メリットを求め続けること|人生における価値とは?

夢を読み解くことで、どんなメリットが
あるのでしょう?

夢に限らず、どんなことにも言えること
ですが、忙しい現代人にとって、メリット
があるのか、無いのか、という疑問は
常に気になる点です。

大きなメリットがあるというなら、
人生の貴重な時間を使ってもいい。しかし、
大したメリットが無いというのであれば、
無駄な行為を続けることに意味は
ありません。もっと有益なことに時間を
使うべきでしょう。

・・ああ、そうですね。

記事を読んでいる時間が無いと言うなら、
先に結論を述べておきましょう。
夢を読み解くことに、
メリットはありません。何も・・

今回は、現代人が常に追い求めている
” メリット ” について考えてみましょう。

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メリットだけを追求する世界

多分、冒頭を軽く流し読みして、
ページから離脱された方も多いでしょう。

今、この一文を読んでいるということは、
” 時間的ゆとりのある人 ” という想定で
話を進めていきたいと思います。

さて、1分以内に離脱していった人々の
マインドについて考えてみましょう。

時間に追われる現代人がネット検索で
情報を求める時に考えることとは、
多分、次のようなことでしょう。

1分で理解出来なければ、そこで時間を
潰すよりも、もっと分かりやすい解説が
載ったウェブサイトに行けばよい。
情報など、どこにでも転がっているはず・・

ただ、この考えは特定の分野について
だけ有効なマインドです。

それがスマホ操作に関する情報とか、
健康に関すること、お金に関すること、
政治に関することなど、多くの人が関心を
持ち、常に検索される情報であれば、
それだけニーズがあるということですから、
無論、ウェブサイト側もページビューを
獲得するために多くの情報を提供しよう
とする。単純な市場原理です。

しかし、ニッチな分野、例えば、極めて
稀な難病の情報を検索しようとすると、
もはや、学会に提出された専門用語ばかり
の論文ぐらいしか求める情報が無い
といった状況が起こります。

また、クエン酸の健康効果について解説
するウェブサイトはいくつもありますが、
クエン酸が健康効果を発揮するその
メカニズムまでを詳しく解説するサイトは
ほとんどありません。

では、ウェブサイト側のマインドについて
考えてみましょう。

ニッチなニーズに答えられる情報を提供
するには、まずはその専門的な知識が
必要になります。
無論、そこには学習コストがかかる。

仮に、知識を習得したところで、ほとんど
検索されない情報を提供することに
ウェブサイト側にとってメリットは
ありません。彼らもビジネスとして運営
しているわけですから。

ニッチな分野を開拓するウェブサイトも
ありますが、それが広告収益に支えられて
いる限り、結局のところ、ビジネスとして
成立するギリギリの線を攻めているに
過ぎない。

このメリットを求め続ける消費者と、
メリットを追求するウェブサイトによって
作られる世界とは、次のようなものです。

ウェブサイト側は、初めて来た訪問者でも、
すぐに理解できる範囲の浅い情報しか
提供しなくなる。なぜなら、簡単には
理解出来ない深い情報に需要が無いから。

ある意味、インターネットで得られる情報
の多くは、本で言うならば粗筋や序章の
ようなものです。

1分間隔であちこちに飛び回って、
ネット情報をかき集めたところで、それは
いくつかの本の序章だけを読み漁っている
状態に近い。要するに ” 付け焼刃 ” です。

つまり、忙しい現代人の多くは、豊富な
知識を持ってはいるが、その一つ一つに
深い知見を持っていないという状態です。

SNSを観察すれば、知識だけが豊富で
知見を持たない人々が、表面的な部分だけ
を見て、誰かを批判しているのを見ること
が出来るでしょう。

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そもそも ” メリット ” とは?

冒頭では ” メリットが無い ” と言いました。

その人が1分で理解できる解説を求めている
とするなら、夢解釈は、その浅いレイヤー
にメリットが存在しないという意味です。

つまり、より深く探求することで、ようやく
メリットと言えるものが見えてくる。

それは、日記を書くことや、瞑想を習慣に
することと似ています。一日だけ日記を
つけても何も変化は無いでしょう。
瞑想についても、1分だけ瞑想して得られる
効果は微々たるものです。

自己観察、内省が習慣になれば、そこから
” 気づき ” を得ることもあるでしょう。

その ” 気づき ” をどうするかは、その後の
本人の行動次第です。それを人生の糧に
することも、全く無意味だと切り捨てて
しまうことも出来る。

目先の利益だけを求める人々にとっては、
神託ですら、老人の小言に聞こえるでしょう。

筆者にとっては夢を読み解くことは、
メリットと言えます。自身のメンタルの
状態を把握することで、今、自分に何が
必要か、何をすべきかを知る手がかりに
なるから。

また、その人が何を期待するかによって、
” メリット ” の定義は変わってきます。

例えば、ハイスペックPCがあったとして、
単にメールやインターネットをする
だけなら、” ハイスペック ” に大した
メリットはありません。

しかし、3Dグラフィックソフトで大量に
レンダリング処理を行うというなら、
ハイスペックであることは大きな
アドバンテージになる。

ただし、3Dグラフィックソフトを操作する
スキルが無ければ、ハイスペックPCを
持っている意味はない。

要するに、メリットを求め続ける人が
陥りがちなのは、実際、求めている
メリットがハイスペックな ” 何か ” で
ありながら、それを探すアプローチが
1分毎にサイトをジャンプするという
浅いレイヤーだけに留まっていることです。

深いレイヤーに存在するメリットを得る
ためには、それなりのスキルを持つことが
必要であり、それが無ければ、メリットを
認識することすらできない。

それは、再生資源と同じです。再生技術
のある企業にとっては、それは ” 資源 ”
ですが、技術の無い企業にとっては、
単なる ” ゴミ ” です。

つまり、” メリットが無い ” として切り捨て
られた情報の多くは、メリットが無かった
のではなく、メリットに転換する発想、
より深いレイヤーでそれを抽出する技術が
その人に無かったから、と言うことも
出来る。

そもそも ” メリット ” とは何か?

