占い師を試すことの意味|良いアドバイスとは?

その占い師の能力は本物なのか?

大抵、お客は占ってもらうために来ている
わけですから、一応はその占い師を信用して
いると言えます。

ただ、占い師の実力を試すために、あえて
嘘をつく人もいる。例えば、本当は結婚して
いるのに、結婚していないと偽ったり。

筆者は、この類の話を聞くと、必ず疑問に
思うことがあります。

” それで、何をテストしようとしている
のだろう? ”

その人は、多分、占い師が本物ならば、
” あなたは、嘘をついていますね?
本当は結婚しているでしょう ”
と嘘を見破るはずだと思ったのでしょう。

しかし、このテスト方法には落とし穴が
あります。それは、一体、何か?

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” 偽り ” から得られる結果

例えば、誕生日。本当は1月25日なのを
26日だと偽ったとします。無論、26日の
結果は、個別に用意されているわけです。

占い師は、その情報が嘘だとは
知りませんから、26日の結果に基づいて、
それ以外の部分を関連付けようとする。

独身という立場が前提なら、
異性との縁があるのは次にいつなのか、
家庭を持っていないという前提なら、
家庭内問題は除外するなど、その人の
状況に合わせて結果をカスタムする。

もし、恋人がいないという話なら、
異性との出会いを示すカードが
過去の位置に置かれていても、単に、
” ああ、このカードは別の意味なのだろう ”
と考えるだけです。

本当は恋人がいたとしても。

タロットカードに描かれているものは、
あくまで象徴であって、事実そのもの
ではありませんから、基本情報が間違って
いた場合、正しい解釈を導くことが出来ない。

経験則から、凡そこの年代の女性は
こういったことで悩んでいるものだ
といった推理は可能かもしれませんが、
それも前提が正しかった場合の話です。

性格診断についても同じです。

例えば、偽りの情報から、その人には
リーダーシップの素質があるという結果が
出たとします。

でも、偽りですから本当は無い。

それでも占い師は、結果を元に関連性を
見つけようとします。その人の周りに、
リーダーシップを取る人物が他にいれば、
リーダーシップを取る機会はない。

でも、その場でリーダーシップを
取っていないからといって、その人に
素質が無いとは限らない。つまり、
素質は眠っているだけだと解釈する
ことは可能です。

ここで血液型占いや星座占いでちょっとした
実験をしてみましょう。まずは、自分の
血液型、星座について調べてみます。

” 確かに、言われてみると当たっている・・”

そう思えたら、別の血液型、星座についても
調べてみましょう。

すると、どういうわけか、どの記述にも、
当てはまりそうなことが書いてある。

そもそも、人は多面的なので、関連性や
共通点を見つけようとすれば何かしら
見つかるのです。

それは、文章の抽象的表現に誤魔化された
わけではなく、情報を脳内で自己都合に
合わせて解釈し、自ら共通点を探しに
行ったために起こる現象です。

それが、カードの配置であれ、
石の配置であれ、占い師が見たものは
抽象的表現であり、それをどう解釈するかは
占い師の見方に左右される。

別の言い方をすれば、結果は見方によって
どのようにでもカスタムできる。なので、
仮に占い師に嘘をついたところで、
占い師側から、

” おかしいですね。
この結果を見る限り、あなたは
既に結婚されているはずですが・・ ”

というような回答は得られるはずもない。

よほど、依頼者の顔色や態度に不審な点
があり、感の良い人なら、嘘をついて
いることに気づくかもしれませんが、
この構造上、占い師が与えられた情報の
矛盾に気づく機会はありません。

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” 腕試し ” は必要か?

筆者は占い師ではありませんが、やはり、
過去、腕試し目的で夢解釈の依頼をする方も
いらっしゃいました。

ただ、そういった方は、実際にセッションを
一通り受け終わると、それが意味の無いこと
だと気づかれるようです。

と言うのも、筆者が誤った解釈を行うか
どうかは、結局、依頼者側がいくらでも
コントロールすることが出来るからです。

依頼者に質問し、回答を得て夢解釈を進めて
いくわけですが、例えば夢の内容に伝え忘れ
があったとして、それが夢を読み解く鍵に
なる要素であっても、依頼者が黙って
いれば、大事な視点を見逃してしまう。

