金縛り現象と夢|2例の個人的体験

いわゆる ” 金縛り ” ですが、多分、
ほとんどの人が一度は体験したことがある
と思います。

筆者も、現在は落ち着いていますが、
一時期は頻繁に金縛りを経験しました。

金縛りを初めて体験する人には、
そのインパクトの強さから一種の心霊体験
ではないかと不安を持つ方もいます。

例えば、よくある心霊エピソードで、
某ホテルで宿泊中、金縛りになり、その後、
その部屋は幽霊が出るという噂を聞く。
そのエピソードが本当ならば、
それは ” 心霊現象 ” なのかもしれません。

ただ、筆者自身、そういったタイプの
心霊体験が一度もありませんので、
ここで話せるのは心霊現象としての金縛り
ではなく、日常において多くの人が体験する
一般的な ” 金縛り ” について取り上げて
みたいと思います。

さて、日常的に自宅の寝室などで体験する
金縛りは心霊現象とは違うのでしょうか?

仮に、あなたの自宅が墓地跡に建てられた
というのならその可能性も考えられますが、
そうでないなら・・

筆者の体験談を交えながら、もう少し
現実的な視点で ” 金縛り ” について
考えてみましょう。

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二例の金縛り現象

筆者が、一時期、ほぼ毎日のように体験した
金縛りは心霊体験というより、幻覚や幻聴
に近い ” 心霊体験を装った悪夢 ” です。

最初の頃は、心霊体験ではないかと思った
こともありました。

ただ、あまりに頻繁に繰り返すうちに段々と
金縛りの最中に起こる現象に ” ほころび ” が
見え始めたのです。

次は、筆者が実際に金縛りを体験した
時に見た夢、もしくは、幻覚の一例です。

ベッドの上で目を閉じていると、
金縛りになる。
 
左側に誰かが立っている。
 
気配がするが、怖くて
そちらを見ることが出来ない。
 
その人物が脇腹のあたりを人差し指か
何かで強く押してくる。激痛。
 
あまりに強く押すので
ベッドの端に追いやられ、
仰向けの状態でベッド脇に落ちる。
 
落ちた場所からベッドの裏側が見る。

そこで金縛りは解けました。

間違いなくベッドの裏側を見たので、
てっきり自分はベッド脇に落下したのだ
と思いましたが目を覚ますとベッドの上に
寝ていた。

つまり、金縛りの中で見たものは、
全て夢だったのです。

もう一つ、紹介しましょう。これは、
筆者が子供の頃に体験した夢です。

金縛りになる。わずかに首だけが動く。
 
右手に人気を感じ、顔を少しだけ
そちらに側に向けると、自分のすぐ隣に
三歳ぐらいの見知らぬ少年が両手で顔を
覆って泣いている。

金縛りは解けましたが、筆者の寝ている
ベッドの右手には壁があり、筆者と壁との
距離はわずか10㎝ほどで少年が入り込む
スペースは無かったのです。

そして、なぜか、筆者には、その少年が
幼少の頃の自分の姿のような気がした。

金縛りになりやすい夜

その他にも多くの典型的な悪夢を金縛り
の状態で見ることがよくありました。
それは決まって、寝入り始め、仰向けに
寝ている時に起こるのです。

やがて、横向きの姿勢で寝ると金縛りに
なりにくいということを発見しました。

インターネットで調べれば、” いびき ” の
メカニズムについて解説しているサイトを
見つけることができるでしょう。

簡単に説明すると、寝姿勢が仰向けだと
舌つけ根部分が喉の奥に落ち込み、
気道を狭め、空気が通る度に周辺の組織が
振動する。その際、酸欠状態になりやすい
というものです。

確かに、金縛りが解けるときは決まって、
さっきまで息を止めていたかのような
苦しさで目覚める。

そして、寝る姿勢の他に、もう一つ、
金縛りになりやすい条件に心当たりが
ありました。

金縛りになる夜は、寝る直前までゲームを
したり、本を読んでいたり、もしくは、
枕元で一日にあったことや何か考え事を
している時になりやすい。つまり、
就寝直前まで頭を使っていた状態で急に
眠ろうとすると、それは決まって訪れる。

脳が働らこうとしながら、その一方で
眠りにつこうともしているというちぐはぐ
な状態です。

筆者は、金縛りの原因は寝姿勢だけの問題
ではなく、交感神経が働き過ぎて呼吸が
浅くなることで酸欠に近い状態を作り出す
のではないか、と考えています。

筆者の行っている金縛りの防止策は、
一般的に知られていることと同じです。

横向きに寝る。そして、就寝前に
脳の働きをクールダウンさせるために
リラックスした時間を設ける。

就寝前のナイトルーティンについては、
インターネットにいくらでも情報は
あるでしょう。ストレッチでもヨガでも
自分にあったものをチョイスすれば
よいと思います。

イメージの紐づけ

なぜ、金縛りと同時に心霊現象にも似た
悪夢を見るのか?

それは夢を見ている本人が、金縛りと
心霊現象を脳内で結び付けているわけ
ですが、それほど難しい話ではありません。

まずは ” 息苦しさ ” という身体的苦痛から
始まり、潜在意識は ” 息苦しさ ” の
理由付けをする必要があります。

それは身体の問題ではなく、外部の問題
であると錯覚させるために、息がつまる
ようなシチュエーションを設定する。

手っ取り早く本人を信じ込ませるためには、
すでにある紐づけを利用することでしょう。
” 金縛り = 心霊現象 ” というイメージの
紐づけが存在すれば、それを利用します。

” 金縛り = 心霊現象 ” という紐づけは、
どこかで聞いた心霊エピソードだったり、
何年も前に見たホラー映画だったり、
これまでの経験で得られた情報によって
インプットされたものです。

なので、仮に、心霊現象に関する知識が
全く無い人が金縛りになったとしたら、
幽霊は出てこない。

では、実際に心霊現象としての金縛りは
本当にあるのでしょうか?

冒頭でも言いましたが、筆者には
そういった経験が無いので単なる個人的な
憶測として少し考えてみます。

まず、何らかの霊的な存在が身体を拘束
できるかと言えば、不可能だと思います。

ただ、催眠術師が暗示をかけて、対象者が
椅子から立ち上がることが出来ないという
” 思い込み ” を作ることが可能なら、
それはある意味、拘束したことになる。

もし、実際に心霊現象に遭遇した時に、
その人の中の
” こういう時は金縛りになるものだ ”
という思い込みがあるなら、自己暗示が
発動したと考えることもできます。

恐怖感と過度の緊張による体のこわばり、
そして、ちょっとしたポルターガイスト現象
さえあれば ” 思い込み ” の醸成は難しくは
ないでしょう。

仮に、それを見ていた幽霊がいたら、
こんなふうに思っているのかもしれません。

” 灰皿ちょっと動かしたら、
この人、勝手に固まったちゃったよ ”

 

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