” 心のブレーキ ” と夢|自分では自覚出来ないこと

” リミッター ” とは、電気機器などで
エネルギー出力を抑制するための装置です。

よくスピリチュアル系の書籍でも
自身の心や能力を抑制してしまい
自由な生き方が出来ない原因という意味で、
この ” リミッター ” という言葉が
使われることがあります。

もしくは、” 心のブレーキ ”
と呼ばれることもある。

それは、無意識レベルで
前に進もうとしている自分に
ストップをかけている状態。

自分ではそのつもりは無いと思っていても、
行動を起こそうという時に、
なぜかブレーキがかかる。

例えば、幸せを願いながらも
いつまでもそれをつかむことが
出来ない人に向けて、

” 深層心理ではあなた自身が
幸せを受け入れようとしていない。
無意識にブレーキをかけているからだ ”
と言ったりします。

果たして、このリミッターと呼ばれるものは
本当に存在するのでしょうか?

幸せを望みながらそれが実現しないのは、
自分自身が無意識に足を引っ張っている
からなのでしょうか?

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二人の距離感

次は、とある女性の見た夢の一例です。

恋人とドライブをしている。
 
彼は運転しながら、
左手で自分の手を握ろうとしてくる。
 
その度に、対向車線の車が
クラクションを鳴らすので
彼の左手はハンドルに戻ってしまう。

運転席に座っていた男性は、
現在、交際中の恋人だと言うことです。

彼女は自分から積極的にアプローチをして、
ようやく彼の心を射止めたわけですが、
この夢を見る限り、彼を受け入れる準備が、
まだ、整っていないようにも見えます。

夢を作ったのは彼女自身なので、
無論、夢の中の恋人に何をさせるかも
彼女が決めているのです。

つまり、彼女は夢の中で恋人に
自分の手を握らせようとしている。

恋愛には積極的だと言う彼女なら、
そのような回りくどい演出をせずに
自分から手を握りにいくことも
出来たはずです。

しかし、夢の中ではそうなっていない。

*

彼女は、夢の中で
次のように思ったそうです。

” 彼がハンドルを握っていたので隙が無かった ”

そうです。

ゆえに、彼女の潜在意識は
” ドライブデート ” という
シチュエーションを選んだのです。

運転中、二人はシートベルトを着用して、
座席に座っていなければならない。

出来ることは会話のみに限られます。

この座席に拘束された状態は、
ある意味、現在の彼女にとって
都合の良い状況を作り出している。

つまり、彼女は彼と一定の距離を
保とうとしている。

いわゆる ” 心のブレーキ ” を
かけている状態です。

無意識レベルと心当たり

彼女の心のブレーキは、彼が手を握ろうとすると
対向車のクラクションにより、動作が寸断
してしまうという部分にも表れています。

クラクションの演出を
入れているのも彼女自身です。

ただ、手を握らせようとしているのも
彼女自身なので、一見、
矛盾しているように見えます。

彼女の中に距離を縮めたいという
気持ちがある反面、それに対して
尻込みしている気持ちがあり、
それが ” 葛藤 ” として夢に描かれている。

さて、この夢を見る限り、彼女は
無意識レベルでブレーキペダルを踏んでいる。

それは無意識レベルですから、
彼女自身はその自覚が無いはず・・

ところが、筆者が夢の解釈を伝えると、
彼女は ” 思い当たる節がある ” と言います。

恋愛には積極的だが、ある程度まで進むと
それ以上の関係を望んでいない自分がいる
ということは以前から分かっていたと。

つまり、この夢に描かれていることは、
すでに自覚されたものだったのです。

*

筆者は多くの夢を観察してきましたが、
無意識レベル、つまり、自覚出来ない
” 心のブレーキ ” は存在しないと考えています。

なぜなら、夢の解釈が的を得ているのか、
的外れなのかを判定する唯一の方法が、
夢を見た本人の ” 心当たり ” だからです。

逆に言えば、自覚出来ているから
夢が作られるわけです。

( ただし ” 心当たり ” には、
未来を含む特殊なケースもありますが )

大抵は、夢の意味を悟った時に、
” ああ、結局、そのことか ”
という過去の記憶を思い出すような
腑に落ちる感覚があります。

夢は宇宙の神秘と繋がっているといった
壮大なスケールに裏打ちされた創造物ではなく、
もっと身近で現実的なことを伝えます。

例えば、対象者が宇宙からのメッセージを
受け取りたがっていると言うなら、
潜在意識は神や宇宙人を
キャスティングするでしょう。

それは宇宙からのメッセージというより、
神秘的なものに惹かれている
その人の心理を描いているだけです。

多分、夢を見た本人は
胸に手を当てれば分るでしょう。

自分が神秘的な存在から、
メッセージを欲しがっているということを。

潜在意識は願望を叶えただけです。

なぜ、自身の行動に
ブレーキをかけているのか?

誰もが何となく察しがついている。

夢を見た直後に忘れているということは
あるかも知れませんが、
大抵は ” 自覚済み ” です。

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探し物がどこにあるか?

幸せになりたいのに、
なかなか幸せになれない。

それは、無意識レベルで
心のブレーキを踏んでいるせいだ・・

自分のどこが、いけないんだろう・・?

もし、自分にこのような問いかけを
しているとしたら、そして、
その原因に全く身に覚えがないとしたら、

そのような ” 心のブレーキ ” は、
初めから存在しない。

元々、存在しないブレーキや
リミッターを外すことは出来ません。

考えてみてください。

自身の足がブレーキベダルを踏んでいるか
どうかさえ分からないとすれば、
そんな状態で果たして自分の望む人生を
作っていけるでしょうか?

もし、自分がブレーキをかけている
理由が分からないというのなら、
何を修正すべきかも分からないということです。

*

自覚された問題意識は必ずある。

” 無意識レベル ” とか ” 心のブレーキ ”
という自覚出来ない範囲に答えは無いのです。

答えは、あなたの最も近く、
そして、よく知っている場所にある。

もし、見当たらないというなら、
遠くを眺め過ぎて足元を見過ごしているのです。

まさに、潜在意識は、あなたの
見過ごしていることを夢にして伝えている。

小さな子供が画用紙に落書きをしている最中、
お尻の下のクレヨンを一生懸命探しまわっている。

私たち大人も理論的に行動しているように見えて
同じことをしています。

お金や時間を浪費したり、
遠くの存在ばかりを追いかけたり、
隣人と自分の人生を比べたり、
そして、誰もが何となく思っている。

” 何か違う・・ ”

お尻を上げてみてください。

きっと失くしたはずのクレヨンが
見つかるはずです。

 

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