夢における建物の役割|夢の中の ” 公共施設 “

病院や刑務所、裁判所、
図書館、美術館など、
公共の施設が夢の舞台
となるケース。

これら、公共施設には、
それぞれ特徴があります。

例えば、刑務所ならば、
罪を償う場所、
閉鎖的で不自由な場所、
図書館なら、学習する場所、
私語を慎む場所というように
その施設特有の機能やルールなど。

*

潜在意識は、夢を作るとき、
舞台設定をどこにするかを
選ぶわけですが、それは
無論、意図された選択です。

なぜ、その建物を
わざわざ舞台にしたのか?

夢の舞台が何らかの施設だった場合、
その建物がどんな役割を
果たすかを考えてみましょう。

それが、夢を読み解く
ヒントになることがあります。

また、厳密な意味での
” 公共施設 ” でなくても、
その建物に何らかの特徴が
あるのなら、はやり、それを
選んだ理由があるのです。

その場合も、その建物の
” 役割 ” という側面を
探ってみる必要があります。

広告

病院で治療をする夢

次は、とある男性の見た
夢の一例です。

病院の一室で
ベッドに横たわっている。
 
医師が入ってくると、
腕に注射をしようとする。
 
不審に思い、何の注射か尋ねるが、
医師は、はぐらかすだけで
質問に答えようとしない。
 
自分は腕を引っ込めると、
医師に文句を言う。
 
” 俺はどこも悪くない! ”
 
数人の看護師が冷ややかな目で
自分を眺めている。

彼はこの夢を見た時期、
至って健康で、病気などの
問題を抱えているわけでは
ありませんでした。

ただ、その一方で彼は
人間関係について悩んでいた。

それは、自身の空気を読めない
性格のおかげで周囲の人たちと
” 見えない壁 ” で遮られていると。

*

筆者は尋ねました。

” 夢の中で、なぜ、
入院することになったのか、
その経緯について覚えていますか? ”

彼は答えます。

” いえ、気が付いたら、
ベッドの上に寝ているという
状況でした。それに・・ ”

彼の説明では、自分が ” 病院 ”
という全く場違いな場所にいる
ことに強い違和感を持った。

そして、医者と看護師数人が
自分を取り囲み、

” ここは病院なのだから、
治療するのは当たり前だろう。
君は何を騒いでいるのだ ”

というしらけた表情で自分を
眺めていたと言います。

” つまり、彼らには、
あなたは治療の必要な患者としか
見えてなかった ”

” はい。本当は違うのですが、
全く伝わっていないというか・・ ”

*

潜在意識は、彼が現在抱えている問題、
周囲の人たちと自分との間にある壁、
” 噛み合わない意思疎通 ” を
病院というシチュエーションに
置き換えて再現しています。

健康体である彼を病院のベッドに
寝かせることで、あえて
場違いな状況を作り出している。

彼が健康であるという事実と、
” 病院 ” という場所の特性を
利用したのです。

*

では、なぜ、” 場違いな場所 ”
が病院でなければ
ならなかったのでしょう?

単に場違いである状況を描くなら、
例えば、学校で別のクラスに
いるという設定でも可能だった。

無論、夢の舞台を選んだのは、
潜在意識、つまり、彼自身なわけですが、
そこは ” 病院 ” でなければならなかった。

なぜなら、今、抱えている
人間関係の問題の原因が自身に
あることを自覚しているから。

彼は言いました。

” 多分、壁は、周囲に馴染めない
自分が作ったんです。自分の性格
を治すことが出来ればとも思うんですが、
自分を捨てたくないと言いますか・・ ”

*

この夢は、性格を直したいという
気持ちから、病院を舞台にして
自分の欠点を治療しようとしている。

” 性格を直す ” という内面の改善を
医療的な治療に置き換えた理由は、
性格を直すことは、抵抗感もありますし、
なかなか出来ることではありません。

病院ならば、注射を
一本打つだけで終われます。

複雑な問題をシンプルな問題に
置き換えることで、心の負担を
軽くしようとしているのです。

ただ、夢の中では、
結果的に治療を拒絶してもいる。

彼は自分の性格に問題があると
自覚しながらも、その一方では、
いまいち納得出来ていない
気持ちが表れている部分です。

性格を直したいという気持ちと
それに抵抗する気持ちの
葛藤が夢になっています。

広告

歴史資料館の夢

次は、とある女性が見た
夢の一例です。

古文書のようなものがガラスケース
の中にしまわれている。
 
とある展示室の前に ” 工事中 ”
のバリケードが置いてある。
 
覗いてみると、作業員数人が
床を掘り返している。

この夢を見た女性の説明では、
舞台は歴史資料館のような
古い貴重品が展示されている
場所だったと言います。

ただ、彼女は歴史というものに、
あまり関心が無く、彼女自身、
なぜ、このような夢を見たのか
不思議がっていました。

つまり、彼女は、夢の中で
全く興味のない場所に一人足を運び、
興味の無いものを見ていた
ということになります。

この不可思議な設定は、一体、
何を意味しているのでしょう?

