意中の人が登場する夢を見たら、誰しも、恋の成就を願うでしょう。
ただ、ここで気をつけておきたいのは、恋の進展を望む気持ちが強すぎて、夢を都合良く解釈してしまうことです。
例えば、インターネットでキーワード検索し、最初に探し当てた夢解釈に良いことが書かいてあれば、それ以上、夢について検索しなくなる。
ネットの世界ですから、否定的な意見も当然あるはずですが、それを掘り下げることなく、無意識的に除外してしまう。
また、探し当てた解説に具体的なことが書かれておらず、抽象的な表現ばかりだった場合、どのようにも捉えることが出来ます。
つまり、自分の欲しい ” 答え ” を導くことが出来てしまう。
例え、それが良い結果であっても、悪い結果であっても、まずは、一旦、予備知識を忘れて、頭を ” 0 ” の状態に戻し、夢をよく観察することが必要です。
その夢は、あなた自身が作ったものですから、まず、あなたの心に問いかけることが、正しいメッセージを得るためのアプローチです。
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強い執着による弊害
恋愛に関する夢が、他の夢よりも解釈が難しいのは、心の中に ” 強い執着心 ” があるためです。
例えば、好きな異性がいて、布団に入ってからもその人の顔が思い浮かぶ。夢の中であっても会いたいと思い続ければ、いつか夢に登場することになるでしょう。
そして、実際に夢に登場すると、その内容から、どこかに恋の進展の暗示が示されていないかと ” 暗示探し ” をしてしまう。しかし、その夢は自ら作った願望夢です。
それは、複雑な ” 夢 ” ですから、捉え方によっては暗示のようにも見えるし、そうでないようにも見える。
このように好きな人に対する強い執着が心の中で主導権を握ってしまうと、夢が作られてもどこからが願望で、どこからが暗示なのか判別出来なくなっていきます。
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先ほどは、自分の心に対する問いかけが必要だと言いました。ただ、強い執着心によって、自分に都合のよい解釈をしてしまうかもしれません。それが夢を解釈する時に難関となる。
” ちょっと都合良すぎない? ”
” それは、あなたが欲しい答えでしょ? ”
そういった心の底から聞こえる冷静な声を聞き入れることが出来るかどうかが、夢を正しく読み解くための分岐点になるのです。
何も起こらない
次は、十代の女学生が見た夢の一例です。
学校の帰りに駅に到着すると、知っている男子生徒が入り口に立っているのが見える。
その男子は好きな人の友達なので、もしかしたら好きな人が現れるかもしれないと思い、周囲を見回す。
自分の後ろから、好きな人が突然現れ、私に振り返る。
発車のベルが鳴る。
夢に登場した駅は実在するもので、彼女が、毎日、登下校時に利用している駅でした。
意中の人は、通常、駅は使わないということで、夢の中で彼の友達が駅にいるのを目撃した時、胸が高鳴り周囲を確認した。
そして、突然、後ろから意中の人が現れる。
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彼女は、近々、この夢が実現するのではないかと期待したが、一週間経っても、二週間経っても、そのようなことは起こらなかった。
それで、結局、夢の意味が何だったのかを知るために筆者に夢解釈の依頼をしたということでした。
さて、この夢は、彼女の単なる願望を映したものだったのでしょうか?
それとも、何か別に意味があったのか?
