これから起こる出来事が逆の設定で描かれる ” 逆夢 ”
幸せな夢を見た人は、もしかしたら、不幸の前兆ではないかと心配するかもしれません。
その夢が逆夢か、そうでないかを見極める方法はあるのでしょうか?
そもそも逆夢を見ると、本当に反対の出来事が起こってしまうのか?
まずは、逆夢がなぜ生まれるのか、それが作られるプロセスを理解しておく必要があります。
逆夢でよくある例として、大泣きする夢は、つかえていたものが洗い流されるという意味で良い暗示とされ、大笑いする夢は、落胆を暗示するとされています。
これについても後に説明しますが、まず、” 逆夢 ” という言葉の定義に囚われないことが大切です。これは、多くの人が誤解している点です。
例えば、好きな人に告白してOKが出る夢は、振られる暗示というように、状況を単に引っ繰り返して安易に答えを求めるべきではありません。
そのシチュエーションが逆の描かれ方をするのは、それだけの理由があるのです。
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逆夢とは?潜在意識の意図
そもそも、” 逆 ” とは何でしょう?
先ほど挙げた、好きな人に告白して恋が成就する夢について考えてみましょう。
上記では、振られる暗示と解釈しましたが、そうではなく、あなたが逆に好きな人に告白を受ける暗示なのかもしれませんし、もしくは、好きな人ではなく嫌いな人に告白される暗示なのかもしれない。
または、勇気が無くて好きな人に、結局、告白出来ないという意味で ” 逆 ” になったのかもしれません。
もはや、何をもって ” 逆 ” と言うべきでしょう?
とりあえずは、固定的な捉え方から、一旦、離れてみましょう。大切なのは、夢をよく観察し、潜在意識の意図を読むことです。
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では、具体例を挙げて、夢について説明していきましょう。次は、とある女性が見た夢の一例。
ノックする音。
ドアを開けると恋人が立っている。
彼は、ニッコリと微笑むと ” 悪かったね ” と言う。
この夢を見た女性は、一週間ほど前に恋人と口論になり、それっきり連絡が途絶えた状態でした。
そして、夢を見た翌日、彼から電話がかかってきて ” 悪かったね ” ではなく、” さようなら ” と告げられます。
この夢は、一見すると典型的な逆夢に見えます。夢の内容を細かく見ていきましょう。
まず、夢の舞台が彼女の自宅ということで、筆者は次のように尋ねました。
「彼が、あなたの自宅を尋ねたことは?」
彼女の説明では、一度、車で家の前まで送ってもらったことがあり、家に招こうとしたが、その時は、さり気なく断られたということでした。
夢の中では、恋人が玄関先まで来て、彼女に謝罪した後、二人は打ち解けた感じになり、彼を家に招き入れようとしていたところで目覚めた。
さて、実際に起こった出来事は少し状況が違っています。彼は自宅訪問という形ではなく、電話で別れを告げている。
そして、唯一、逆夢だと思わせるのが、彼が、彼女に告げるセリフの部分。
都合良く脚色される世界
まず、最初に理解しておくべきは、夢は、その人の ” 主観 ” を映しているという性質です。
つまり、夢に映し出されたものは、全て、彼女の主観が作り出したイメージに過ぎない。
彼女が、この夢の創造主ですから、その内容を書き換えることは容易です。全てはイメージの世界、そう思えばそうなる。
さて、いくらでもコントロール出来るのに、都合の悪い事実を、夢の中でストレートに描く必要があるでしょうか?
