけは、目覚めてからも
覚えていたそうです。

まさに、このセリフが彼が自分に
最も叫びたかったことなのでしょう。

それ以外のことは、激しい口調で
よく聞き取れなかった。

彼が、心に抱えている自分に対する不満、
フラストレーションが、もはや言語
ではなく ” 心の叫び ” となっているのです。

緩衝材としての効果

クレーマー役を
電話の向こうの見知らぬ男に演じさせ、
自分はそれを他人事として受け流す。

夢の中で、自分に対する ” 怒り ” を
どうにかして解消しようとしている
潜在意識の意図が表れています。

この夢では間違い電話という設定を
採用していますが、この設定は、
ある意味 ” 緩衝材 ” としての効果もある。

電話越しのクレームならば、見知らぬ男に
面と向かって、直接、怒鳴られるよりは
幾分か受け流しやすい状況。

何だったら、電話のスピーカーから
耳を離せばよいわけです。

故に、その設定を採用した。

もし、彼の中で溜まった不満が
大きくなっていけば、電話越しではなく、
直接、男が登場する可能性もあります。

それは、もはや、電話越しでは
押さえつけられないほど、 不満が
高まっているというということなのです。

さて、今回の夢に似たケース、
例えば、見知らぬ酔っ払いに絡まれて
お説教をされる夢や通行人に突然、
言いがかりをつけられるといった
” 降りかかった災難 ” という
形のシチュエーションが考えられます。

その全てが、自分を責めている
とは限りませんが、 ” 他人事 ” として
片づけようとしている何等かの心理の表れ、
と解釈してみると夢の意味を解く手掛かり
になるかもしれません。

いずれにせよ、あなたの見た夢は、
あなた自身が作り出している
ということを忘れないでください。

登場人物も、セリフも、背景も、
ストーリーも、空気感ですら、
全てあなた自身が仕組んだ演出。

そして、それらは、
都合によって脚色された創造物なのです。

 

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