夢の中の ” 太陽と月 “|夢占いでは分からないこと

” 太陽 ” や ” 月 ” は、夢占いの世界では
古来から扱われている存在です。
その役割は人類の歴史が始まって以来、
何も変わっていません。

太陽は私たちに光を与え続け、
月は私たちを見守り続ける。

永久に。

それ故に、この普遍的存在に対する
私たちのイメージは長い間変化していない。

あらゆるものが時代と共に変わっていく中、
現在でも夢占いの古来の解釈が通用するのは
太陽と月の普遍性が理由なのでしょう。

太陽と月に関する夢占いの解釈は、
少し検索すればウェブサイトがすぐに
見つかりるでしょう。そこでは様々な
シチュエーションが項目別に解説されている。

ただ、あなたは、なぜかこのマイナーな
ブログを訪れ、今この記事を読んでいる。

メジャーなウェブサイトに載っていた
情報だけでは、何か物足りなさを感じた
のかもしれません。

ここでは、ちょっと違った視点で、
夢の中の太陽と月について考えてみましょう。

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太陽と月が並ぶ時

次は、とある男性の見た夢の一例です。

雲間から朝日が昇りつつあるのを
ブラインド越しに見ている。
 
一方、明るくなった空に
まだ、月が浮かんでいる。
 
やがて昇る太陽と月が並ぶ。
月の方が一回り大きい。
 
太陽光が眩しかったので
ブラインドを閉める。

太陽と月が一列に並ぶという
幻想的なシチュエーションの夢。

この夢における太陽と月は、何かを
象徴しているということは確かです。

では、何を象徴しているか?

夢占いでは、空に太陽と月が同時に
出る夢は、太陽を男性、月を女性と見立て、
結婚、恋愛の成就の暗示という解釈が
あります。

やはり、この場合の太陽と月も、
その解釈どおり、男と女を象徴している
のでしょうか?

夢の中では、雲間から朝日が登りつつある
状況が描かれています。

夢占いでは、朝日が昇る夢は、
暗く低迷していた時代が終わりを告げる
暗示と捉え ” 運気上昇 ” とされている。

筆者は、それら解釈を一通り説明した上で
彼に尋ねました。

” 何か、運気上昇を
感じられることはありましたか? ”

訪れた出会い

彼の話では、数日前、友人に一人の女性を
紹介されたそうです。

彼は恋人を求めていたわけではないが、
女性の方から、一度会いたいという申し出が
あったので友人の顔を立てる意味でその女性
と会うことにした。

第一印象は、とても明るく感じの良い女性
だったので彼としては申し分ない出会い
だったのです。

ただ、彼は説明を終えてから妙なことを
言いました。

” これが運気上昇と
言えるのか分かりませんが・・ ”

筆者には素晴らしい女性に出会うことが
出来て、今後、良い関係を築けそうだ
という状況に、彼が何かを躊躇っている
ように感じました。

夢の内容を振り返ってみましょう。

夢の最後の場面では、彼は運気上昇を象徴
する太陽の光を ” 眩しい ” という理由で
ブラインドによって遮っています。

この場合、夢の作り手は彼自身なので、
本来は太陽の光の強さをどのようにでも
調節できる。

つまり、彼はブラインドを閉める口実
として、あえて眩しい状況を作り、
それを理由に太陽を避けているのです。

彼は今回の運気上昇を内心、望んでいない。

言い換えるならば、今回の出会いを
望んでいないということになります。

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なぜ、そこに月があるのか?

さて、この夢における ” 月 ” は、
何を意味しているのでしょう?

通常なら、太陽が登れば月は沈んでいく
ものです。朝方や、夕暮れ、まだ明るい空に
月が浮かぶこともありますが、太陽と並ぶ
ということはありません。

そして、その月は太陽よりも一回り大きい。

なぜ、月は、
そこに留まっているのでしょう?

夢占いでは ” 月 ” は、恋愛に関する暗示
という解釈もあるので、太陽が運気上昇を
示し、月が恋愛を象徴し、二つを合わせて
恋愛運の上昇と読むのが正しいのでしょうか?