つまり、夢は都合良く書き換えられる。
そして、未来に何が起こるのか、予め知っていた彼女の潜在意識は、それを書き換えたのです。
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夢は、現実に起こる出来事をそのまま表現するわけでなく、実際の出来事をベースに、都合のよい脚色を加えながら作られる。
夢の内容では、彼が自宅を訪問するという形になっていますが、実際は、電話で彼女に連絡を取っています。
もう、彼が自宅に訪れる機会が無いことを知っていた潜在意識が、夢の中で彼女のささやかな願いを叶えている。
また、同時に、もう一度彼と会って話したいという彼女の思いが、この設定を選んだのかもしれません。
彼の別れのセリフが ” 悪かったね ” に置き換えられたのも、無論、彼女の脚色です。
潜在意識は、この夢で明日に控えるバッドエンドを夢の中でハッピーエンドに作り変えて、これから傷つく予定の彼女を前もって慰めている。
逆夢の見極め・逆夢的要素
それぞれの夢には、夢を見た人の思いが込められている。
今回の夢では、恋人を失いたくないという彼女の思いが描かれていました。それが、都合の悪い部分を都合良く書き換えているだけなのです。
夢を作る段階で事実を書き換えているうち、成り行き上、正反対の表現になってしまったものを ” 逆夢 ” と呼んでいるだけで、それ以外の夢と本質は変わりません。
夢占いに、意味を逆にしなければならない特別なルールがあるわけではなく、人の心を読み解けば自然と理解できる演出です。
また、都合良く脚色するという意味では、全ての夢が逆夢的要素を持っていると言える。なので、それが逆夢かどうかを見極めることに意味は無いのです。
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もし、彼女の中に、
” ずっと喧嘩ばかりだったから、そろそろ潮時なのかもしれない ”
という気持ちがあれば、この夢は、また違った描き方をしたでしょう。
例えば、玄関先で謝罪をする彼に、彼女が ” もう、来ないでくれ ” と言って、ドアをバタンと閉める展開になっていたかもしれません。
もしくは、彼女が彼の自宅に行き、別れを告げるという別の意味で逆の展開になっていたかもしれない。
シチュエーションは、夢を見る人の気持ち次第でどのようにもアレンジされる。
逆か、そうでないか、出来事はコインの裏表のように、二面性だけで成立しているわけではありません。
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法則ではなく心理を読む
では、もう一つ、夢を紹介しましょう。次は、筆者自身の見た夢の一例です。
メールをチェックしていると、仕事のオファーが入っている。
内容を確認しようとするが、メールが開かない。
ようやく開いたと思ったら、次々にウィンドウが開き、パソコンがシャットダウンする。
仕事のメールを装った罠に引っかかり、ウイルスに感染してしまうという内容の夢。
翌日、実際に仕事の依頼が入ってきたのですが、その時期はスケジュールに空きがなく、やも得ず断らなければならなかった。
夢の中で、仕事の依頼をウィルスメールに置き換えた理由は、明らかに、これ以上、仕事を増やしたくないという筆者の心理が働いた結果です。
これを逆夢として解釈するなら、ウィルスに感染してしまうという悪い出来事が、仕事の依頼という良い出来事を暗示していると解釈することも出来ますが、わざわざ ” 逆夢 ” という捉え方にこだわる必要もないでしょう。
そもそも、今回に限って仕事の依頼は、筆者にとっては悪い出来事です。
例えば、待ち人が来る夢は待ち人が来ないことを暗示しているとか、試験に合格して不自然に大喜びする夢は、不合格を暗示しているというように、
単純に意味を引っ繰り返して答えを得られる場合もありますが、固定的な法則に囚われると、夢が伝える本来のメッセージを読み誤る可能性もあります。
あくまで、法則ではなく、人の心理を読むことが重要です。
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夢の最後では大量のウィンドウが開いて、パソコンがシャットダウンしてしまう。
これは、その時の仕事量が筆者のキャパを越えてしまう状況を描いている。つまり、実際にシャットダウンするのは筆者の脳の方です。
なので、この夢が伝えているのは、正確には仕事の依頼が来るということではなく、それによってキャパオーバーが迫っていることを伝えている。つまり、
” どうにかして、仕事量を調整せよ ” というのが本来のメッセージです。
設定が逆になっている夢
今、紹介した二例の夢は、未来の出来事に対する暗示ということになっていますが、必ずしも暗示とは限らないケースもあります。
つまり、単なる願望夢の場合です。
描かれるシチュエーションが、通常の状態とは真逆になっているという設定の夢。
一般的には、未来を暗示するとされる逆夢の定義とは少し違うかもしれませんが、設定が逆になるという意味では同じなので、ここで説明しておきましょう。
例えば、自宅の廊下の右側にトイレがあるはずなのに、なぜか夢の中では左側にあったとか、
いつもは父に説教されるはずが、夢の中では母に説教され、父がなだめ役だったとか、
通常は南に頭を向けて寝るはずが、夢の中では北枕になっていたなど、状況がいつもとは違い、逆になっているという奇妙な設定。
未来の暗示ではなく通常の願望夢でも、夢を見る動機によって潜在意識は、設定を引っ繰り返すという演出を行うことがあります。
