夢の中の ” SNS “|特定の機能が夢になる時

今は、多くの人が何らかの形で
SNSを利用しています。

Facebook、Twitter、Instagram、LINEなど、
いくつものサービスがあり、
それぞれに特色がある。

それらは人々の生活に浸透し、
日常的に利用される。

それが身近なものである限り、
いつか、夢に登場することになるでしょう。

*

人々のSNSに対する接し方は、
個人個人で大きな違いがあります。

複数のサービスに登録し、
複数のアカウントを状況によって
使い分けているヘビーユーザーもいる一方、
登録しているだけで、使い方もよく分からないまま
放置している人もいます。

ビジネスとして利用している人もいれば、
自己表現の一つとして自分の創作物を
公開している人もいます。

異性との出会いの場として利用している人、
匿名でアンチコメントを書き込むためだけの
アカウントを作る人もいます。

その利用形態は多岐に渡る。

*

そして、IT の世界ですから、
サービス自体が、日々、アップグレードし、
仕様がその度に変更されるのです。

これら一つ一つについて、
夢に登場した場合の解釈を
いちいち解説するわけにはいきません。

解説したところで、
それは、あなたの見た夢を読み解く
手掛かりにはならないでしょう。

すぐに陳腐化してしまう情報です。

では、どうすればよいのか?

夢の本質を理解するしかありません。

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インスタグラムの夢

夢の本質とは、何か?

別に難しいことではありません。

それは、人の心を理解するということです。
夢は、その心が作ったものですから。

*

次は、インスタグラムを
利用している女性が見た夢の一例です。

なぜか、過去の投稿が、全て
ストーリーズに入ってしまっていることに気づき、
消えてしまう前に慌てて投稿をやり直している。
 
どれも冴えない写真ばかりで、
投稿前に画像を加工し直そうか迷っている。
 
友達が凄くいい旅先の写真を投稿している。

インスタグラムという写真に特化した
SNSが登場している現代的な夢。

筆者自身は、インスタグラムを使ったことがなく、
今回、夢を見た女性に、
その仕組みを教えて貰いながら
セッションを進めることになりました。

彼女の説明では、
夢の中で投稿したはずの過去の写真が、
なぜか、” ストーリーズ ” に
格納されてしまっていることに気づき、
慌てて対処していたと言います。

*

” ストーリーズ ” というのは
インスタグラムの機能の一つで、
その中に入っている写真は、投稿後、
24時間後に自動的に消滅してしまうというものです。

筆者には、なぜ、そのような機能があるのか
理解出来なかったのですが、どうやら、
一時的に写真を公開したい人のための機能
ということで、彼女自身はストーリーズ機能は
使わないと言います。

また、現時点では、
インスタグラムの仕様が変更されており、
24時間経過すると非公開のフォルダに
自動的に保存されるということで、完全に
消滅するわけではなくなったということです。

ただ、夢の中では、彼女は、
なぜか現在の仕様ではなく、24時間後に
消えてしまうものだと思い込んでいた。

*

” インスタグラムには、
よく投稿するのですか? ”

筆者が尋ねると、
意外にも彼女は登録はしているが、現在は、
それほど利用していないと答えます。

登録したばかりの時は、
よく写真を撮っては投稿していたが、
最近ではその頻度は減っていき、
今では月に一度、投稿するかしないか
といった程度だと言います。

” なぜ、頻度が減ったのですか? ”

彼女は答えます。

” 多分、思ったよりも反応が得られないので、
張り合いも無く飽きてしまったのだと思う ”

*

それから筆者は、夢の最後に登場している
友人の投稿について、
いくつかの質問をしました。

その友人は、インドア派の彼女とは違って、
旅行好きの行動派でインスタグラムにも
よく旅先の写真などを投稿している
ということです。

この話を聞く限り、
彼女にとってインスタグラムは、
それほど、身近な存在というわけでも
なさそうです。

なぜ、彼女の潜在意識は、すでに飽き始めている
SNSを材料に夢を作ったのでしょう?

インスタグラムを始めた動機

” 利用しているSNSは、
インスタグラムだけですか? ”

彼女は、この質問に
” YesでもありNoでもある ” と答えます。

その意味を尋ねると、ようやく
彼女の人柄が見えてきたのです。

彼女は facebookやTwitter、TikTTokなど、
メジャーなSNSには
大抵、登録しているのだと言います。

しかし、登録して間もなくすると
飽きてしまって投稿しなくなり、
そのうちログインパスワードを忘れて、
そのまま放置という形になるのが
いつものパターン。

今回のインスタグラムも、そのうちの一つだと。

*

” 夢の最後に出てくる友人の投稿は、
具体的にはどういった写真だったのですか? ”

その写真は、友人が行った旅行先で
撮られた一枚といった感じで、
その高いクオリティに比べて、
自分の日常的な写真が、とても、
つまらないものに感じてしまったと言います。

それで夢の中で、写真を加工して、
もう少しいいものに出来ないか頭を捻っていた。

筆者は、彼女がインドア派だと言うので、
旅行にでも行って、気晴らしをしたいという
願望があるのかもしれないと思い、
次のように尋ねました。

” 旅行で行きたい場所などは、ありますか? ”

