夢を読み解くという作業に
向いている人と、向いていない人
というのはあります。
と言っても、それは
生まれ持った才能というよりは、
その人の考え方による違い、
と言った方がよいかもしれません。
誰でも自分の発する言葉が
理解できるのと同様、自身から
生まれ出た夢を解釈するために
特別な能力は必要ないのです。
言わば、夢とはあなたの
内側から発せられた ” 言葉 ” です。
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考え方の違いとは?
さて、考え方の違いとは、
一体どういうことでしょう?
一つは、内面的、精神的なことに
関心を持っているか、いないか、
ということです。
例えば、
” 自身の心を見つめる ” と言われて、
” 見つめることが何の役に立つの? ”
と答える人は、明らかに
自分の欲しがっている ” 答え ” が
自身の中にあるとは思っていないわけ
ですから夢の世界からは遠い人です。
そして、こういった人は、
とても合理的です。
物事に優先順位をつけ、
時間を節約し、コストや
リターンで何をすべきかを選択する。
形に残らないもの利益にならないことに
時間を浪費することをとても嫌う。
まさに、現代人です。
なので、現代では実用的価値が
あまり期待できない ” 夢 ” に
関心を持つ人は少数です。
そもそも、彼らがこのような記事を
目にすることもないでしょう。
*
もう一つは、” 核 ” を持っているか、
いないか、ということです。
つまり、” オリジナルの考え ”
のようなものです。
例えば、知識が豊富な人に
何かを尋ねてみると、
あらゆることに答えてくれるでしょう。
脳というデータベースから、
適切な知識を取り出してそれを教えてくれる。
しかし、それは誰かの考えであって、
自分のではない。
例え、それが世に認められた学説に比べて、
浅はかな考えであっても、自説を
持っている人の方が夢の世界に近い。
なぜなら、自説があるということは、
従来の常識に疑問を持てる柔軟性が
あるからです。
無論、知識が豊富で、かつ、
自分の考えを持っている有能な人もいます。
*
スピリチュアリズム否定派の人々の中には、
鼻からそういった話を信じない人もいます。
自分の考えを持ち、物事を簡単には
鵜呑みにしないわけですから、
ある意味、夢の世界とは相性があります。
ただ、その否定の根拠が
自分の考えではなく、世間一般の常識や
インターネット情報だった場合は、
また、話が変わってきます。
” 常識 ” という誰かの考えを
鵜呑みにしているわけですから。
こういった人は、よく当たる占い師に
占ってもらい、それが的中したりすると
熱心な信者になったりする。
一度受け入れたものを
とことん信じてしまうのです。
*
夢とは、人の ” 核 ” です。
” 核 ” を理解するには、
やはり、” 核 ” によって、
向き合わなければならない。
誰かが考えたコンセプトをはめ込んで
理解するわけにはいかないのです。
つまり、あなたの見た夢を理解するためには、
あなた自身の考えが必要だということです。
世間に周知されている常識ではなく。
最後の条件
それから最後に一つ、自分を許せるか、どうか、
これは、極めて重要です。
自分の中には様々な顔があります。
その中に
” 認めたくない顔 ” がある。
誰にでも、一つや二つ必ずあるのです。
” 認めたくない顔 ” を
客観的に見つめることが出来る。
その顔が自分の中にあることを
許すことが出来る人は、
夢の世界とは相性がいいかもしれません。
では、具体例で説明しましょう。
*
次は、夢の一例です。
友人の結婚式の招待状が届く。
日時と場所の部分が
破られていて分からない。
友人に電話して確認しようとするが、
携帯のバッテリー切れで
連絡を取ることができない。
この夢を見た女性は、友人が近々
結婚する予定であることは
すでに知っていましたが、
式の日取りが未定の状況でした。
夢の内容から言えば、
彼女は明らかに友人の結婚式に
出席するのを拒んでいます。
日取りが分からない、そして、
連絡がつかないことを言い訳にして
式に出席しなくても済む状況を
夢の中であえて再現している。
