” 故人 ” が登場する夢|夢は危機を知らせる?

例えば、亡くなった人物が現れて、
必死で何かを訴えている夢。

そういった夢を見ると、
何か悪い出来事の前触れ
ではないかと思ってしまいます。

つまり、故人が死後の世界から、
危機が迫っていることを
夢を通して知らせている
” 霊界からのメッセージ ”
ではないかという解釈です。

果たしては、それは本当に
霊界からの警告メッセージなのでしょうか?

故人が登場する夢は、一体、
どうのように解釈すればよいのでしょう?

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夢だけが伝える手段では無い

故人の登場する夢として、それが
霊界からのメッセージであるかどうか・・

筆者はスピリチュアリストでは
ありませんのでそれを断定する
ことは出来ません。

ただ、実際に、多くの夢に接する中で、
故人の魂にコンタクトしたのではないか、
と思われるケースも、稀ですが、
確かにあります。

つまり、
” 霊界からのメッセージ ”
という説を100%否定は出来ない。

こういったケースの夢は、
筆者が知る限り、故人が怖い顔をして、
何かを訴えるというような悪夢ではなく、
どちらかと言えば、暖かく、穏やかな
印象を持つ夢が多いように感じます。

*

映画 ” ヒアアフター ”
( 2010年アメリカ映画 ) では、

双子の兄を事故で失ったマーカス
という少年が、兄の言葉を聞くために、
霊能者ジョージ・ロネガンに
会いにいくというストーリーですが、

道中、地下鉄に乗ろうとして、
通勤ラッシュに巻き込まれてしまいます。

そして、かぶっていた大切な
兄の形見である帽子が不意に脱げてしまう。

行き交う人々の雑踏の中で帽子を見失い、
探し回るが、結局、見つけたときは、
列車に乗り遅れてしまう。

そして、発車してから間もなく、
列車は爆弾テロによって大事故を起こす。

彼は、兄の帽子によって
命拾いをしたのです。

*

これは、フィクションですが、
仮に、故人の魂が危機が迫っていることを
知らせるとすれば、果たして
目覚めてから忘れてしまうかもしれない夢に
それを託すでしょうか?

それ以外に確実に伝える方法、
もしくは、回避に導く方法があるなら、
それを利用するのではないでしょうか。

それが不確かで曖昧な夢である
必要はありません。

故人の夢が穏やかな夢であるということも、
結局は、故人の魂が警告するよりも
回避する手段を選択するので、
夢が警告メッセージとして利用されない
ということなのかもしれません。

あくまで、魂というものが
存在すると仮定した場合の話ですが。

通常のプロセスで作られる夢

では、故人の夢が悪夢であった場合は、
どう解釈すべきでしょう?

一つの見方として、潜在意識が
夢を作る段階で故人を登場人物として、
あえてキャスティングしたという
可能性です。

つまり、メッセンジャーの役を
誰にするか決めるときに、
” 故人 ” が最も適切な人物だったので、
その役割を与えた。

故人ならば、夢の中で
強い印象を与えることができ、
意識をその言動に注目させることが出来る。

例えば、だらしない生活をしている自分に
喝を入れたい時、亡くなった祖父に
怒られる夢を作るのです。

この場合、亡くなった祖父は、
本物の霊ではなく、
記憶から引き出された一つのイメージ。

つまり、これは、
通常のプロセスで作られる
潜在意識による夢と言えます。

*

また、次のような例もあると思います。

例えば、遠い親戚の訃報を受け、
葬儀に出席するかどうかと言う時に、
仕事を口実に葬儀に行かなかったとします。

” 葬儀に来なかった冷たい親族 ”
という罪悪感だけが残る。

その人は、怖い顔をした故人が
自分を睨みつけている夢を見る。

これは、故人の霊が、
自分の葬儀に来なかったことに
怒っているわけではなく、
葬儀に行かなかった自分への罪悪感が
故人の姿を借りて自身を責めているだけです。

*

故人の登場する悪夢は、
ネガティブな感情が発端で作られた
一般的な夢であるということで、
大抵は説明出来る。

無論、夢においては説明出来るというだけで
故人の霊そのものを否定している
わけではありません。

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通過点

故人の登場する夢の全てが単なる願望夢か、
霊界からのメッセージなのかを断定
出来るものは何も無いのです。

なぜなら、霊自体が科学的に
証明されていないからです。

ただ、一つ疑問なのは、将来、
” 霊界 ” と言われる場所から、
メッセージが届くぐらいの危機的状況が
自分に迫っているならば、潜在意識が
それを見過ごすだろうか?という点です。

つまり、” 霊界からのメッセージ ”
に頼らずとも、私たちは危機を察知する
アンテナを最初から持っている。

それが、夢という形で暗示される。

また、夢だけでなく、
” 虫の知らせ ” というような
小さな気づきや直感によって、
外部から警告されるまでもなく、
私たちは知らず知らずの内に、
すでにいくつもの危機を
回避しているかもしれません。

夢と直感の生まれる場所は同じです。

*

さて、映画 ” ヒアアフター ” の中で
マーカス少年は、ようやく霊能者
ジョージ・ロネガンに会うことが出来ます。

ロネガンの霊視によって、
マーカスの兄ジェイソンから
伝えられたメッセージは、
次のようなものでした。

” 助けるのはこれが最後だ。
いつまでも俺に頼るな。
それから、その帽子を今すぐ脱げ。
それは俺のだ ”

*

故人と私たちとは、
決定的な違いがあります。

それは、死を体験したか、していないか。

それを体験した人たちは、
きっと ” 死 ” に対する観念も
生きている私たちとは違うのでしょう。

兄ジェイソンのメッセージは、
弟の安否よりも、弟にとって、
もっと大切なことを
伝えているようにも感じます。

” 死 ” は、通過点であり、
大切なのは ” 今をどう生きるか ”
ジェイソンに見えているのは、
そういったことなのかもしれません。

 

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