言い争う夢|口論の相手から分かること

誰かと言い争う夢。相手は家族であったり、
会社の上司であったり、見知らぬ人物で
あったりと、様々です。

そして、普段は温和な人でも、夢の中では、
なぜか攻撃的だったりする。

こうした夢は日常で蓄積されたストレスが
爆発していると読むことも出来ますが、
夢が伝えていることがそれだけとは限り
ません。

内容をよく観察することで違った側面を
垣間見ることもあるでしょう。

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夢の中の小男

次は、とある男性が見た夢の一例です。

瘦せこけた小男と大声で言い争いを
している。
 
言い合いに負けそうになり、
いたたまらず小男を殴り倒す。
 
小男は倒れたまま、起き上がらない。

夢の中に登場している小男は、
子供ではなく、明らかに成人だったと
言います。

言い争う相手が特定の誰かということなら、
ある程度のことを推察したりも出来ますが、
この夢では、見知らぬ小男という
奇妙なキャラクターが登場しています。

一体、小男は、
どこからやってきたのでしょう?

見知らぬ人物が登場した場合、
その人物の印象が重要になってきます。
そこで、筆者は小男の印象について、
男性にいくつかの質問をします。すると、
次のような事実が浮かび上がってきた。

彼の話では夢の中の小男は、どことなく
映画 ” ロード・オブ・ザ・リング ” に
登場する ” ゴラム ” に似ていたと言います。

映画について簡単に説明しますと、
” ロード・オブ・ザ・リング ” は、
それを手にすることで全てを支配できる
という魔法の指輪を巡る物語です。

ゴラムはその指輪の誘惑に憑りつかれ、
痩せこけた姿となってしまうという設定の
キャラクターです。

夢の中で彼は、その ” ゴラム ” にも似た
小男と言い争っていた。

筆者は、尋ねます。

” 何について、言い争っていたのですか? ”

” 確かお金の話だったと思います・・ ”

小男は、お金を使うことは投資だと主張し、
彼の大事な貯金を使おうとしていたので、
それを止めようとしていた。

” あなたの貯金を小男が、使おうとしていた
ということですか? ”

” ええ、そうです ”

彼の説明を聞きながら筆者は、小男が、
まるで彼の貯金を自分のお金のように
考えている態度が引っかかったのです。

魔法を使うことの代償

つまり、この夢における小男は彼の分身。
ゆえに、彼の貯金は小男のものでもある。

” 現在、お金について何か抱えてる問題は? ”

問題というわけではないが、と前置きを
した上で彼は次のように説明しました。

オンラインショップを利用するために、
最近、初めて自分のクレジットカードを
作ったそうです。
それまでの彼は現金主義だった。

” ボタン一つで買えるのは便利だけど、
それが逆に怖いと言うか、ちょっと気を
抜くと買い過ぎてしまうような気がして、
あまり、使わないようにしている ”

彼は、そう言いました。

彼にとって新品のクレジットカードは、
簡単に欲しいものが手に入る、まさに
” 魔法の指輪 ” だったのかもしれません。

その利便性に溺れてしまった自分自身を
ゴラムにも似た小男に投影し、魔法を
使うことのリスクと代償を警告しようと
しているのです。

” 投資 ” という都合の良い口実をつけて、
クレジットカード使い込もうとしている
小男。それを止めようとしている彼自身。

彼の中で衝突する二つの気持ちが今回の夢
となっています。

夢の結末では、言い負かされそうになった
彼が拳で小男の口を封じています。

この夢を作ったのは彼自身ですから、
言い争う相手を自由に選ぶことも出来る。
彼は、最初から力づくでねじ伏せる
つもりで、体格の小さなキャラクターを
選択しているのです。

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誰と戦っているのか?

夢の中で実在の人物と言い争っている
といった場合、まず、誤解してならない
のは、例えば、会社の上司が、あなたと
口論しているという夢を見た場合、
上司の主張は、結局、あなた自身の主張
でしかないということです。

それが、上司がよく言いそうなフレーズ
であったとしても、潜在意識が
そのイメージを利用しているだけです。

また、上司も本物ではなく、あなたの中の
” 上司に対するイメージ ” に過ぎないという
ことを理解しておく必要があります。

つまり、対局の構図は、
” あなた vs 上司 ” ではなく、
” あなた vs 上司の姿を借りたあなた ”
ということです。

そこで次のような疑問。

なぜ、口論の相手役に、その人物の姿を
借りたのか?

例えば、あなたの上司に対するイメージが、
頼り甲斐があるということなら、自分の
詰めの甘さを手厳しく指摘してもらおうと
しているのかもしれない。

もし、上司との意思疎通がいつも上手く
いかないと感じているとしたら、
” 人の意見を聞かない ” という自分の悪い
部分を上司に投影しているのかもしれない。

それは、ケースバイケースで様々な解釈に
なるでしょう。

言い争う夢は、一見すると、争っている
ようにも見えますが、実際は、衝突し合う
二つの感情の折り合いを見つけるまでの
プロセスを描いている。

なので、途中で目覚めない限りは、
言い争いは、ある一定の結果を出すことに
なります。今回の夢では、彼が小男を殴り
倒すという場面がそれに当たります。

当分は、買い過ぎることなく、
彼はクレジットカードをほどほどに使う
ことになるのでしょう。

夢の中の言い争いがどういった形で終結
したのか、という点も観察対象です。

 

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