建物の間取りと夢|夢の中の ” 階段 “

夢の舞台として様々な建物が登場します。
自宅や学校、病院、高層ビル、廃墟など。

今回は、建物の外観ではなく、
” 間取り ” について見ていきましょう。

例えば、リビングの広さ、
トイレや浴槽の位置、窓の大きさや、
部屋数、階数、渡り廊下の長さなど、
間取りの状況が夢の意味を
解くヒントになることがあります。

夢の中で不自然な間取りがあった場合は、
そこに何らかの意味が隠されているのです。

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間取りとアプローチ

例えば、自宅が夢の舞台となる場合、
それは実在する建物ですから、通常ならば
見慣れた間取りが夢の中で再現されるはず。

しかし、大抵は違っているのです。

なぜか、あるはずの無い窓があったり、
部屋の位置が北側から南側に
入れ替わっていたり、部屋と部屋が
繋がって大きな部屋になっていたり、

また、全く間取りの違う別の家を
自宅だと思い込んでいる場合もあります。

こうした本来の間取りとは
食い違っている部分は、
潜在意識が意図的に仕組んだ演出です。

その意図とは、何か?

それをここで一つ一つ
説明するわけにはいかないのです。

例えば、夢の中で家族が使うリビングが
いつもより広く感じたなら、
家族との距離を置きたがっている心理と
読むことも出来ますし、

近々、客人を招く予定のある人なら、
リビングを少しだけ大きくして、
見栄を張ろうとしているのかもしれません。

夢の内容が同じ状況であっても、
各個人の事情に応じて意味は大きく変わる。

無論、夢占いで調べたところで、
上記のような解釈は載っていません。

これは、今、筆者が考えた解釈です。

つまり、解釈は自ら考え、
見つける必要があるのです。

そのためには、自分自身が置かれた状況を
よく理解しておかなければいけない。

そして、問いかけるのです。

あなたが家族に関する問題を
抱えているなら、
リビングの広さは何を意味するのか?

あなたに見栄っ張りな性格があるなら、
リビングの広さは何を意味するのか?

無論、リビングの面積によって
どう解釈するかという限定的な話を
しているわけではありません。

それがどういったストーリーであれ、
夢を読み解くために
どうアプローチするかという話です。

付け足された踊り場

次は、とある女性が見た夢の一例です。

二階に行くために階段を上がっている。
 
途中に広い踊り場がある。そこで
少し休憩しようと段差に腰かける。
 
二階から自分を呼ぶ母の声。
” いいから、ちょっと来て! ”

自宅の階段を舞台にした日常的な夢。
筆者は、彼女に次のように尋ねました。

” 二階に何の用事があったのですか? ”

彼女は ” 分からない ” と答えます。
付け加えて、
あまり行きたくない感じがして、
足取りは重かったと言います。

そして、嫌々、階段を上がる彼女に
追い打ちをかけるかのように
母親の声がした。

この夢の注目点は階段の中間地点に存在する
少し広めの ” 踊り場 ” です。

尋ねたところ、実際、自宅の階段には
踊り場など無く、それを設置するほどの
長さもないということです。

” 夢の中の階段の長さは
どれぐらいでしたか? ”

” 踊り場が付いたからなのか、
長く感じました。1.5倍ぐらいでしょうか ”

本来、彼女の自宅には存在しない
この ” 踊り場 ” は
一体、何を意味しているのでしょう?

このように見慣れた建物に、なぜか
不可解な演出が加えられている場合は、
潜在意識の意図が表れている部分です。

潜在意識は、夢を見ている私たちが
気づかないよう、あたかも最初から
そうだったかのように組み込みますが、
はやり、目覚めると、そこには
強引にねじ込んだ不自然な形跡が見つかる。

その ” 形跡 ” は、重要です。

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母と娘

階段の途中に設置された ” 架空の踊り場 ” は、
偶然、そこにあるわけではなく、
彼女自身がわざわざ用意したものです。

彼女は夢の中で踊り場を通り過ぎて
二階に行くことも出来るのですが、

” ちょっと休憩するだけ ”

という理由をつけて踊り場から
先に進もうとしていません。

なぜでしょう?

その理由は、二階から彼女を呼ぶ母の声
からも何となく察することが出来る。

何か彼女に用事があって、
呼びつけているといった感じで、
彼女はその声を聞いて少しイラっとした。

筆者は夢の内容から、彼女と母との関係を
理解しておく必要があると感じました。

” お母さんは、
どういったお人柄ですか? ”

筆者がそう尋ねると、
彼女は次のように言います。

” 母は何かにつけて周りを巻き込むタイプで、
度々、面倒な用事を私に言いつけてくる ”

そんな時、彼女はため息を
つきながらそれに従うそうです。

二人の関係を理解すると、
この夢が、その ” 面倒な言いつけ ” に
関するものだと分かります。

その言いつけが具体的にどういった
ものかは、この夢からは分かりませんが

” 今から、
面倒なことをしなければならない ”

という足取りの重い状況を
” 階段を上がる ” という日常的な動作
として描いている。

そして、階段を少しだけ長くし、
その途中に ” 架空の踊り場 ” を設置して、
そこに留まることで母親の束縛から
少しの間だけでも解放されたいという
彼女の心理が描かれています。

夢の中の ” 架空の踊り場 ” は、
彼女なりの母に対する反抗心の表れ
だったのかもしれません。

その作品は誰のものか?

階と階の間に設置された ” 階段 ” は、
様々な意味を与えることが出来る場所です。

例えば、一階を ” 現在の状態 ”
二階を ” 理想 ” や ” 目標 ” と
見立てるならば、階段を上がる行為は、
それに至るまでの労力や試練を表している
と考えることが出来ます。

途中で階段が無くなっていれば、
目標に到達するために何をすれば
よいのか分からなくなっている状態
と読むことも出来ますし、

荷物が置いてあって先に進めない
というなら、目標達成の前に
片づけなければならない仕事が
他にもあるということかもしれません。

例えば、二階から一階へ階段を降りている
というなら、積み上げたものを振り返って
確認しようとしている。

もしくは、基本に立ち返ろうとしている
ということかもしれません。

一階から、地下一階へ降りるなら、
表面的な部分から、さらに心の奥底に
” 答え ” を求めようとしていると
解釈することも出来ます。

さて、今 ” 階段 ” について、
いくつかの解釈を挙げましたが
やはり、どの解釈もあなたの夢とは
何ら関係が無い。

あくまで一つの見方に過ぎません。

筆者がここで伝えておきたいのは、
夢の解釈にはルールが無いということです。

ルールや方程式があれば、
それに当てはめるさえすれば、
” 答え ” が得られるのでしょう。
しかし、夢解釈ではそれが出来ない。

なぜなら、夢は、あなたの
最もプライベートな領域で生まれる
ものだからです。

あなたと全く同じ心を持った人が、
地球上に何人いるでしょう?

皆無です。

必要なのは、夢を見ている時に
自分が何を感じたのか、
その ” 感覚 ” をつかみ取ることです。

そして、今の自分の置かれている状況を
振り返って確認すること。

何よりも、あなたの見た夢は
あなた自身が作り手であるということを
忘れないでください。

例えば、彫刻家が
テーマを決めて作品を彫り出す。
そして、完成したそれに題名をつける。
つまり、その作品に意味を与えたのは
彫刻家です。

夢は、あなたの作品であり、その意味も
あなたが与えた。その夢を支配する
ルールはあなたが決めた。

後は、自分が与えた意味を思い出すだけです。

 

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