夢の中でゴミが散乱していたり、
無造作にダンボールが積み上げられていたり、
あなたのいる場所が、
とにかく散らかっている、雑然とした状態。
ゴミやダンボール、廃棄物などの不用品が
どのような状態だったか、また、あなたが
夢の中でその不用品をどうしようとしていたのか。
それらを一つ一つ観察して、
夢の意味を探る必要があります。
不要品の中身が何だったのか、
という点も観察対象です。
例えば、それが仕事の書類だったというなら、
仕事に関する夢の可能性を疑います。
不要品の中に、以前使っていた
携帯電話が紛れ込んでいたと言うなら、
過去の人間関係を捨て去りたいという
心理の表れかもしれません。
ただし、それだけで判断するというわけではなく、
あくまで一つの判断材料として
分析していくということです。
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掃除する夢
次は、とある女性が見た夢の一例です。
部屋のレイアウトを変えようとしている。
ベッドの下を掃除するために
引っ繰り返すと、大量のホコリにまみれて
食べ残したお菓子やペットボトルが散乱している。
その中から一冊のノートを発見する。
ノートを開くと、最初の
二、三ページ以降が白紙になっている。
さて、一見、
日常の一場面を描いているようにも見える夢。
筆者は、まず最初に、この夢を見た女性に
現在の部屋の状態を尋ねました。
” いつも掃除はしているので、
部屋は綺麗な方だと思う ”
と彼女は言いました。
ベッドの下も抜かりなく掃除をするということで、
今回のケースでは現実そのものを描写している
わけではなさそうです。
*
例えば、実際に部屋が汚いときに、
掃除をする夢を見ることがあります。
それは、その人の
” そろそろ掃除をしなければ ”
という気持ちが夢になっているだけで
取り立てて深い意味が隠されている
わけではありません。
ただ、今回のケースでは、
現実では綺麗なはずなのに
夢の中では、ベッドの下はホコリまみれだった。
潜在意識は、本来、綺麗な状態の部屋を
夢の中で一度汚して、
それを本人に掃除させるという、
一見すると、無意味にも思える夢を作った
ことになります。
彼女の潜在意識は、なぜ、
このような不可解な夢を作ったのでしょう?
” 置き換え ” という技法
現実では、
部屋は綺麗だが夢の中では汚れている。
この奇妙な設定は、
ある一つのことを表しています。
それは、夢の中の部屋は
現実の部屋を描いているように見せかけて、
実際は、別の事柄を描いているということです。
つまり、何か別の事柄を
” 散らかった部屋 ” という
日常的な風景に置き換えている。
では、” 別の事柄 ” とは、
一体、何でしょう?
夢の冒頭では、彼女は
部屋のレイアウトを変えようとしています。
筆者は彼女に、
最近、部屋のレイアウトを変えた、もしくは、
変えてみようと思ったことはあるか尋ねました。
彼女は、レイアウトについては、
今は考えていないと言います。
やはり、夢の中の状況は、
何かを置き換えた結果なのかもしれません。
もし、彼女が部屋のレイアウトではなく、
全く別の事柄について
変化を求めているとしたら・・
*
” 部屋のレイアウト限定ではなく、
精神的変化を求めているといったことに
何か心当たりは? ”
彼女は質問を受けて、
部屋が綺麗な理由を明かします。
実は彼女自身は、一切、掃除をしないのです。
なぜなら、一緒に住んでいる母親が、
彼女の部屋を完璧に掃除するから。
” 自分の部屋ぐらいは自分で掃除しようか? ”
彼女が母にそう尋ねると、
母は次のように言うのです。
” あなたが掃除しても、
隅々までしないじゃない ”
彼女は自分がずぼらな性格だということを
理解した上で、結局は母に甘えてしまっている
自分の ” だらしなさ ” を変えなければと、
常々、思っていた。
*
この家庭の内情を知ると、
夢の意味が何となく見えてきます。
” これまでの自分を変えたい ”
という彼女の気持ちが自室のレイアウトを
変えるという行為に置き換わっています。
なぜ、彼女の抱える問題を
単なる模様替えに置き換えたのでしょう?
自身の習慣を変えるのは容易ではありませんが、
部屋のレイアウトなら、体を動かせば、
すぐに変えることができる。
潜在意識は、難しい問題を
より解決しやすい形に置換して、
解決を図ろうとしているのです。
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途中から白紙のノート
彼女は、夢の中で
レイアウトをどうするか悩んでいた。
これまでの自分ではない
” 新しい自分 ” を模索しているのです。
似たようなケースとして、
” 引っ越しをする夢 ” がありますが、
この場合、引っ越しではなく、
あくまで ” 部屋 ” というこじんまりとした変化。
これは、住んでいる場所、つまり、
自身のベースは変わらないが、
その範囲内での変化を表しています。
人生の選択と言えるほどの大きな変化ではなく、
日常的な心構えというような
小さなレベルでの変化です。
*
夢の中でベッドを引っ繰り返すと
大量のゴミが散乱している。
気分を一新して新しい自分になるためには、
過去の自分がため込んでいたものを
捨て去る必要があります。
彼女にとって、お菓子の残骸や
飲み捨てられたペットボトルは、
自身の ” だらしなさ ” を
表していたのかもしれません。
自分のダメな部分を ” ゴミ ” として表現し、
それを掃除することで取り除こうとしている。
これも、ある意味 ” 置き換え ” です。
掃除という日常的な行為ならば、
すぐに解決出来る問題です。
*
さて、この夢で気になる場面が
ノートを発見するという部分。
彼女は、そのノートに見覚えがあったと言います。
それは、一年ほど前に日記として使っていた
ノートでしたが、日記をつけるのが
面倒になって途中でやめてしまった。
この経緯からも夢の中で発見されたノートは、
” 根気が無くて続かないダメな自分 ”
を象徴するアイテム。
そのノートを捨てることで、
彼女は過去の自分から脱却しようとしています。
心の垢
自分の中にあるネガティブな過去や、
古い考え、昔から続いている悪習慣などが、
今の自分には不要なものとして、
ゴミや使われていない家具、
積み上げられたダンボールなど、
” 不用品 ” という形で表現されることがあります。
ゴミの内容によっては、
今の自分が何を捨て去ろうと
しているのかを探る手掛かりになるかもしれません。
次は、とある男性が見た夢の一例です。
玄関の隅にダンボールが一箱だけ置いてある。
処分しなければと思いながら、
ずっと前から放置している。
ダンボールの中には、
仕事の書類が入っていたと言います。
無論、実際に自宅の玄関には、
ダンボールなど置いてありません。
*
この夢は、男性が仕事で抱えている
何らかのストレスがプライベートの
領域にまで入り込んできているのです。
彼は、ずっと前からそれを自覚していた。
仕事が不要というわけではないが、
プライベートにまで持ち込むべきでない
” ここには必要ない不用品 ”
として表現されています。
もし、夢の中であなたの部屋が
散らかっていたり、
自宅が粗大ゴミに占領されているというなら、
自分が今抱えていて、
どうにか片づけてしまいたい問題が無いか
チェックしてみましょう。
その夢は、あなたが
” 心の垢 ” を取り除く時期に来ていることを
教えているのかもしれません。
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