夢の中の ” 恐怖感 “|扉の向こう側に何がある?

誰でも、悪夢を見ます。

幽霊や怪物に追われる夢、交通事故や
病気など、自分や家族に悲劇が起こる夢、
災害の夢、不吉な動物、場所、
目を背けたくなるシチュエーションの数々。

また、夢の中ではこれといって何かが
起こったわけではないが、なぜか、
言い知れぬ恐怖感だけがあるという
感覚的な夢もあります。

もし、幽霊が登場する夢を見たとして、
真っ先に頭に浮かぶのは、、実際に
霊的存在が夢に関与しているのではないか?
ということです。

もしかしたら、
そう主張するスピリチュアリストもいるかも
しれませんが、ここでは、もう少し現実的な
視点で悪夢について考えてみたいと思います。

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開かずの扉

夢とは、それを見ている本人の潜在意識
によって作られます。つまり、悪夢も
自分自身によって作り出されるのです。

ゆえに、どんなホラー映画を観ても
平気でいられる人でさえ、
自分で作り出す悪夢には耐えられない。

なぜなら、潜在意識は自分が何を
最も恐れているかを知っているからです。

さて、悪夢が自身によって作り出されるもの
ならば、一つの疑問が浮かびます。

” なぜ、自分を恐怖に陥れる夢を作るのか? ”

確かに、悪夢を作ることは自ら自分の首を
絞めているようなものです。そもそも、
悪夢を見たくなければ初めから作らなければいい。

次は、とある女性が見た夢の一例です。

見知らぬ建物にいる。
 
薄暗く長い廊下の一番奥に扉がある。
それを遠くから眺めている。

内容としては、廊下の突き当りに扉がある
というだけで、特に怖い要素はありません。
しかし、この夢を見た女性は、その扉から
言い知れぬ恐怖を感じたと言います。

つまり、彼女にとって、
それは ” 開かずの扉 ” だったのです。

” 扉の向こうには、
何があったと思いますか? ”

筆者は彼女に尋ねました。

彼女いわく、具体的には説明出来ないが、
多分、扉を開ければ、一生後悔するほどの
悲惨な光景を見ることになると感じたそうです。

そして、恐怖感のあまり
ドアに近づくのを躊躇っていた。

つまり、彼女は夢の中で、
その扉を開けようとしているのです。

無論、筆者も思いました。
嫌ならば、扉から離れて逃げ出せばよいと。
もっと言うなら、そもそも、このような夢を
作らなければよいのです。

しかし、彼女は見たくも無い夢を作り、
開けたくも無い扉を開けようとしている。

なぜでしょう?

10mという距離の意味

先ほど、夢は、それを見ている本人が
作っていると言いました。
つまり、長い廊下の先に ” 開かずの扉 ” を
設置したのは彼女自身です。

また、扉の向こう側にどんな光景がある
にせよ、それらも彼女の手による演出なのです。

そして、その扉を遠くから眺めてるだけで
夢が終わっている。

筆者は尋ねます。

” 廊下の長さは、どれぐらいでしたか? ”

” 10mぐらい ” と彼女は答えます。

この距離も彼女が設定した長さです。

もし、扉を見ることさえ出来ない
というなら、夢の作り手である彼女は
地平線の彼方にそれを置くことも出来るわけです。

あえて、少し歩けばドアノブに手をかける
ことが出来る距離にそれを置いている。

彼女は、いずれ、その扉を開くことになる
でしょう。もしかしたら、次に見る夢が
そうかもしれません。

10mという距離は、そのタイミングが、
すぐ目の前まで来ているが、今ではない
ということを表しています。

さて、この夢を見た時点では、
扉の向こうには何もありません。

彼女が扉を開く場面を描かなかったのは、
この夢で開くつもりが無かったからです。

だから、扉の向こうの光景を
まだ、作っていないのです。

それは、丁度、
舞台劇のセットの裏側のような状態。

もし、扉を開けた時に、そこに彼女が
想像したとおりの ” 一生後悔するほどの景色 ”
を見たならば、それは扉の向こうに最初から
あったのでなく、

扉を開けた瞬間、もしくは、開ける寸前に、
まさしく彼女自身が ” 想像 ” した景色が
後付けで用意される。

そして、用意されるのは、あくまで
” 景色 ” であって、恐怖感そのものが
用意されるわけではない。

つまり、恐怖感は最初から存在している。
それに合わせる形で景色は作られるのです。

では、恐怖感とは、
一体、何に対するものなのでしょう?

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地雷

彼女を恐怖に陥れた ” 開かずの扉 ” の
向こうには、いずれ向き合って対決
しなければならない ” 何か ” があるのでしょう。

その ” 何か ” とは?
それは、この夢には描かれていません。

ただ、人は、様々な秘密や不安を抱えながら
生きています。

目を反らしたくなるような自分の
嫌いな部分、耳を塞ぎたくなるような
不都合な事実、過去の行い、罪、
口が裂けても絶対に誰にも言えないこと、
考えたくもないこと。

誰しも、心の奥底にある地下室に
秘密を閉じ込めて扉に鍵をかけている。

筆者は、セッションの間、彼女の秘密
については、あえて触れませんでした。

それに触れることは彼女を傷つける
” 地雷 ” になりうるからです。

今となっては、彼女が何を抱えていたのかは
分かりません。

ただ、生きていく中、人は成長するために
時に鍵を開けて自分を見つめ直す機会が
やってくるのです。

彼女の潜在意識は、不都合なものと
向き合わなければならない機会が、間近に
迫っていることを夢として伝えています。

彼女の感じていた言い知れぬ恐怖感とは、
一体、何だったのか?

それは、ずっと前に地下室に閉じ込めた
” 大嫌いなもう一人の自分 ”
と再会しなければならないプレッシャー
だったのかもしれません。

もしくは、過去の過ちを清算するために、
これまで目を背けてきた黒く汚れた
古いアルバムを開かなければならない
嫌悪感だったのかもしれない。

もし、彼女が夢の中で扉を開けることが
出来たなら、事実を受け止める心の準備が
整ったということなのでしょう。

痛みの先にあるもの

潜在意識は、時に自分を苦しめるような
ストーリーを描きます。

それは、病気を治療するために注射針を
腕に刺すときの ” 痛み ” のようなものです。

突き刺す針の大きさも大きければ、
それだけの効果を得られるのです。

そう言った意味で ” 悪夢 ” は、
自分の内面を見つめ直す機会の訪れであり、
心の成長に必要なプロセスとも言えるかも
しれません。

” 痛み ” を越えたその先には、
必ず ” 救い ” があります。

救いの無い痛みだけが
夢に描かれることはない。

なぜなら、それを作っているのは、
あなた自身なのだから。

それは、あなたが前進するために必要とした
意味のある ” 痛み ” なのです。
 

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