見過ごされる ” 心の負荷 “|瞑想している夢

普通、人は、何事も無い時は、
自分自身を見つめ直すという
ことはしないものです。

見つめ直したところで、
それが物質的な豊かさを
提供してくれるわけではない。

ならば、インターネットの
ショッピングサイトで
欲しい物リストをチェックしたり、
ジムで汗を流す方が、まだ、
時間の有効利用だと考える。

現代人は、生活を豊かに
するために忙しいのです。

悠長に、自分を
見つめ直している暇などない。

*

ただ、これだけは言えます。

心は、あなたを支えるために
働き続けている。そして、
いつしか休息を必要とする時は、
必ずやってくる。

それを、無視し続ける
ことは出来ない。

心のメンテナンスは、
いずれは必要になるのです。

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瞑想教室の夢

次は、とある男性の見た
夢の一例です。

どこかのお寺で、
一般の人たちと
瞑想教室に参加している。
 
自分は、一番、端に座り、
足を投げ出してサボっている。
 
向うから警策を持った
お坊さんが静かに歩いてくる。
 
座禅を組んでやり過ごす。
 
お坊さんが通り過ぎると、
再び、足を崩してサボる。

夢の舞台は、架空のお寺で
開かれている一般人が
参加できる瞑想教室
ということになっています。

” 教室には何人ぐらいの方が
参加していましたか? ”

筆者が尋ねると、彼は、
” 10人ぐらい ” と答えます。

そして、とある著名な
政治家が参加者の中に
混じっていたと言います。

その人物は、彼とは
反対側の端に座っていた。

” それ以外に、知人など
知っている顔はありましたか? ”

彼は、政治家以外は、
見知らぬ人とだったと答えます。

*

なぜ、潜在意識は、全ての
登場人物を ” 見知らぬ人 ” に
しなかったのでしょう?

つまり、この夢において、
登場している政治家は、
何か意味があって、
そこにいるわけです。

そして、その政治家は、
最近、スキャンダル報道で
テレビのワイドショーなどで
取り上げられ、度々、批判を
受けていた人物ということで、

彼も、夢の中で政治家を
見かけたときに、

” ああ、スキャンダルの件で
反省するためにこの教室に
参加したのだな ”

と思ったそうです。

一体、この夢は何を
意味しているのでしょう?

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” 普通 ” という罠

夢を解釈する前に、まず、
彼の今の状況を理解しておく
必要があります。

夢の舞台が瞑想教室という
あまり、馴染みの無い場所が、
選択されているということから、
筆者は、彼の中に、何か、
自身を見つめ直したい心理が
あるのではないかと思いました。

そこで、最近、ストレスに
感じていることが無いか
尋ねてみたのです。

彼は、次のように答えます。

” 通常運転だと思う ”

つまり、何事も無い、至って
普通の状態だと言うのです。

*

この ” 普通の状態 ” という
言葉には、注意が必要です。

そもそも ” 普通 ” とは
何でしょう?

例えば、職場のトイレの
衛生状態が悪いとしましょう。

そこで働く社員は、それに
不満を持っている。

しかし、そればかりを
気にしていては仕事になりませんから、
ある程度、我慢をします。

やがて、会社のトイレの
衛生状態が悪いのは、
彼らにとって ” 普通のこと ”
になってしまう。

*

仕事やプライベートで何らかの
問題を抱えていたとしても、
それが慢性化し、変化の無い日常
の一つになると、その人にとっては、
” いつものこと ” という
認識になっていく。

そもそも、何一つ悩みの無い
大人などいるのでしょうか?

そして、” 普通 ” として
片づけられてしまった
見過ごされた問題意識は、確実に
心に負担をかけ続けるのです。

それが、ある一定の限界を
越えると夢に表れるようになる。

彼の答えた
” 通常運転 ” という表現。

筆者は、その ” 通常 ” とは、
どういった意味の通常なのか、
それを知る必要があったのです。

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忘れていた ” 何でもないこと “

” 瞑想教室というものに
参加したことはありますか? ”

彼は、参加したことは無いが、
興味があって、インターネットで
検索したことは何度かあると答えます。

なぜ、それを検索していたのか、
その理由を尋ねると、彼の話した
経緯は次のようなものでした。

最近、自分の生活習慣に
乱れを感じ始めていたと言います。

不規則な食事や睡眠、やる気も
起こらずにダラダラとした生活が、
このところずっと続いており、
今月に入ってから、立て続けに
会社を遅刻をして、上司に
怒られてしまった。