もう少し、夢の内容を掘り下げて
みましょう。

” 月を確認したのは、いつですか? ”

筆者が尋ねると、彼はその時の状況を
説明しました。

日の光から目を反らすために
別の方向を見ると、そこに月があった。

そして、月を意識しだすと、それが少しずつ
大きくなり、最終的には太陽のサイズを
越え、なぜか二つは平行に並んだと。

筆者は、その説明を聞きながら、
” 月 ” が、太陽に対して後付けされた演出
のように感じられました。

それから、筆者は女性との出会いに対する
彼の消極的な態度が、今回の夢と関係
しているのではないかと思い、いくつかの
質問をします。

” 容姿が好みでは無いということですか? ”

” いえ、笑顔が素敵な人です。
容姿に問題はありません ”

” では、今、他に好きな方がいる
ということですか? ”

” いえ、別にそういった人はいません ”

彼は、もう、何年も前から、ずっと恋人も
作らず独り身で生きてきたと言います。

ならば、なおさら今回の出会いは、
彼にとってまたと無いご縁になるはずが、
なぜか躊躇っている。

彼にその理由を尋ねると、
後から付け加えられた ” 月 ” の意味が
ようやく理解出来たのです。

夜の時代、そして象徴

彼は、そもそも、
新しい出会いを望んでいなかった。

長い間、独り身で生きてきたので
自由な生活スタイルが確立されていて、
誰かのためにそれを崩すことを面倒に
感じていたのです。

この夢において、月は
” 女性 ” や ” 恋愛 ” を表すのではなく、
太陽とは無縁だった ” 孤独な夜の時代 ”
を表しています。

しかし、孤独に慣れていた彼にとっては、
その状態が気楽だった。

彼にとって夜明けは、
” 気楽な人生の終わり ” を意味するので、
日の出を見て急いで付け足したのです。

彼の好きだった ” 夜 ” の象徴である月を
太陽よりも一回り大きなサイズで。

彼は、夢の中で
” 夜 ” を取り返そうとしている。

最後にブラインドを閉めて太陽の光を
遮る場面。

彼にとって、今回の出会いは、急に訪れた
朝のごとく簡単には受け入れることが
出来なかったのでしょう。

ただ、こう考えることも出来ます。

朝が来るのを拒みたければ、そもそも、
朝日の昇る夢など作らなければよい。

そう、この夢におけるシチュエーションは、
全て彼が組み立てたものです。つまり、
朝日が昇るという演出も彼によるもの。

なぜ、拒んでいるはずの太陽を自分の夢に
登場させているのか?

それが、太陽と月を一列に並べている
理由です。

つまり、彼は、これまで通りの孤独な生活を
望んている一方で、今回の出会いを
受け入れたいと願う気持ちもある。

彼の中で二つの気持ちが葛藤しています。

ただ、月が一回り大きいので、まだ、
受け入れるだけの心の準備が出来ていない
ということでしょう。

太陽に意味を与えたのは誰か?

今回の夢には、
日の出の描写が描かれています。

それは ” 運気上昇の兆し ” そのものが
日の出の夢になったわけではなく、
厳密には ” 運気上昇の兆し ” を感じた
彼の潜在意識が、それに対処するために
日の出の夢を作った。

それが、夢の中で彼が太陽に対して行った
様々な演出となって表れている。
月を付け足し、ブラインドを閉めその光を
遮る。

夢は状況に ” 対処 ” するために作られる。
出来事や事象そのものを描くわけでは
ありません。

潜在意識が、それを描かない理由は、
実にシンプルです。

メリットが無いからです。

状況そのものを ” 夢 ” という形で
模写することに何の意味があるのでしょう?

さて、今回は、” 太陽と月 ” という普遍的
な存在が夢に登場した場合の解釈を解説
しましたが、夢の内容からも少し特殊な
事例だと思います。

それは、あなたの見た夢とは全く違った
シチュエーションでしょう。参考に
ならないかもしれない。

と言っても、どんな夢にも複雑な部分は
ありますし、その解釈も多岐に渡ります。

必ずしも ” 日の出 = 運気上昇の兆し ”
とは限らないのです。

世の中に ” 絶対 ” はありません。
太陽ですら、絶対的存在ではない。

ある日、活動を停止して、全てを暗闇と
氷の世界に変えてしまうかもしれない。

突然、スーパーフレアが発生して、地球は
一瞬にして蒸発してしまうかもしれない。

常に、柔軟な視点が必要なのです。

あなたの夢の世界に昇った ” 太陽 ” の
意味は、夢の作り手であるあなたが与えて
いるということを忘れないでください。

 

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