” AI ” が登場する夢|夢における ” 音声アシスタント “

AIが身近な存在になり、
私たちの私生活に浸透しています。

iPhoneのSiri、Android系スマートフォンの
Googleアシスタント、AmazonのEchoなど、
AIが搭載されたデバイスが普及しています。

技術の発展に伴い、新しいアイテムが
私たちの日常生活に次々に追加されていく。

今後も、様々な分野で
まだ名前もつけられていない技術が
生まれていくのでしょう。

そして、それを日常的に取り入れていれば、
いつか夢に登場することになります。

しかし、古来の伝承を元にした夢占いでは、
これから新しく追加される次世代の
アイテムには対応していません。

太陽や馬など、古くから親しまれてきた存在には、
解釈の模範例のようなものがありますが、
今しがた登場したばかりの歴史の浅い存在には、
蓄積された知識が無いのです。

では、一体、こういった新しい存在については
どのように解釈していくべきでしょうか?

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彼女の中の ” 不一致 “

次は、とある女性が見た夢の一例です。

寂しげな通りを歩いている。
周辺には、まばらに古びた建物があるだけ。
 
Siriに目的地を尋ねても、
” お探しの情報が見つかりました ” と言って、
無関係のウェブサイトを表示するだけで、
全く役に立たない。
 
何度か尋ねなおすが、
まともな回答が返ってこない。
 
” 何これ、ちゃんと答えなさいよ! ”
Siriに文句を言うと ” 知らんわ ” と答える。
 
やがて、道が途切れてしまう。

夢の中でSiriと会話をするという
現代的なストーリーの夢です。

そして、彼女が歩いていたのは、
開けた野外で、街と言えるほどのものはなく、
所々に建物が点在する閑散とした場所だった。

彼女の潜在意識は、この奇妙な夢によって、
何を伝えようとしているのでしょう?

*

” 何となく、
こっちかなと思いながら歩いていました ”

夢の中で、彼女は、
自分がどこに向かっているのかも、
よく分からないまま歩いていたと言います。

筆者は、尋ねました。

” 何か、人生の方向性などで悩んでいる
といったことは? ”

架空の道に関する夢は、時折、
人生の縮図として描かれることがあるので、
周辺の景色と彼女が何となく歩いている状況から見て、

何か、目標に向かう途中、
進むべき道に迷いが生じているのではないか
と思ったのです。

*

彼女は、今年、コンピューター系の専門学校を
卒業する予定でしたが、この時期になって、

” これが、本当に自分の
やりたかったことなんだろうか? ”

と疑問に思い始めていると言います。

最初の頃は、今の時代に必要なスキルを
身に着けたいという思いで勉強をしていましたが、
段々とその熱意は薄れていった。

” 必要かもしれないけど、自分の好きな事とは違う ”

と、最近、思うようになった。

AIが答えられる範囲

夢の中の架空の背景は、彼女が今感じている
目的を見失った喪失感、虚しさが描かれています。

古びた建物が点在するどことなく寂しげな風景は、
彼女の情熱をかきたてるようなものは一つも無く、
空虚な気持ちの象徴のようにも見えます。

誰かが敷いた道の上を目的地も
はっきりしない状況で、ただ、闇雲に歩いている。

彼女は、夢の中でSiriに尋ねています。

自分がどこに向かっているのか?
どこに向かうべきなのか?
この道の先に何があるのか?

しかし、Siriは、
的外れなウェブページを表示するだけで、
明確な答えを提示してはくれない。

*

スマートフォンの音声アシスタントを
利用したことのある人なら
誰でも経験したことがあるでしょう。

それがAIとは言え、決められたルールの質問
にしか答えてくれないという不便さ。

AIとの会話と言っても、
単発的な会話のみで、無論、人生相談など
文脈を理解した会話は出来ません。

それは、音声によって、
スマホの操作が出来るといった
程度の限定的な ” 便利さ ” なのです。

さて、彼女は、なぜ、
Siriに目的地を尋ねたのでしょう?