彼女の中に、友人の結婚に関して、
素直に祝福出来ない気持ちが
あるのかもしれません。
例えば、先を越されたという妬み、
もしくは、自分のことで手が一杯で
友人の幸せにそもそも関心が無い。
何らかの理由によって
この夢は作られています。
二つのリアクション
ここで、この夢の解釈に対する
受け止め方に二つのリアクション
があると思います。
一つは、
” ああ、確かに、
自分には、そういう冷たい所ある ”
と素直に自分の嫌な部分を
客観的に認めることが出来る人。
もう一つは、
” 自分が、そんなことを思っているはずはない ”
と心の奥底に潜む ” 闇 ”
に目を向けず無視してしまう人。
後者タイプの人は比較的善悪の観念が強く、
良い事と悪い事の明確な基準が
頭の中にある人です。
簡単に言えば、
白黒をはっきりさせたがる人。
実は、こういった実直なタイプの人は、
夢を読み解く上でその善悪の観念が
障害になってしまうので相性が悪いのです。
実直であるがゆえに、
心の深い部分にある自分の違った側面、
曖昧な側面を認めることが出来ない。
これは、先ほど述べた ” 核 ”
にも似ていますが、考えというより
主義と言うべきでしょうか。
考えることに善悪は関係ありません。
*
とは言え、
誰にでも善悪の観念はありますし、
日々、それに従って日常を送っている。
無論、筆者もそうです。
善悪の観念を取り去るべきと
主張しているわけではないのです。
ただ、心を客観視する時に
善悪は無用と言っているだけです。
また、心に闇があったとして、
それをわざわざ公言する必要もありませんし、
心の中にこっそりしまっておけばいいだけです。
そもそも、夢解釈とは自己完結する作業、
誰かに知らせる必要はありません。
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心の中に飼っている悪魔
生まれてこの方、何一つ罪を犯さずに
生きてきた聖人のような人など、
いるのでしょうか?
誰でも人を傷つけた経験は、
一つや二つ・・ いや、
もっと多くあるでしょう。
” ああ、あれは
言わない方が良かったかな・・ ”
” あの一件は完全に自分が悪かった ”
” もうちょっと大人になるべきだった・・ ”
筆者にも覚えがあります。
それを思い出すと心を掻きむしられる
ような嫌な気分になるのです。
*
どんな人も
心の中に小さな悪魔を飼っている。
ただ、この悪魔は映画に
出てくるような怖い存在ではなく、
不満があれば正直に文句を言いますし、
何か失敗すると言い訳をする。
怠けたいと思えば、
その場で寝そべってゴロゴロします。
自分のことしか考えておらず、
小さなことですぐに腹を立て癇癪を起す。
自由奔放で気まま、
本心で生きている子供のような存在です。
この心の中の小さな悪魔を鍵のかかった
箱にギュウギュウに詰め込んで、
” 私の心には悪魔なんていない ”
と否定しながら生きていると、
箱の中から声が聞こえるのです。
” 息が出来ない。
今すぐ箱から出してくれ! ”
心の中から聞こえる悲鳴。
これが、いわゆる ” 悪夢 ” になるのです。
夢を読み解く資質
さて、今回は夢を読み解く資質について
書いていきましたが、
それほど
堅苦しく考える必要はないと思います。
実際、夢に関心があるという時点で
十分資質はあるのです。
なので、今、これを読んでいる
あなたは間違いなく ” 向いている人 ” です。
夢を読み解くための才能など、
最初から存在しないのです。
洞察力や観察力、それらが
あったに越したことはありませんが、
それは夢を読み解く上で必須の能力ではない。
依頼者の中には、直感的に
夢の意味を理解している人もいます。
多分、筆者が横からあれこれ
解説しようとしまいと、
彼らは正しいメッセージを受け取り、
自ら正しき道を選択していくでしょう。
それでいいのです。
そもそも、潜在意識はあなたに
分析を求めているわけではなく、
感じてほしくて夢を作っているのですから。
理論的に説明できるかどうかなど、
潜在意識とっては、
どうでもよいことなのです。
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