期待感によって作られる夢
「その意中の男性が、実際に駅を利用する可能性はありますか?」
筆者の質問に、彼女は次のように答えます。
「何か用事があれば利用するかもしれませんが、帰る方角も駅とは反対なので普通は無いと思います」
筆者は続けて尋ねます。
「夢の中であなたは、彼の気配を現れる前から感じていた?」
「気配があったか分りませんが、彼に現れて欲しいという期待感はあったと思います」
そして、彼女の期待通り、意中の人が現れる。ただ、それは彼女が予想していた方向ではなく、後方から追い抜くという意表をつく現れ方だった。
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ここまでの彼女の話を聞く限り、筆者には意中の人に会いたいという彼女の期待感によって願望夢が作られたように思えました。
ただ、一つ気になったのは、なぜ、意中の人と出会う場所が駅だったのか?という点です。
夢の舞台は学校でもよかったはず。その方がイメージしやすく、設定もリアルです。
しかし、あえて、ほとんど可能性の無い ” 駅 ” を舞台として選んでいることに、若干の違和感がありました。
そこで、次のように質問しました。
「一旦、彼から離れてみましょう。最近、駅で何かありませんでしたか? いつもと違う何か」
「いつもとは違う・・何かですか・・」
そう聞かれた彼女は、とある出来事を話し始めます。
突然の出会い
数日前、学校が終わってから、友達と雑談をしていたせいで駅に着いた時刻が、列車の発車時刻ギリギリだったそうです。
彼女は急いでホームに向かったが、階段下まで来て諦めてしまいトボトボ歩き始めた。
すると、後方から ” まだ、間に合う!” と声がして、一人の男子生徒が彼女を追い抜いていった。男子生徒に促されるようにして彼女は走り出し、二人は無事に列車に乗ることが出来たと言います。
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彼はいつも同じ列車に乗る別の学校の生徒で、話したことは無いが顔見知りでした。外見は悪くはなく、意中の人とは全く違うタイプの男子だった。
” どうせ出会うなら、好きな人だったらよかったのに ”
潜在意識は駅で起こる予定の新たな出会いを彼女の願望に合わせて、都合の良い形に作り変えたのです。
夢は未来の出来事を暗示していた・・そして、同時に彼女の願望を反映した願望夢でもあった。
こういった未来の暗示と願望夢の複合体のような夢は、別に珍しいケースではありません。むしろ、未来の出来事は、夢を見る人の願望によって歪曲されることがほとんどです。
その結果、夢が事実とは全く無関係なストーリーとなり、私たちは潜在意識から届いた本当のメッセージに気づかないまま夢を忘れていく。
彼女は夢を見てから、意中の人に関する出来事だけを待っていた。そして、それ以外の出来事については眼中に無かった。
特定の人との恋の進展ばかりに意識を向けてしまい、夢と現実との関連性を見落としてしまったのです。
主観が描かれる世界
もし、あなたが何か夢を見たとして、一見するとその夢は単なる願望夢に思えるかもしれません。
とは言え、それが願望夢だったとしても、そこに暗示的要素が含まれていないとも限らない。夢とは白か黒かという明確な判別基準があるわけではないのです。
また、夢は、あくまで ” 主観 ” を描いているということを念頭に置かなければいけません。
何をもって ” 恋の進展 ” と言うのか?
例えば、意中の人が、あなたを見てニッコリと微笑んだ。
いえ、そうではなく、彼は先ほどスマホで見ていた動画について思い出し笑いをしていただけです。
しかし、あなたは自分に微笑みかけたのだと勘違いして胸がときめいてしまう。そして、その数日前に ” 恋の進展 ” を暗示する夢を見る。
潜在意識にとって、それが勘違いであったとしても、胸がときめいたことには変わりないのです。
事実としての進展ではなく、あくまで、あなたにとって進展だと感じられたかどうかを夢は描く。
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ただ、事実として恋が進展する可能性が全く無いわけではありません。
そういった場合は、また違った心理や主観が心の中に生まれるのでしょう。その時、潜在意識は、新しく生まれた願望を元に夢を作る。
このプロセスの具体例は、以下の関連記事で解説しています。
いずれにせよ、潜在意識が見ているのは、現実世界そのものではなく、現実世界に反応した私たちの心であり、夢はそれを情景として映し出した結果です。
そこに ” 恋心 ” があるなら、それは反応であり、それがどの現実に対する反応なのかを見極める。
それによって、今起こっていること、これから起こりうることを間接的に推察するのです。
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