すると、彼女は、旅行自体に
あまり興味が無いと答えます。

遠出をして疲れるよりは家にいる方がいいと。

ただ、夢に登場していた友人に
つい数日前に旅行に誘われており、
今、どうしようか迷っていると言います。

” なぜ、迷っているのですか? ”

彼女は、言います。

” 自分は、これまで、ただ、
何となく生きてきただけで、
何も残していない気がするんです。
それで、何か、思い出らしきものを
作った方がいいような気もしていて・・ ”

” もしかすると、自分が、
SNSを始めるきっかけも
何かを残そうとしているという
ことかもしれない。
いつも、続かないんですけど・・ ”

筆者は、彼女のこの告白を聞いて、
夢の意味が、ようやく理解出来たのです。

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過ぎ去ってしまう前に

彼女にとって、インスタグラムを含む
SNSのどれもが、登録しては特に何かを残すこともなく、
いつの間にか使わなくなり忘れ去られていく
” マイブーム ” なのです。

彼女の中で、何の爪痕も残せていない
これまでの自分の人生が、丁度、
無意味に過ぎ去っていったいくつものSNSと
オーバーラップしたのかもしれません。

人生の縮図のように。

夢の中で、彼女は、今まさにマイブームが
過ぎ去ろうとしているインスタグラムに
投稿した過去の写真が、数時間後には
消滅してしまうストーリーズに
入っていることに気づく。

それらを消える前に救い出して、
どうにか ” 爪痕 ” を残そうとしている。

*

夢の中で友人の投稿に比べて、
自分の投稿写真が、
何かみすぼらしく感じてしまった。

彼女から見た友人のアクティブな生き方は、
自分の何も無い人生に比べて、
輝いて見えたのかもしれません。

それが、” インスタ映え ” した
素晴らしい投稿写真として登場しています。

この夢は、彼女がこれまで送ってきた
味気の無い人生を
マイブームの中で過ぎ去っては消えていく
SNSの状況に置き換えているのです。

そこで、消滅するはずの写真を救い出すことで、
自分が存在した証を残そうとしている。

自分とは真逆の生き方をしている友人からの
旅行の誘いは、彼女がこれまでの生き方を
見つめ直す一つのきっかけになったのかもしれません。

彼女は、セッションの最後に言いました。

” 旅行に行こうと思います ”

賢者と愚者

人がSNSを利用する理由は様々です。

そして、それが日常生活に浸透していくほど、
そこには何かしらの思いが生まれる。

友達との繋がりであったり、
新しい人との出会いであったり、
ビジネスであったり、自己表現の場であったり、

今回の夢を見た彼女にとっては、
一つの ” 生きている証 ” を残すための
ツールだったということなのでしょう。

そして、それが身近なものであるならば、
必然として夢は作られる。

*

仮に、facebookを利用している人が、
それに関連した夢を見たとしましょう。

facebookは、実名登録という特徴を持ったSNSなので、
それに因んだ構成の夢が作られる可能性はあります。

例えば、昔好きだった異性から、友達申請の
メッセージが来る夢を作るかもしれません。

Twitterをよく利用している人なら、
誰かの悪口を呟くと、共感のリツイートが
大量に返ってくる夢を見るかもしれない。

もし、サービス開始間も無い登録者数の
少ないSNSならば、そこはプライベートな
領域を表しているのかもしれません。

他にも、オンラインゲーム内で
コミュニケーションをするタイプのものや、
特定のジャンルに特化したものなど、
様々な特徴をもったSNSがあります。

必ずしも、そのSNSの特徴を組み込んだ夢が
作られるとは限りませんが、あなたが
そのシステムに日頃から慣れ親しんでいるならば、
潜在意識はその記憶を利用するでしょう。

今回は、投稿写真が24時間経過すると
消滅してしまうという ” ストーリーズ ”
という機能を効果的に演出に組み込んでいます。

潜在意識は、あなたの記憶にあるものなら、
どんなものでも利用するのです。

*

新しく生まれたテクノロジーには、
無論、古くから伝わる解釈などありません。

ゆえに、古い解釈で状況が似ているものを
当てはめて応用解釈するという方法が取られます。

例えば、タブレットで電子書籍を
読んている夢を見たとしましょう。

タブレットも電子書籍も現代のテクノロジーですから、
古来から伝わる夢占いには解釈がありません。

それは、本を読んでいる夢として考え、
応用解釈すべきでしょうか?

それで正しい解釈を行える場合もありますが、
そもそも、なぜ、潜在意識は本ではなく、
あえて電子書籍で読むという
シチュエーションを選んだのか?
という問いかけは必要なのです。

もしかしたら、紙媒体ではいけない理由が
あったのかもしれません。

例えば、読んでいる書籍を誰かに知られたくない
という心理から、パスコード機能がついている
タブレットを選択したのかもしれない。

*

必ずしも、旧来の解釈を応用すれば、
正しい答えが得られるとは限らないのです。

必要なのは、
夢の本質と人の心理を理解することです。

ドイツの政治家ビスマルクが、
次のような言葉を残しています。

” 愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ ”

つまり、愚者は自分の体験したことからしか学ばず、
賢者は他者から多くを学ぶという意味ですが、

夢解釈に限っては ” 愚者 ” になるべきです。

なぜなら、夢は、あなたが体験したことからしか
生まれないからです。

 

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