夢の中に神や天使など、スピリチュアルな
存在、もしくは、今は亡き故人が登場する
という場合。
人によっては、それを霊界からのメッセージ
だと受け止める人も入れば、ただの夢だと
片づける人もいます。
それが本当にスピリチュアルな夢なのか、
単なる夢なのかという線引きは極めて
難しいでしょう。
そういった精神世界に傾倒しやすい人で
あれば、あらゆる夢は、天使からの贈り物
でしょうし、まったく信じない人には、
どんな夢も単なる雑夢にしか見えない。
果たして、これを客観的に見極める方法は
あるのでしょうか?
広告
夢が作られる理由
まず、夢が作られる理由について考えて
みましょう。
基本的に、全ての夢は願望によって
作り出される。例えば、故人ともう一度
再会したいという願望があるなら、
潜在意識はそのようなストーリーの夢を
作ります。
それは、故人の魂との再会ではなく、
潜在意識が過去の記憶を元にその面影を
夢に投影したのです。
故人に対する思いが強ければ、それだけ
強い願望を持つことになり、それが、
故人が登場する夢を作るきっかけになる。
*
また、どれだけ夢で故人との再会を
願っても、全く登場しないケースも
あります。この現象は、潜在意識の
防衛反応の一つです。
辛い記憶を思い出して、心に負荷を
かけないために、夢にすることを
避けているのです。
と言っても、故人への執着が無くなる
わけではありませんから、潜在意識は、
それを別の形で処理しようとする。
つまり、故人を直接登場させるのではなく、
暖かな光や美しい馬というシンポリックな
姿に置き換えたり、外国人や見知らぬ人物
として登場させることもあります。
見知らぬ人であるのに、なぜか懐かしく
感じる人物などは、置き換えらえた
一つの例です。
例えば、歳月が過ぎ、悲しみが癒え、
故人に対する強い執着が薄れてきた頃に、
ようやく故人が夢に登場するようになる
という現象は、
大切な人を失った事実に向き合うことが
出来るようになってきた気持ちの変化を
表しているのです。
見極めよりも大切なこと
次は、とある女性が見た夢の一例です。
伯母がキッチンで母と世間話をしている。
母が紙包みを差し出すと
伯母は、” いいの、いいの ”
と言って笑っている。
この夢に登場する伯母は、すでに他界
されており、近々、三回忌を迎える時期
にこの夢を見たと言います。
彼女は、前回の法事には出席することが
出来たのですが、今回は、健康上の都合で
出られないかもしれないという状況でした。
この夢の解釈は二つ考えられます。
一つは、三回忌に出席出来ない彼女の罪悪感
から、伯母を家に招いてもてなしている。
つまり、願望夢という線。
もう一つは、出席出来ない彼女に対して、
あの世にいる伯母が ” 気にしてない ”
というメッセージを送ってきた。
いわゆる、霊的なメッセージという線。
*
どちらが正しいのでしょう?
筆者は、これを明確にする必要はない
と考えています。
彼女の亡くなった伯母に対する気遣いは
事実ですし、その思いは天国にいる
伯母にも伝わっているでしょうから。
筆者は、彼女に尋ねました。
” もし、あなたが会いに行けないことを
謝ったら伯母さんは、
どんな反応をすると思いますか? ”
” あの人なら、多分、気にするなと
言うと思います ”
彼女はメッセージなど受け取らなくても、
すでに伯母のことを理解している。
言うなれば、彼女は生前の伯母から、
すでにメッセージを受け取っています。
言葉としてではなく、思い出として。
それ以上、
何が必要だと言うのでしょう?
未知の領域
潜在意識が感じ取ったものが、
スピリチュアルメッセージだったのか、
単なる直感だったのか、それを見極める
ことに、それほど意味はありません。
いずれにせよ、あなたが正しい道に
導かれるのならば、それがどこから来た
ものであれ、大切なメッセージには
違いないのです。
例えば、故人が夢に登場して危機を
知らせる。
故人が霊界からメッセージを送るほどの
重大な危機なら、あなたの潜在意識が
察知するでしょう。潜在意識は、何らかの
形であなたにそれを知らせようとする。
それは、夢とは限らず、体調の変化や、
ちょっとした気づきという形で。
あまり、メッセージの出所にこだわる
必要は無いと思います。
*
仮に、もっと緻密な分析をすれば、
それが願望夢なのか、そうでないのかを
判別することが出来るかもしれません。
ただ、最終的には ” 答え ” は、自分の意思
で判断することになるのです。そこに、
明確な判断基準などありません。
そもそも、霊界や霊魂といったものに
” 根拠 ” を求めることがナンセンス。
それは科学で証明されていないのですから、
証明されてもいない存在からの
メッセージをどう証明するのでしょう?
それは、まだ、人類には未知の領域
なのです。
夢とは幻影に過ぎず、信じたければ
そのように見え、疑いたければそのように
見える。
それが霊的存在からのメッセージなのか、
そうでないのかは、それを見た本人が
決めることです。
そもそも、あなたの見た夢は、あなたの
ものです。誰が夢を見た本人に向かって、
” それは違う ” と言えるでしょうか?
広告