夢の中の ” 噂話 “|ヒソヒソ話している夢

夢の中でヒソヒソと小声で何かを
話している。

自分が話ていることもあれば、
誰かが話しているのを近くで耳を立てて
聞いているという場合もあります。

現実世界では、
誰かが小声で話していたところで、
大抵は、自分とは無関係の話題でしょう。

しかし、夢の中では、
赤の他人が話しているその会話は、
全て自分に関係すること。
故に、会話を盗み聞きしながら、
どこか身に覚えのある話題だったりする。

なぜなら、全てのシチュエーションは、
夢を見ている本人によって仕組まれた
ものだからです。

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人には言えない話

次は、とある女性が見た夢の一例です。

教室のような部屋にいる。
 
少し離れた席で、
女性二人がヒソヒソと話をしている。
 
聞きたくない内容だったので
耳を塞いだが、なぜか二人は、自分の
隣に席を移動してきて噂話を続ける。

こういったヒソヒソ話を黙って聞いている
といったシチュエーションの夢は、
やはり、会話の内容が何であったか
という点が気になります。

” 女性二人の会話は、
どういった内容でしたか? ”

筆者の質問に、彼女は答えます。

” 私に対しての噂話ではなくて、
全く知らない人について話していました・・ ”

” では、あなたは、内容までは
聞き取ることが出来なかった? ”

” いえ、聞こえました ”

” それは、どういった・・? ”

” あー、内容は、
ちょっと言いたくないですね ”

彼女が噂話の内容について話すことを
避けたがっている様子から、筆者は、
彼女の中に人には言えない秘密がある
のだと理解しました。

” 話したくない場合は、
無理に話す必要はありません。
話せる範囲で結構ですから ”

彼女の説明では、女性二人が
話していたのは、自分とは関係の無い
見知らぬ誰かについての噂話だった。

ただ、その内容は自分にも
身に覚えのあるコンプレックスに
関するものだったと言います。

” 誰にも話したことが無いんですが・・ ”

” ああ、それ以上は、
話さなくても大丈夫ですよ ”

人に言えない秘密やコンプレックスが
夢になることは、ごく自然なことです。

それが口に出して言うのも憚られる
生々しい告白であるほど、心の中では、
その思いが抑えつけられている。

そういった思いほど心の叫びとなり、
夢になりやすい。

噂話の内容がどういったものかは
分かりませんが、今回の夢は
彼女の抱えているコンプレックスと深く
関わっていることだけは確かなようです。

舞台に教室を選んだ理由

さて、夢の舞台は、
教室ということになっています。

と言っても、彼女は学生ではなく、
社会人なので、なぜ、あえて教室を
選んでいるのかという点も
何らかの意味がありそうです。

” それは、学校の教室ということですか? ”

彼女の説明では、そこは学校と言うよりは、
会議室で講義を受けるといった感じで、
自分は参加者という認識だったと言います。

そこで、授業が始まるのを
座って待っていた。

彼女の潜在意識は、なぜ、
舞台を ” 教室 ” に設定したのか?

つまり、その設定でなければ、そこに
留まる理由が無くなってしまうからです。

この夢は、最初から
不快な噂話を聞くために作られている。

不快だからといって、彼女が
どこかに去ってしまわないように、
あえて、その場に留まるための口実を
与えているのです。

” あの噂は、私のじゃない。
本当は聞きたくないが、もうすぐ
授業が始まるからここにいるしかない・・ ”

つまり、彼女は、女性二人の無関係な
誰かの噂話をどうしても聞かなければ
ならなかった。

なぜなら、その噂は、
本当は自分に対するものだから。

心の葛藤、もう一人の声

夢の中で、二人の女性は、彼女ではなく、
赤の他人に対する噂話をしています。

これは、シンプルなカモフラージュです。

彼女は、夢の中で自身のコンプレックス
について何か気がかりがあり、
それと向き合わなければならなかった。

しかし、直接、向き合うには抵抗が
あったので、あえて、自分には無関係の
噂話ということにして、間接的に
向き合う状況を作っているのです。

彼女は、途中で聞きたくない噂に耳を塞ぐ。

すると、どういうわけか、女性二人が
席を移動して、耳を塞ぐ彼女のすぐ近くで
会話を続行する。

この夢で最も奇妙な場面です。

無論、女性二人を彼女の近くに再配置
したのは、彼女自身による演出です。
つまり、彼女の中のもう一人の自分が
こう言っているのです。

” あなたは、この問題から
目を逸らしてはダメ。
ちゃんと最後まで聞きなさい ”

自身のコンプレックスを解消したいと
思いながらも、それに目を向けることを
ためらってもいる。

この場面に、二つの感情の板挟みになり、
苦しんでいる彼女の葛藤が描かれています。

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ファーストステップ

今回の夢では、向き合わなければならない
問題を ” 自分とは無関係の噂話 ” という
形に置き換えて、間接的に向き合おうと
している彼女の姿が描かれていました。

夢は、相反する感情のバランスを
取るために、こういった間接的な方法で
問題を克服しようとすることがあります。

問題から距離を置くために、
当事者の立場から一旦、自分は外れ、
問題を全く別の形に変えて
自身の近くに再配置するのです。

これによって ” 身近な他人事 ” として
自身の問題と向き合うことが出来る。

これは、噂話の夢だけに限らず、
それ以外のシチュエーションでも
よく使われる技法です。

例えば、携帯に間違い電話が
かかってきて、突然、見ず知らずの人に
無関係な話をされるとか、

通りすがりの人に
言われのない批判を受ける。

誰かの用事に付き合わされて、
行きたくも無い場所に行くなど。

様々なシチュエーションに組み込まれる。

自身と向き合うことに抵抗があるうちは、
こうしたカモフラージュを使って、
問題と間接的な接触を試みますが、

問題と向き合う心の準備が出来上がって
くると、他人事ではなく、当事者として
夢のストーリーに参加していくようになります。

今回のケースならば、誰かの噂話ではなく、
二人の女性が彼女に直接話かける
という展開になったかもしれません。

そして、いつか、彼女は鏡の前に立って、
これまで目を背けてきたもう一人の自分と
対決することになるのです。

そういった意味では、今回の夢は、
彼女にとってコンプレックス克服のための
ファーストステップと言えるかもしれません。

夢は、観察し続けることで、
様々なことを教えてくれます。

今、自分の心がどういったレベルで
立ち止まっているのか、

その先に何が待っているのか、
そして、どういった結末を迎えるのか、

潜在意識は、あなたより
一足先にそれを見ているのです。

 

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