例えば、夢から目覚め、枕元に置いてある
スマホで夢の意味について検索する。
とある夢占いのウェブサイトに
” 運気上昇 ” と書いてある。
それから、数日間、
特にこれといった出来事も無く、
いつもと同じ日常を送る。
そこで、思うのです。
” どこが運気上昇? いつもと同じじゃん・・”
それを二、三度、繰り返すうちに、
” 夢占いは当てにならない ” と考えるようになる。
そうやって夢から興味を失っていく。
*
筆者は、こんなふうに人々が
夢に対する関心を失っていくことが、
とても残念だと感じています。
彼らはインターネットの検索結果が、
” 答え ” だと誤解したまま、夢について
それ以上の探求をやめてしまう。
” ネットでしか調べようがないでしょう。
他に何を調べろって言うの? ”
そう思う人は調べ忘れているのです。
自分自身の心の中を。
広告
最も重要なピース
自分の心の中など分かり切っている。
調べるほどのことはない。
本当にそうでしょうか?
筆者自身も自分の心が明確に
理解出来ているかと問われれば、
はっきりと ” YES ” とは言えない。
それが潜在意識の声ならば、どうでしょう?
人は、悩む生き物です。
ロボットではない。
全てを明確に理解出来るなら、
立ち止まって悩んだりはしないでしょう。
*
例えば、こんな瞬間はありませんか?
ネットの検索結果に表示された夢解釈に、
” これ、ちょっと違うな ”
” そうじゃない気がする ”
具体的に説明は出来ないが、
何かその答えにシックリしない違和感。
他のサイトを探しても、
似たようなことしか書いていない。
そして、先ほど感じた違和感、
疑念を次のように片づけてしまう。
” 夢占いって、元々こういうもんだ ”
” どこも同じことを書いているのだから、
きっとそうなんだろう ”
たった今、捨て去った ” 何か違う気がする ”
という個人的な違和感こそが夢を解く上で
最も重要なピースなのです。
心の小さな叫び
検索エンジンの答えに少しでも
違和感を感じたら、それが世間一般の常識
であっても押し流されるべきではない。
あなたの感じた ” 何か違う気がする ” は、
夢の作り手である潜在意識が叫んでいるのです。
” それは、答えじゃない ” と。
その小さな声をしっかりと
受け止めていくことが必要です。
そもそも、潜在意識は世間の常識を
気にしながら夢を作ったりはしない。
もし、常識に従っているとしたら、
夢の中で鳥のように空を飛んだりは
しないでしょう。
*
潜在意識から発せられる声は、
とても、小さい。
それは、目で捉えられないというのもそうですが、
脳裏に少しの間だけ過るちょっとした思考や
感覚なので無視されてしまうのです。
と言っても、
それほど難しいことではありません。
例えば、誰かと会話しているとき、
口に出しては言いませんが頭の中で、
” ああ、今、話を逸らそうとしたな ” とか、
” また、自慢話に持っていこうとしている ”
と読み取れることがありますよね。
そう思いながら相手の話を
何事も無かったように聞いているふりをする。
それと同じです。
” ああ、今、自分はこの解釈に違和感を感じた ”
” ちょっと違うと、今、自分は思っている ”
と自分で感じていることを自覚出来るかどうかです。
自覚さえ出来れば、あとは
それを深く掘り下げていくだけです。
” 夢占い ” の抱える問題点
度々、筆者はこのブログで
夢解釈のノウハウは蓄積出来ないと言っています。
夢はその人の個性が作り出すもの。
ですから、この方法なら、
誰でも正しい答えが得られるという
マーケティングビジネスのような方程式は
夢解釈には存在しない。
百人百様。
そして、一人の人間ですら、
日々、成長し変化しています。
絶えず変化していくものに方程式など
あるのでしょうか?
*
夢解釈には方程式が無いということが、
現代の夢占い事情にも影響を与えています。
現代の夢占いは夢のシチュエーションを
項目別に細かく解説していくという
辞書のような形が主流になっている。
例えば、” 鳥 ” の項目には、
一羽だけ空に飛んでいた場合、
鳥の群れが飛んでいた場合、
鳥の死骸を見つけた場合など、
それぞれに解説がつきます。
その中から自分の見た夢に最も近い
シチュエーションを選ぶわけです。
そこで一羽だけ飛んでいる鳥の項目には、
” 自由 ” や ” 孤独 ” など、
いくつかの解釈が載っている。
*
全ての解釈に共通する方程式が無いので、
カテゴライズしてこのようにケース別に
一つ一つ並べるしかないのです。
そうやって、多くの項目がデータベース
として集積していった。
と言っても、夢占いが全てのシチュエーションを
網羅するというのは不可能です。
夢自体が複雑なストーリーになりやすく、
項目として解説出来るのは、
よくあるシチュエーションのみとなります。
先ほどの ” 鳥 ” ならば、
一羽で飛んでいるか、群れを成していたかという
単純なシチュエーションのみに焦点は絞られる。
なので、例えば、数匹のカラスが、
ゴミ捨て場を漁りながら喧嘩をしている
というような込みいった内容には対応出来ません。
多分、私たちは、
” 鳥 ” ” カラス ” ” 喧嘩 ”
” ゴミ捨て場 ” などのキーワードから、
各項目を読みに行くことになるでしょう。
そして、そこから総合的な判断をしようとするが
大抵は意味不明な結果になる。
そのアプローチは誤りです。
夢は一つの作品として完成されたものです。
個別の解釈どうしが足を引っ張り合う
継ぎ接ぎ解釈では読み解くことが出来ない。
これが、現代の夢占いが抱える問題点です。
広告
正しいアプローチ
では、何が正しいアプローチなのでしょう?
最も答えに近づけるアプローチは、
夢の作り手に直接アクセスすることです。
夢の作り手。
それは、あなたの潜在意識、
言い換えれば、あなた自身です。
だから必要なのです。
あなたの心の底から発せられる
小さな声を受け止めることが。
高度な精神修行など必要ありません。
瞑想して宇宙のエネルギーを感じろ
というようなスピリチュアル的なことを
言っているわけでもない。
自分が、今、何を感じたのか、
または何を考えたのかという
” 小さな心の動き ” に
スポットライトを当てる習慣を
身に着けるということです。
つまり、心の客観的な観察によって、
夢を読み解いていく。
それこそが、このブログのメインテーマです。
*
現代人は、何かと忙しい。
必要なものを時間をかけずに
手軽に手に入れようとするのは人の性。
そういった意味で、
インターネットは私たちに
大きな恩恵を与えてくれる。
それゆえに、現代人は
自身の内側に目を向けるという
内向的作業をあまり行わなくなった
ように感じます。
夢とは、心そのものです。
そして、そこには、
自分の求めているもの、行くべき場所、
やるべきこと、真実が示されている。
あなたの心の奥底をのぞけるのは、
あなただけなのです。
関連記事 : 夢占いで大切なこと|確信の持てる答えを得るために
広告