Siriは、設定された目的地までの
経路を教えてはくれますが、
この場合、彼女は、目的地はどこか?
と尋ねている。

この質問に、Siriが答えられるはずもありません。

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AIに与えられた役割

ここで忘れてならないのは、
この夢の作り手が彼女自身であるということです。

つまり、機械に尋ねて、
的外れなウェブページを見せられるぐらいなら、
最初から学校の進路指導の教員や家族を登場させて、
質問に答えさせることも出来た。

しかし、彼女は、その設定ではなく、
あえて、Siriに尋ねているのです。

なぜでしょう?

彼女にとって質問する相手は、
不完全なAIでなければならなかったのです。

なぜなら、見失ってしまった ” 正しい答え ” を
彼女自身が知らないからです。

先ほどは、この夢は、
本人が作ったものと言いました。

つまり、彼女は、夢の中で
これからどうしていくべきか、その方向性を
自身に対して質問しているわけです。

質問をしている本人に解答を求めても、
答えが返ってくるわけがありません。

*

もし、質問を投げかける相手がAIならば、
的外れな回答で上手に
はぐらかしてくれるでしょう。

彼女は、Siri の不完全さを利用したのです。

” Siri が答えられなかったとしても
機械だから仕方ない・・ ”

彼女は、正しい答えが得られないのを
AI の性能のせいにして、本当は、
答えが別にあるのだと思いたがっています。

つまり、” 答え ” は、どこにも
無いことを彼女は知っている。

らしからぬセリフ

では、Siri が、AIらしからぬセリフを言う場面。

これには、どんな意味があるのでしょう?

夢の中で、彼女は、Siri に答えてもらおうと、
色々、言い方を変えて、
質問を繰り返したそうです。

しかし、段々と、Siri の受け答えが雑になり、
イラついているようにも感じた。

そして、最後に突き放したようなセリフ。

” 知らんわ ”

これは、彼女自身の声です。

自分で選択した道の途中で立ち止まって、

” もしかしたら、こっちじゃないかもしれない ”

と思い始めている自身の迷いや、
自分の置かれた今の状況に対して、
イラついている彼女が、
Siri に言わせているのです。

*

そして、最後の場面、道は徐々に途切れ、
砂利と草によって分からなくなってしまった。

今進んでいる方向に対する彼女のイメージが
最後の場面に描かれています。

ただ、この場面は、彼女にこういった未来が
待っているという暗示ではなく、
あくまで、現時点で彼女自身が感じている
未来に対するイメージ。

解釈の土台

さて、今回は、AIが登場する夢を紹介しましが、
もちろん、この夢の解釈が夢占いにおける
” AI ” の正しい模範解答というわけではないのです。

あくまで、この夢を見た彼女にだけ当てはまる
” 特例 ” と言ってもよいかもしれません。

ただ、突き詰めれば、
全ての夢は ” 特例 ” なのです。

無論、あなたが見た夢も。

だから、一人一人に合わせて解釈していくしかない。

それが、古くから伝わる伝承であろうと、
最新のトレンドであろうと、
読み解き方に違いはないのです。

例えば、あなたが、話題の新技術である
VR ( バーチャルリアリティ ) の夢を見たとします。

下手な解釈の模範例を調べるよりも、
あなたがVRゲームを持っているのなら、
それをどんな風に使っているか、
なぜ、それを買おうと思ったのか、
もしくは、使ってみてどんな感想を持っているか、

その製品が自分にとって、どういった存在
なのかを考えていく必要があります。

それは、自身の心に問いかけるという
極めて内向的な作業。

もし、あなたが、張り合いの無い
日常生活に飽き飽きしたのがきっかけで
VRゲームを始めたというなら、
夢の中で頭に装着したゴーグルが
なかなか外れないという夢を作るかもしれません。

” これさえ外れれば、本当の日常に戻れるはず ”
と思わせるための演出です。

無論、” 本当の日常 ” なるものは存在せず、
そもそもゴーグルなどつけていない。

つまり、マンネリ化した日常から
目を逸らすためにVRを利用するのです。

 

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