*

” 気がついたら歴史資料館にいた
という状況だったのでしょうか? ”

筆者の質問に彼女は、
次のように答えます。

” そうですね・・ただ、
プライベートではなくて、
仕事の一環としてそこにいたという
認識があった気がします ”

” ご職業は
歴史に関係することですか? ”

” いえ。仕事はIT関係なので
夢の中で、なぜ、自分が
こんな場所に来ているのだろうか? 
と疑問だったんです ”

*

セッションの中盤に差し掛かった頃、
筆者は、次のような質問をします。

” 最近、公共の建物などに訪れる
といったことはありましたか?
歴史とは限らず、
例えば、美術館や博物館など ”

” うーん。特に無いと思います。
あまり、古いものに興味がありませんので、
あ・・そう言えば・・ ”

” 何でしょう? ”

” ああ・・
いや、気にしないでください。
関係無い話なので・・ ”

” 無関係でもよいので、
何かお気づきになられたのなら、
教えて頂けますか? ”

*

彼女の説明では、現在、会社で
取り組んでいるプロジェクトに
問題が発生しているということでした。

プロジェクト主任であった彼女は、
その問題を解決しなければならなかった。

” メンバーを集め、それについて
ミーティングをしていた時のことです。
一人が仕様書を確認するべきだ
と言い出しました ”

” 素人質問で申し訳ありませんが、
仕様書とは何でしょう? ”

” 私の携わっているプロジェクトは、
古い技術を土台にしているので、
その技術を利用するための説明書の
ようなものです ”

” なるほど ”

” ただ、その技術は、これまでも
ずっと利用していましたし、
それが原因で問題が発生したことは
一度も無かったので ”

” つまり、問題解決の糸口が
過去の資料にあるかもしれない
ということでしょうか? ”

” はい。過去の技術については
全くノーマークでした。
もしかしたら私たちの理解不足なのか、
もしくは、古い技術自体にバグが
潜んでいるのか、深堀してみないと
何とも言えませんが・・・ ”

*

彼女の仕事に関する一連の経緯が、
歴史資料館に訪れるという夢が
作られた理由です。

彼女にとって全く関心の無かった
過去の技術資料が、夢の中で
普段は足を運ぶことの無い
” 歴史資料館 ” に置き換えられています。

彼女は、ミーティングでの
メンバーの発言をきっかけに、
問題を解決するためのヒントが
” 過去 ” にあるのではないかと
考え始めている。

広告

ストーリーの軸

夢の中では、展示室の一つで
何やら工事が行われている。

作業員が掘り起こしている
穴の奥を覗き込もうとしたときに
目覚めた。

どうやら、彼女の中では
問題の原因を突き止めるための
発掘作業が始まっているようです。

*

夢の舞台が職場という直接的な
表現ではなく、歴史資料館に
置き換えられた理由は、
そこが彼女の関知する場所では
ないからです。

” 今回のプロジェクトは、
急にまとまった話で、皆、
掛け持ちで仕事をしていますので、
主任になるのを避けていたんです ”

” つまり、あなたは、
プロジェクトの主任には
なりたくはなかった・・? ”

” ええ、ミーティングの発言が
出るまで土台の技術を疑わなかった
というのも、もしかしたら、
私自身、余計な仕事が増えるのを
懸念して、触れないようにしていた
のかもしれません ”

潜在意識は、あえて職場を夢の舞台
とすることを避け、彼女が最も
行かない場所、仕事とは全く無関係
な場所を選択している。

そして、部外者が立ち入るべきではない
工事中の掘り返された穴をのぞく
というシチュエーションに
彼女の ” 本来は部外者でありたい ”
という心理が現れています。

しかし、夢の作り手である彼女自身は、
これが仕事に関する夢であることを
薄々は知っているため、仕事の一環
としてその場所に訪れたという認識
だけは持っている。

*

さて、今回、例にあげた
病院を舞台にした夢、そして、
次に紹介した歴史資料館を舞台にした夢、

ここでは、こうした公共施設を
どう解釈するかの一例を
示したに過ぎません。

あなたが、もし、病院の夢を
見たからといって、上記の
解釈で読み解けるかと言えば、
そうではないのです。

これをベースに応用解釈を
するという話でもありません。

そもそも、夢解釈にベースなど
存在しないのです。

それは、あなたの個性が、
誰かをベースにして作られた
亜種ではないのと同じです。

あなたの見た夢の意味を
答えられないから、
はぐらかしているという
わけではありません。

実際に、不可能なのです。

夢を見た本人が自ら夢を
読み解こうという意思が無ければ、
他の誰かが、その答えを提示
できることはない。

*

夢の舞台が博物館だったら、
もしくは、国会議事堂だったら、
もしくは、ライブコンサートに
使われるアリーナだったら、
それらの解釈例をここで
一つ一つ取り上げて解説することに
意味は無いのです。

もし、あなたが何らかの施設や
建物に関する夢を見たなら、
まず、あなたの潜在意識が
なぜ、その場所を選んだのか?
その意図を考えてみてください。

それは、あなた自身の意図です。

建物の役割は、あくまで夢を
読み解くための一つの ” 鍵 ”
に過ぎません。

あくまで、ストーリーの軸は
あなた自身にあることを
忘れないでください。

そして、夢を見た本人に理解
出来ない夢は作られることはない。

なぜなら、それは、
あなたの中から生まれたものであり、
あなたの理解の範囲内で
作られるからです。

 

関連記事 : 建物の間取りと夢|夢の中の ” 階段 “

広告

この記事をシェアする