それは、現時点でその人にとって利益に
なる何かであり、それ以外は、再生活用
出来なかった廃棄物です。

その人が何のスキルも持たなかったと
すれば、享受できるメリットは少ない。
また、より大きなメリットを求めるなら、
それに応じたスキルが必要になる。

ここに、メリットを追求することの ” 罠 ”
があります。

スキルを持たない人にとって深いレイヤー
に存在するメリットを認識することが
出来ない。” これって何の役に立つの? ”
という状態です。

メリットを追求する人は、メリットが無い
としてそれを切り捨てるわけですが、
結果、現時点で認識できるメリットだけを
選択することになります。そして、スキル
を身に着ける努力を避けるようになる。

なぜなら、メリットになるかどうか分から
ないから。先行投資が必要なメリットは
常に過小評価されがちです。彼らにとって
それは、” 時間の無駄 ” にしか見えない。

つまり、メリットに固執し過ぎると、
全体で得られるメリットの総量は少なくなる。

私たちは、自身にとってメリットがあるか
無いかを判断するときに、対象を観察
します。企業面接なら、面接官が就職希望
する若者を。婚活アプリなら、相手の
プロフィールや写真を。

でも、自分自身の判断力について疑うと
いったことはありません。そして、
多くの ” メリット ” を見逃している。

行動の源

さて、先ほどは、より多くのメリットを
得るためには、メリットに拘り過ぎては
いけないと言いましたが、このマインドも、
結局はメリットを追求した考え方です。
目先の利益だけを追求するよりは、合理的
というだけで。

筆者はメリットだけを求めて、夢について
探求しているわけではないということを
一応、話しておいた方がよいでしょう。

人は、メリットが無いと分かっていても
探求することがあります。例えば、宇宙に
ついて探求する。人類の発展のためには
価値ある研究かもしれませんが、多分、
研究をする科学者自身が生きているうちに
その恩恵を受けることはないでしょう。

論文が評価されて名誉を得るためだけに
研究をしているというなら、もっと
割が良くて評価されやすい分野を研究
すればいい。

” 宇宙の起源とは? ”
” ブラックホールの正体とは? ”
そんなことが分かったから、一体、
何の役に立つのでしょう?

メリットを求める行為も同じです。
私たちは何のためにメリットを求める
のでしょう?

人は人生において様々なことをします。
仕事で良い業績を収めることや、
結婚して家庭を作ること、お金を稼ぐこと、
車を買うこと、ゲームで勝つこと、

その全てに何の意味があるのでしょう?

それが実現したからといって、それから
どうなるのでしょう?

評価されたい。安心を得たい。
誰かに勝ちたい。束縛から逃れたい。
愛されたい。世界を平和にしたい。
貧しい人々を救いたい。自然を守りたい。

全ての動機は ” 衝動 ” から始まる。

そして、その為に ” 人生 ” という膨大な
労力と時間を使って、それを成し遂げ
ようとする。その中でメリットがあるか
無いかという評価軸が生まれる。

筆者が夢を探求する理由は、単なる
” 好奇心 ” という衝動からです。

メリットとして最も分かりやすい指標は、
” お金 ” でしょう。

お金を稼ぐことがメリットだと考えた場合、
お金は何かを得るためのチケットですから、
実際、価値を持たない。何かと交換出来る
から価値があるわけで。

しかし、世の中には、お金を貯めることが
生き甲斐になっている人もいます。

彼らが目標にしているのは何かを買いたい
と思った時、すぐに使える十分なお金、
言い変えるなら ” 選択の自由 ” を担保
したがっているだけです。

それも結局、制限や束縛から逃れたい
というある種の ” 衝動 ” でしかない。

メリットとは、結局、喉の渇きを癒す水を
得るための手段に過ぎない。

炭酸ジュースが一本あれば、喉の渇きは
癒せるでしょう。それを毎日飲めるように、
常に1ダース分のジュースを冷蔵庫に保管
しておくことに意味はあるでしょうか?

メリットを求め続けること、
常に合理化し多くを求め続けることは、
返って余計な時間と労力の浪費を生む。

お金持ちが使う予定の無い資産を守る
ために節税対策に頭を悩ませているように。

企業が売れもしない商品の在庫を大量に
抱えて経営を圧迫してしまうように。

着ることのない服を買い続け、
クローゼットを占領してしまうように。

重要なのは ” メリット ” ではなく、自身の
” 衝動 ” を客観視点で捉えることです。
そして、本当に自身が求めていることを
見極める。

それは、コップ一杯の水で満たされる
” 渇き ” だったとしたら・・

メリットだと信じ込んで膨大なエネルギー
を注いできたものが、実は、どうでも
よいことだったとしたら・・

人生は、もっとシンプルなのかも
しれません。

 

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