夢の中の ” 身体の異常 “|不自然な体の一部

夢の中で身体のある部分だけが
不自然だったり、
異常な状況になっている場合があります。

例えば、顔色や皮膚がおかしな色だったり、
手足の長さが左右違っていたり、男性なのに
妊娠をしているといった奇妙な設定もある。

自身の体が異常な状況になっている
わけですから、夢を見た本人にとっては、
かなりショッキングな映像です。

心配症の人なら、何か病気になる前兆では
ないかと怖くなってしまうかもしれません。

では、こうした夢は、
どのように解釈していけばよいのでしょう?

広告

身体の一部分の異常

次は、筆者自身が学生時代に見た
夢の一例です。

朝、目覚めると腹部が異常に出っ張り、
牛のように垂れ下がっている。
 
一体、何が起こっているのか分からず、
慌てて家族を起しにいく。

この夢から目覚めて、思わず服をめくって
確認してしまうほどショッキングな夢でした。

腹部が大きく垂れ下がってしまい
歩行も困難の状況の中、
夢の中で右往左往しているという到底
人には見せられない何とも無様な姿だった。

一体、この夢は
何を意味しているのでしょう?

夢は私たちが現実で抱えている問題を
身近な身体の問題に置き換えて
表現することがあります。

例えば、頭を悩ませている人間関係の問題。
それを目の上の瘤として表現したりする。

まさに諺のように。

他にも、選択肢に迷っている人が
夢の中で、なぜか足が三本あり、
歩こうとすると絡まって進めないといった
奇妙な状況を描くこともあります。

この夢も、やはり自身が抱えている問題を
” 垂れ下がった腹部 ” として表現した結果
なのではないかと思いました。

丁度、大きな問題を抱える状態を
垂れ下がった腹部へと置き換えたという線。

ですが、随分、過去に見た夢なので
当時の筆者が何について悩んでいたのか
思い出すことは出来ませんでした。

ただ、今考えてみると、
あれは ” 誇張 ” だったのではないか、
そう思っています。

十代の頃の自分について回想すると、
思い当たるのは、ちょっとした体の不調
を大袈裟に捉えてしまう性格でした。

筆者は昔から胃が弱く、ちょっと
食べ過ぎたり、お腹を冷やしたリすると、
すぐに調子が悪くなる体質なのですが、

” もし、重大な病気が隠れていたら
どうしよう・・ ”

と頭を抱えて病院で検査を受けるべきか、
悩むこともありました。その時の辛さは、
一緒に住んでいる家族にはほとんど
伝わりません。

そこで、潜在意識は見るからに
分かりやすい形で
インパクトのある状況を夢として描いた。

この状況ならば、家族も
大いに心配してくれるでしょう。

つまり、この夢は家族の同情を
買うための大袈裟な一人芝居なのです。

夢の中でもその状態を見てもらおうと
寝ている家族を起そうとしていた。

中年の危機

では、別の例を見てみましょう。

次は、とある男性が見た夢の一例です。

人さし指の先に、よじれた
糸のようなものがついている。
 
引っ張って取ろうとすると、
螺旋状に指の皮が剥がれていく。
 
どこまでも続くので怖くなって
途中で止めて皮を元通りにするため
糊を探している。

指先の皮が際限なく剥がれるという
どことなく” 脱皮 ” を連想させる夢です。

もし、この夢が ” 脱皮 ” を意味するなら、
男性は何らかの変化を求めているのかも
しれません。

” 最近、変わりたいと思うことは
ありますか? ”

筆者は彼に尋ねます。

彼はもうすぐ40歳を迎えようとしている、
いわゆるアラフォーでした。

その年齢の節目に人生を振り返って、
次のように思ったそうです。

” このまま行くべきか、
別の人生を考えるべきか・・ ”

職場で彼の地位は確立されており、
部下からは頼られる存在として
親しまれていた。

” 多分、このまま働き続ければ、
生涯安泰だと思う ”

と彼は言います。そして、その一方で、

” 本当にこのままでいいのだろうか? ”

という疑問が、
常に頭にこびりついていると。

要するに彼は、
” 中年の危機 ” を迎えていたのです。

広告

問題をスケールダウンする

先ほど夢は、自身の抱える問題を
身体の問題に置き換えることがあると
言いましたが、この夢はそれにあたります。

中年の危機を迎えた彼の心理が、
指先の皮が剥がれるという身体の
小さな異常という形で表現されています。

彼は夢の中でよじれたそれを引っ張り、
皮が剥がれていくことに不安を覚え、
途中で止めて元に戻そうとしている。

この部分から、彼の微妙な
心理を読み取ることが出来ます。

彼は新しい自分、新しい人生を
望みながらも、変化することに
尻ごみしているのです。

長い人生を走ってきた。

若者が変化を望むように、
そう簡単に受け入れることは出来ない。

これまで培ってきたものを捨て、
新しい生き方を試すには
それなりの覚悟が必要です。

そこで彼の潜在意識は、
人生の大きな課題を身近な身体の問題に
” スケールダウン ” して夢を作った。

言わば、” 指先の出来事 ”
という小さな範囲で、ちょっとだけ
” 脱皮 ” を体験しようとしているのです。

しかし、それが指先の出来事であっても、
彼は途中まで来て引き返そうとしている。
剥がれた皮を元に戻そうとしています。

長い時間かけて積み上げたものがあり、
そう簡単に捨てることは出来ない。

夢の作り手である彼は指先の出来事が、
本当は何を意味しているのかを
知っているのです。

この夢では、潜在意識が解決困難な
大きな問題を処理しやすいサイズの
別のものに置き換えるという
” スケールダウン ” が行われています。

また ” 将来に対する漠然とした不安 ”
と言ったつかみどころのない問題が、
幽霊や悪魔に置き換えられるという場合も、
問題を小さく限定するという意味では
スケールダウンと言えます。

幽霊や悪魔に置き換えてしまえば、
” 漠然 ” とはしていませんから、
単純な方法で回避出来ます。

例えば、出来るだけ遠くに逃げる。
隠れる。反撃するなど。

夢の中で問題を小さく限定的に
描くことで解決しやい状況を作り、
処理するという手法です。

衝撃の後に見えてくるもの

今回は身体の異変に関するニ例の夢を
紹介しましたが、無論、あなたが見た
夢とは全く違うシチュエーションだと
思います。

上記の解釈は、
あなたには当てはまらないでしょう。

ただ、これだけは確かです。

それがショッキングな映像だったとしても、
すぐに ” 悪い出来事の予兆 ” に
結び付けるべきではないということです。

インパクトが強いほど、その夢は
、重要なのかと言えば
必ずしもそうとは言えない。

そのインパクトは注目を集めるための
” 張り子の虎 ” である可能性もあるからです。

最初に紹介した筆者の見た夢は、
身体の一部を変形させて
自身に都合の良い状況を作っていた。

まさに、見せかけだけの演出です。

もし、夢の中であなたの体の一部が、
異常な状態になっているというなら、
その状態になることで都合の良いことが
何か無いか探ってみてください。

一見、それがショッキングな映像
だったとしても、
グロテスクに見えたとしても、
そこには何らかの意味があるのです。

映像の衝撃に圧倒されて、
冷静さを失ってはいけません。

その意味を解き明かしたとき
見えてくるのは、
もっと現実的なテーマなのです。

 

関連記事

広告

この記事をシェアする