夢の中の ” 言い知れぬ不快感 ” |言葉で表現出来ない気分

夢の中で表現しようのない不快感を
感じることがあります。

あえて言葉で説明するなら、
針のむしろに座っているような、
イジメの現場を見て見ぬふりするような、
ホラー映画で目を覆いたくなるような
場面を見た時のような、

どんな表現もしっくりと来ない
言い知れぬ不快な気分。

あなたが、もし、そういった不快な感覚を
夢の中で体験したとしたら、それを言葉で
説明することは極めて難しいでしょう。

ただ、それを感じたあなただけが、
どんな感覚だったかを知っているのです。

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目に見える要素

通常、夢占いでは、夢を見た時の登場人物や
場所、振る舞いなど、目に見える要素を
中心に解釈をしていきます。

例えば、夢に登場した馬が
美しい毛並みならば吉兆を暗示し、
それが、暴れ馬ならば騒乱を暗示する
といったような具合に。

こういった目に見える要素から入る
解釈には、一つの問題があります。

つまり、項目に無い状況が夢となった時に
解釈出来ないという問題です。

登場したのが分かりやすい ” 馬 ”
などではなく、架空の動物であったり、
意味不明の物体だったりした場合、
調べようがありません。

また、夢を見た人が何を感じたのか、
という部分に焦点が当たる解釈もあります。

例えば、一羽の鳥が空を飛んでいる。

それが、ポツンと寂しそうに飛んでいれば
” 孤独 ” を表し、のびのびと気持ちよく
飛んでいるように感じれば ” 開放感 ”
を表すといったように。

この場合も、言葉として表せる
分かりやすいものならばよいのですが、
言い表すことの出来ない複雑な感覚
だった場合、もはや、
入力する検索ワードすら思いつきません。

仮に、” 夢 寂しそう ”
” 気分の悪い夢 ” というような
キーワードで検索しても、出てくる結果は、
多分、話が広すぎて要領を得ないでしょう。

言い知れぬ感覚

では、言い知れぬ感覚とは具体的には、
どのようなものか見ていきましょう。
次は、筆者自身が見た夢です。

部屋に太陽の光が差し込んでいる。
綺麗に片付いた窓辺。

一見、何気ない部屋の風景が
夢になっただけのように見えます。

太陽に光が差し込む窓辺。

美しい光景と言えばそうですが、筆者には
その部屋にいることが居たたまれず
苦痛だったのです。

他に登場人物がいたわけでもなく、
何かストーリーがあったわけでもない。

ただ、不協和音を聞いている時のような、
心臓を鷲づかみされているような
不快な雰囲気が部屋中に充満していた。

あまりに不快な夢なので、
目覚めてしまいました。

筆者の感じていた感覚を言葉で説明する
のは難しいですが、あえて言うならば、
事故物件か心霊スポットを訪れたときの
ような感覚とでも言いましょうか。

とにかく、二度と体験したくない感覚です。

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存在しないという ” 存在感 “

この夢のポイントは、やはり、
不快な感覚です。
これが全てを物語っている。

そして、筆者には心当たりがありました。

それは、夢の中では
綺麗に片付いていた窓辺。

実際には、そこに観葉植物が置いてあった
のですが、つい最近、それを枯らして
しまったのです。

筆者が世話を怠ったせいで枯れてしまった
のですが、今思えば、水をやるぐらいの
ことはいつでも出来たはず、

もともと、面倒くさがりの性分なので
植物の世話が後回しになっていたのです。

それも、枯らしたのは、
一度ではありませんでした。

たかだか、観葉植物です。

新しく買い替えればそれでよいわけですが、
潜在意識では植物を粗末に扱った罪悪感、
そして、治らない自分のだらしなさに対する
嫌悪感が混ざり合って、言い知れぬ不快感
となっていた。

それが、今回の夢となった。

夢の中の窓辺は、なぜ、片付いているのか?

” あなたが、また観葉植物を枯らしたから
でしょう。ほら、よく見なさい! ”

潜在意識が筆者に、目を逸らしておきたい
事実を突きつけているのです。

窓辺に差し込む光、
しかし、あるべきものがそこに無い。

存在しないという消去法的演出によって、
その存在感を伝えています。

シグナルとしての性質

植物を枯らしてしまった。

それほど重大な事件ではありませんが、
心の奥底でそれが ” 小さな骨 ” となって
心に引っかかり続ける。絶えずチクチクと
痛みを伴いながら。

例えば、深夜にふと目が覚める。

お風呂場の水道の蛇口をしっかり締めて
いなかったために、ポタポタと音が
しているのが聞こえてきます。

一度、気がつくと、その小さな音が
気になって仕方なくなり、それを無視して
眠ることが出来なくなる。

そして、結局は起き上がり、
蛇口を閉めに行くのです。

朝になるとそれほど、大したことに
思えなくても、夜、布団の中の考え事は
大きく膨らんで、人生における重大な
問題のようにも思えてくる。

夢を見ている時は、この現象と同じことが
起きています。心の声のボリュームが
大きくなっていくのです。

心の中に、たった数ミリの罪悪感があった
として、それ以外に考え事などが無い限り、
その罪悪感にスポットライトが当たる。

そして、私たちの注意を惹きつける。

それが夢の中で、
一粒の水滴が洪水として描かれたリ、
ちょっとした不満が戦争として描かれたリ、

好きな異性に一度、無視されただけで、
人類さえ滅亡させるのです。

筆者の感じた罪悪感は、目覚めている時
には感じ取ることが出来ないほど
小さなものだった。

それが、夢の中でスポットライトを
当てられ、映像として明確に表現された。

ゆえに、この夢の性質は、私たちが
普段気づかないことに気づかせてくれる
シグナルになるのです。

言葉が必要がない世界

今回、筆者が感じた不快な感覚は言葉として
言い表すなら、

植物を枯らした罪悪感と、自己嫌悪だった
わけですが、これは夢を読み解いた後に
ようやく認識できたのです。

夢を見ている最中は、何だか分からないが、
とにかく嫌な感覚という認識しかありませんでした。

潜在意識は、既存の言葉で説明しやすい
ように夢を作ってくれたりはしない。

それが理解しにくい感覚であったとしても、
そのままの形で私たちに投げかけてくる。

” 言葉で理解するな。感じろ ” と、
潜在意識が言っているようにも思えます。

私たちに投げかけられたこの ” 感覚 ” が、
潜在意識からのメッセージそのものなのです。

メッセージと言うと、言葉によるものだ
と思いがちですが、潜在意識とあなた
との間に言葉は必要ないのです。

なぜなら、それは、一人の中で行われる
” 意思の疎通 ” だから。

 

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