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次は、とある会社員の男性が見た夢です。
オフィスにて。
皆、黙々と仕事をしている。
新入社員が部長に指示を出している。
上司と部下の関係が夢の中で、なぜか逆転しているという不可思議な設定。
” あれ、逆になってる? ”
と思いながら彼は、その状況を離れた場所から眺めていたと言います。
こうした日常風景の中で特定の部分だけが、いつもと違う状態になっているという場合、そうでなければならない理由があるのです。
彼の職場では、部長は絶対的な権力を持っており、同僚の間では ” 独裁者 ” というあだ名で呼ばれていた。
つまり、この夢の意味は、” 初心 ” を最も実践している新入社員が、それを忘れた部長に一から指導するべきだ、という彼の思いが描かれている。
無論、これは、暗示ではなく、彼の単なる願望が夢になっているだけです。
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さて、この夢には続きがあります。
新入社員が部長に指示を出した後に、彼は、その新入社員を手招きで呼び、仕事の流儀を口頭で教えていたそうです。
” まず、仕事ってのはな・・ ”
新入社員は、真面目にメモを取りながら話を聞いていた。
つまり、彼は、新入社員を間に挟んで間接的に部長を格付けしているのです。
部長より新入社員が偉いなら、新入社員より偉い自分は、部長よりも偉いというように。
設定では、部長と新入社員の上下関係は引っ繰り返していますが、彼と新入社員の関係は通常どおりです。
都合の良い部分は脚色せず、都合の悪い部分だけを ” 逆 ” にしています。
このように、潜在意識は ” 都合 ” によって、夢をどのようにでも作り変えるのです。
必ずしも逆設定とは限らない
さて、冒頭に挙げた逆夢の例として、笑う夢は落胆の暗示であると言いました。これについて少し考えてみましょう。
なぜ、笑う夢が落胆の暗示とされているのでしょう?
単に笑う夢と言っても、様々なシチュエーションがあるので決まった答えはありませんが、例えば、潜在意識が、数日後に落胆する出来事が起こることを察知します。
笑う夢で予め気分を上げて、受ける予定のショックを少しでも和らげようとしているのかもしれませんし、
もしくは、” そんなバカな。これはもう笑うしかない ” という、投げやりな気持ちになっている表れなのかもしれない。
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いずれにせよ、夢を見た本人が未来に予定されている出来事をどう捉えるか、どう感じるかによって、夢の表れ方は変わります。
つまり、人によっては落胆する出来事が、必ず笑う夢になるとは限らない。
” これは事実じゃない ” と出来事から目を反らす人ならば、その出来事を映画の一場面に置き換えて ” フィクション ” として扱ったり、
” こんな事はどこにでもある事だ ” と何でもないフリをして状況に慣れようとする人なら、夢の中で大きな災害を起して、自身の落胆を ” 小さなこと ” として片づけてしまったり、
または、何でも大げさに捉えがちな悲観的な性格の持ち主ならば、その出来事を墜落する飛行機に乗っている夢として描いたりするわけです。
夢は、個人個人の受け止め方に合わせたシチュエーションで描かれる。
夢を読み解く上での決まり事などありません。
夢とは人の心です。人の心に決まった形が無いのと同様に、夢にも決まった形は無いのです。
逆夢が実現する可能性
ここまで、逆夢について具体例を挙げて説明してきましたが、夢が実現するかどうかを心配する以前に、夢が何を描いているのか、潜在意識が何を伝えようとしているのかを理解することの方が大切です。
それが、未来の出来事を暗示していたとしても、通常の願望夢だったとしても、正確に読み解くことが出来なければ対処のしようがありません。
仮に、それを読み解いて、何が起こり得るのかを知ることが出来れば、後は、あなた自身の経験則で可能性について考えればよいのです。
もし、あなたが、近々失恋をする予定なら、その可能性がどれぐらいあるか、現在の状況から何となく推測ぐらいは出来るでしょう。
また、逆夢が当たらなかったとしても、それは、読み解いた解釈自体が最初から誤っていた、ということかもしれません。
” これは悪い出来事の暗示では・・? ”
と、誤った解釈のために不安になるとしたら、それは本来必要の無い苦しみです。
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人は、将来を予測し様々なことをします。
貯蓄や保険、スキルアップ、健康管理、防災訓練、想定出来るリスクを減らすために、または、何かを実現するために計画し、準備をする。
どれぐらい実現する可能性があるかを心配する前に、想定できるリスクには、なるべく備えることが大切です。
それは、夢を見ても、見なくても。
好きな人に嫌われたくないというなら、自分を磨くことが必要ですし、夢を叶えたいと言うならば、努力の積み重ねが必要です。
それが、ありきたりな手段に思えたとしたら、十分にその効果が証明されているということ。
未来は、あなたが自分の手でコントロールするものです。夢は、そのあなたによって作られている。
主導権は、常に、あなた自身にあるということを忘れないでください。
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