具体的な例で言えば、夢にとある人物が
登場したとします。それは見知らぬ男性
だと聞き、筆者は何らかの象徴として
その人物は登場しているのだと解釈する。

例えば、依頼者が日々感じている
同世代の男性に対するイメージといった。

しかし、実際は、依頼者が以前交際していた
元彼だった。

それが見知らぬ人物であった場合と元彼
だった場合では、無論、解釈は変わって
きます。

もしかしたら、心の中で元彼への
わだかまりが、まだ解消していないのかも
しれない。もしくは、過去の過ちに関する
夢だったのかも。

もし、依頼者が解釈を聞き終えた後に
登場したのは元彼だったと明かした
としても、筆者としては、

” では、解釈をやり直さなければ
いけませんね ”

と言うことしかできません。

この状況を簡単に説明するなら、
誤った資料を使えば、当然、その結果として
得られた分析データは誤り、というのと
同じです。

さて、占い師に何かを助言されたとして、
それを実行するかどうかは自身の判断です。

結局、どれだけ評判の占い師の助言で
あっても、人は最終的には自分の意思を
優先するもの。

助言は、アドバイスの一つでしかなく、
自分以外の別の視点でしかない。

そして、占い師を試す人は、何が嘘で
何が真実かを見極めようとしてる実は
自分の意思を最も重んじる人。つまり、
何事も自分で判断しようとする自立した
心の持ち主でもある。

なので、きっと、占い師がどれだけ
的確な助言をしたとしても、その人の
行動を変えることは出来ないでしょう。

試した結果が、合格でも不合格でも、
その人にとっては、本来持っている
意思の補強をする程度で、さほど影響は
無いのです。

いずれにせよ、占い師を試す人は、
その結果がどうであれ、見ず知らずの
他人の助言に従う人ではない。

試す必要は、あるのでしょうか?

サービスと対価

とは言え、それを試したいという気持ちが
全く分からないという訳でもありません。

結構な金額が提示されている場合も
ありますから、お金を払う価値があるのか
どうか、知りたいという思いは誰にでも
あるでしょう。

占いといっても、様々なタイプのものが
あります。

例えば、スピリチュアルな能力によって、
水晶玉を覗いたり、霊視をする方も
いますから、その場合は、
また、話は違ってくると思います。

何の情報も与えていないのに
部屋の間取りをピタリと当てられたのなら、
その占い師には嘘は通用しないのかも
しれません。

ただ、それが統計データに基づいた占い
であれば、次のようなことが言えます。

” 占い師の的中率はクライエント側で
コントロールできる ”

当たるか当たらないかは、占い師と
クライエントの共同作業の結果です。
正しいデータを提供すれば、
精度の高い結果を得ることが出来る。

無論、少ない情報では精度を高めるのは
難しい。

多分、良い占い師は、カウンセラーや
セラピストとしても有能でしょう。

” 占い ” という部分とは別に豊かな
人生経験を持っており、普通の人生相談
をしても良いアドバイスしてくれる。

そして、良いアドバイスとは、相談者を
理解した上でようやく生まれるもの。

当たるから信頼できるのではなく、
信頼を築くことで、ようやく当たるのです。

赤の他人が言うことよりも、自分の両親や
長い付き合いのある友人の方が的を得た
ことを言えるのは明白ですよね。あなたの
ことをよく知っているわけですから。

サービス提供者とクライエントの関係も
同じです。

それが企業であっても、ユーザーの声が
無ければ、良い商品は作れない。

ユーザーからのクレームが ” 使いにくい ”
の一言だけでは、企業担当者は何を改善
したらよいのか分かりません。

それが具体的な内容、例えば、
” ウェブサイトの情報が古いままですよ ”
とか、” 設定画面に行くには、どこから
行けばいいの? ” という声であれば、
可能な限り、担当者はすぐに修正する
でしょう。

ただ、企業の場合は、一対多という関係
ですから、個人の声が反映されにくい
というだけで本質的には同じです。

一方、一対一の関係の場合、例えば、
占い師もそうですが、セラピストや弁護士、
医師、インストラクターといった職種は、
クライエントの振る舞いによって
サービスの質が大きく影響を受ける。

支払われる対価が割りにあったものに
なるかどうかは、双方の協力関係のあり方
によって変わるのです。

双方が満足できるサービスとは、
一体、何でしょう?

片側から、一方的に押し付けられる
サービスでは、それを実現することは
難しい。また、提供されるものを黙って
待っているだけでは、やはり、難しい。

お互いの信頼関係が必要なのです。

 

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