夢の中の ” 地図 “|読み解くための状況的視点

夢の中に ” 地図 ” が登場するといった場合、
地図と言っても様々なものがあります。

印刷物としての地図、単なる手書きのメモ、
スマホの地図アプリ、カーナビのような
リアルタイムで状況を表示していく
動く地図もあります。

スケールについても世界地図のような
大きなサイズもありますし、
地域ごとの詳細を示した狭い範囲の地図もある。

例えば、今は、大抵の人はアプリやブラウザで
オンラインの地図を閲覧するでしょう。

しかし、夢の中では、
なぜか紙媒体の地図が登場していたという場合、
なぜ、googleマップではなく、あえて、
印刷物としての地図を使ったのかを
考える必要があります。

潜在意識が、
偶然によって何かを選択することは無いのです。

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曖昧な目的地

次は、とある男性が見た夢の一例です。

スマホで地図を見ている。
 
通信状態が悪く地図が読み込まれない。
 
部分的に表示はされるが、
空白部分の表示がなかなか埋まらない。

インターネットで地図を操作するときに、
地図の読み込みに若干のタイムラグが
発生することがあります。

通信速度が遅いと、
急に拡大したり表示範囲を移動すると、
空白が表示され、その後に、
時間差で遅れて地図が表示される。

夢の中でも、データの読み込みが遅く、
地図が部分的に表示されるものの
その大半は空白のまま抜け落ちていたと言います。

” 地図で何を探していたのですか? ”

筆者が尋ねると、彼は次のように答えます。

” 分かりません。ただ、
何かを探していたのは確かなのですが・・”

彼の説明では、何か目的があって
地図を見ていたという認識がありながらも、
具体的に何を探していたかは、はっきり
しなかったと言います。

” もしかしたら、どこに行こうか、
ということで迷っていたのかもしれません ”

*

夢の世界では、こういった
何らかの目的意識があるのにも関わらず、
具体的な目的が分からないという
曖昧な認識を持つことがあります。

それは、記憶力の問題ではなく、
あえて、曖昧なのです。

筆者は、夢の中の地図は、
彼の人生そのものを表しているのではと考え、
次の質問をしました。

” 今、何か、将来について、
迷っていることなどはありますか? ”

彼は、次のように答えます。

” 今、就活中で、幾つかの会社の面接を
受けているのですが、どの会社も、
自分が本当にやりたい仕事なのかと言われると、
正直、分からないんです。
自分が、何をしたいのか・・ ”

筆者には、彼が情熱を傾けられる
何かを探しているようにも見えました。

*

この夢は、彼が現在
置かれている状況を描いています。

人生の目的を模索している今の状況を
読み込みの遅いオンライン地図に置き換えている。

人生の目的は容易には示されませんが、
それがデジタルデータならば、ただ、待っていれば、
いずれは目的地を示すマップが表示される。

潜在意識は、より問題が解決しやすい
シチュエーションへと状況を置き換えたのです。

読み込み前の ” 空白地帯 ” は、
まさに、彼自身が何を求めているのか、
どこに向かおうとしているのか分からない
状態を表している。

何かを探しているが、それが何かが分からない
という夢の中の曖昧な認識も、
人生に対する彼の認識そのものなのです。

手書きの地図

この夢は、ブラウザで動く地図の性質が
巧みに演出に取り入れられています。

通信速度によって、
読み込みの遅い部分が空白になる性質を
” 目的を見失った空白状態 ” として例えている。

もし、これが印刷物としての地図なら、
最初から全てが表示されているわけですから、
演出として適切ではありません。

潜在意識は、あえて、オンライン地図の性質を
理解した上で利用したのです。

*

では、次に、紙媒体の地図に関する夢を
見ていきましょう。
次は、筆者自身が見た夢の一例です。

本棚に古い本を見つける。
 
本を開くとボロボロの紙切れが挟んである。
手書きで地図らしきものが書いてある。

この夢を見たのはブログを始める少し前でした。

筆者は、自分でも情報発信出来ることは
無いかと考えていた時期でした。

結果的に自分が、ずっと携わってきた
夢をテーマにすることになったのです。

手元には膨大な夢に関するデータが
ありましたので、それを活用する
という案を思いつくのは必然でした。

夢の中の本棚は過去のアーカイブを表し、
そこに可能性を見出すという意味で
手書きの地図を挿入しています。

*

さて、手書きの地図には
何が書かれていたのか?

そこには、鉛筆で走り書きされた
メモのようなものと、
簡単な線だけで構成された何かしらの
地図が描かれていたというだけで、
特に具体的なことは覚えていません。

ただ、その地図には何か
貴重なものが記されているのだと感じた。

こうした夢の中でメモが登場するといった場合、
メモに何が書いてあったかということに
注目しがちですが、メモの内容よりは、
それを見て何を感じたのかということに
注意を向けることが必要です。

例えば、メモが白紙であっても、
そこに空虚さを感じたとしたら、それは、
” メモに書くような大事なことは何もない ”
という意味なのかもしれません。

白紙であることそのものが、
メモの内容なのです。

*

そして、地図は手書きであった。

そのアイデアは、まだ、しっかりと
形の整っていない単なる思いつきなのです。

つまり、それは思いついた青写真を素早く
走り書きしたメモのような段階の
未熟なアイデアであり、完成した
綺麗な印刷物やデジタルデータとして、
描くわけにはいかなかった。

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” 例え ” の先にあるもの

地図は、しばしば
” 人生の指針 ” を表すものとして
夢に登場することがあります。

例えば、人生をもう一度やり直したい
といった願望が、古い地図を捨てて、
新しい地図を買うという夢になることもあれば、

目標を失ってしまった人が、地図を
紛失するという夢を見ることもあります。

日常生活がマンネリ化して狭苦しく
感じているならば、世界地図を広げて、
思いを馳せている夢を作るかもしれません。

普段、地図を見ない人が
夢の中で地図を見ているというなら、
今後、何らかの目的が出来る暗示と
読むことも出来ます。

夢の中の ” 地図 ” が本人にとって
何を意味するかは、それぞれの人生観、
価値観、置かれている状況によって
違ってくるのでしょう。

*

もし、あなたの夢に地図が登場したら、
まず、その地図が、夢の中で
どのような扱われ方をしていたかを
思い出してみてください。

どのような状況で、それを見ているのか、
どういった媒体で見ているのか、
オンラインなのか、印刷物なのか、
手書きなのか・・

そして、最も重要なのは、
その地図を眺めながら何を感じていたのか
という ” 個人的な感覚 ” です。

夢の中の地図は、
大抵は何らかの ” 例え ” なのです。

夢の作り手であるあなたは、
それが何の例えかをすでに知っている。

つまり、地図を眺めながら感じている
その感覚は、地図に例えられた ” 何か ”
に対する直接のリアクションです。

感覚だけは、
真の姿を捉えているのです。 

 

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