自分でも ” 気の緩み ” を実感し、
メンタルを強くするための
情報を探している時に、
” 瞑想 ” というキーワードに
行き当たったということです。

それから、行けそうな距離に
瞑想教室が無いか調べたが、
見つからないまま、その時は諦めた。

*

彼は、筆者に質問をされて、
一週間ほど前にインターネットで
瞑想について検索したことを
思い出したようでした。

それはまでは、全く、
今回の夢と、その出来事が
繋がっていることに
気づかなかったと言います。

確かに、一週間前に自分が、
インターネットで何を
検索したかなど、普通なら、
誰も覚えていないでしょう。

彼にとっては、その出来事は、
忘れていた ” 何でもないこと ”
だったのです。

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政治家という囮

彼から経緯を聞くと、
この夢が何を意味しているのか
見えてきます。

つまり、夢の中で瞑想教室に
参加しているのは、
自分の中の ” 気の緩み ”
を正そうとしている。

しかし、夢の中の彼の態度は、
少々、問題ありです。

警策 ( 肩を叩くときに使う棒 )
を持ってお坊さんが、前を横切る
ときだけ座禅を組んで、
通り過ぎると、再び足を投げ出す。

気持ちを引き締めたいという
潜在意識の思惑とは裏腹に、
彼の中の ” 怠けたい ”
” ダラついていたい ” という
抜けきれていない甘えが、
この場面に表れている。

*

そして、
教室に参加する著名な政治家。

この夢の文脈から察するに、
スキャンダルを起こした
政治家が瞑想教室に参加
している意味は、

政治家の汚職に比べれば、
彼自身の ” 気の緩み ” は、
何でもない小さな事として、
片づけることが出来ます。

彼は、問題を起こした政治家を
登場させることで、自分自身の
気の緩みを目立たなく
しようとしている。

” 本当に反省が必要なのは、
あの政治家の方でしょ。
俺は、まだいい方さ ”

真面目に反省しなくてもよい
都合のよい状況を演出として
取り入れています。

一方、自身を戒めようとする心が、
警策を持って、生徒の前を
巡回するお坊さんとして、
登場しています。

この夢は、彼の中の
自身を戒めようとする心と
それをやり過ごしたい怠け心が、
折り合いをつけるために作られた。

足を崩してサボっていたとしても、
一応は、瞑想教室に参加したこと
にはなりますし、お坊さんに
肩を叩かれなければ真面目な
参加者を演じたことになります。

つまり、サボりながら、
改心も出来たという都合の良い
状況を描いている。

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見過ごされるシグナル

慢性的な悩みを抱えている場合、
心は、常に、そればかりに
囚われているわけにはいきません。

日常生活を送り続けるために、
その状態に順応して、
徐々に慣れていきます。

しかし、心の負荷が
完全に消え去るわけではなく、
やはり、どこかですっきりしない
感覚として蓄積していくのです。

それは、日々の生活習慣や、
人生観、価値観といったものに
土に浸透する水のように
しみ込んでいく。

例えば、
” 現実は厳しいもんさ ”
” どうせ、そんなもんでしょ ”
” それが普通さ ”

というネガティブな考えで
抱えている問題を一時的に
処理することは出来ます。

しかし、その考えは、何かに
チャレンジしようとする勇気を削ぎ、
自身を制限していくのです。

そして、ある時、こう思う。

” なぜ、いつも
上手くいかないんだろう? ”

歪の原因は特定できません。

なぜなら、見過ごしてしまうほど、
小さな負荷が、長年、心に
積み重なっていった結果なのです。

いつから始まった
ことなのかも分からない。

*

今回のケースでは、彼が
感じていた ” 気の緩み ” を
戒めようとして夢が作られています。

この夢を今までどおり、
” 何でもないこと。ただの夢さ ”
と片づけてしまうことは出来る。

また、自分自身を見つめなおす
一つのきっかけにすることも出来る。

夢は、知らず知らずのうちに
私たちの中に蓄積されていく
” 心の負荷 ” に気づくきっかけを
与えてくれます。

それが、体調の変化や、
実際に生活に支障をきたす
レベルになるよりも
ずっと前にから、シグナルを
送り続けているのです。

その小さなシグナルに
気づくか、どうか、

そして、それに対して
どう答えるかは、結局、
夢を見た本人次第なのです。

 

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