いわゆる ” 金縛り ” ですが、多分、
ほとんどの人が一度は体験したことがある
と思います。
筆者も、現在は落ち着いていますが、
一時期は頻繁に金縛りを経験しました。
金縛りを初めて体験する人には、
そのインパクトの強さから一種の心霊体験
ではないかと不安を持つ方もいます。
例えば、よくある心霊エピソードで、
某ホテルで宿泊中、金縛りになり、その後、
その部屋は幽霊が出るという噂を聞く。
そのエピソードが本当ならば、
それは ” 心霊現象 ” なのかもしれません。
ただ、筆者自身、そういったタイプの
心霊体験が一度もありませんので、
ここで話せるのは心霊現象としての金縛り
ではなく、日常において多くの人が体験する
一般的な ” 金縛り ” について取り上げて
みたいと思います。
*
さて、日常的に自宅の寝室などで体験する
金縛りは心霊現象とは違うのでしょうか?
仮に、あなたの自宅が墓地跡に建てられた
というのならその可能性も考えられますが、
そうでないなら・・
筆者の体験談を交えながら、もう少し
現実的な視点で ” 金縛り ” について
考えてみましょう。
広告
二例の金縛り現象
筆者が、一時期、ほぼ毎日のように体験した
金縛りは心霊体験というより、幻覚や幻聴
に近い ” 心霊体験を装った悪夢 ” です。
最初の頃は、心霊体験ではないかと思った
こともありました。
ただ、あまりに頻繁に繰り返すうちに段々と
金縛りの最中に起こる現象に ” ほころび ” が
見え始めたのです。
次は、筆者が実際に金縛りを体験した
時に見た夢、もしくは、幻覚の一例です。
ベッドの上で目を閉じていると、
金縛りになる。
左側に誰かが立っている。
気配がするが、怖くて
そちらを見ることが出来ない。
その人物が脇腹のあたりを人差し指か
何かで強く押してくる。激痛。
あまりに強く押すので
ベッドの端に追いやられ、
仰向けの状態でベッド脇に落ちる。
落ちた場所からベッドの裏側が見る。
そこで金縛りは解けました。
間違いなくベッドの裏側を見たので、
てっきり自分はベッド脇に落下したのだ
と思いましたが目を覚ますとベッドの上に
寝ていた。
つまり、金縛りの中で見たものは、
全て夢だったのです。
*
もう一つ、紹介しましょう。これは、
筆者が子供の頃に体験した夢です。
金縛りになる。わずかに首だけが動く。
右手に人気を感じ、顔を少しだけ
そちらに側に向けると、自分のすぐ隣に
三歳ぐらいの見知らぬ少年が両手で顔を
覆って泣いている。
金縛りは解けましたが、筆者の寝ている
ベッドの右手には壁があり、筆者と壁との
距離はわずか10㎝ほどで少年が入り込む
スペースは無かったのです。
そして、なぜか、筆者には、その少年が
幼少の頃の自分の姿のような気がした。
金縛りになりやすい夜
その他にも多くの典型的な悪夢を金縛り
の状態で見ることがよくありました。
それは決まって、寝入り始め、仰向けに
寝ている時に起こるのです。
やがて、横向きの姿勢で寝ると金縛りに
なりにくいということを発見しました。
*
インターネットで調べれば、” いびき ” の
メカニズムについて解説しているサイトを
見つけることができるでしょう。
簡単に説明すると、寝姿勢が仰向けだと
舌つけ根部分が喉の奥に落ち込み、
気道を狭め、空気が通る度に周辺の組織が
振動する。その際、酸欠状態になりやすい
というものです。
確かに、金縛りが解けるときは決まって、
さっきまで息を止めていたかのような
苦しさで目覚める。
そして、寝る姿勢の他に、もう一つ、
金縛りになりやすい条件に心当たりが
ありました。
金縛りになる夜は、寝る直前までゲームを
したり、本を読んでいたり、もしくは、
枕元で一日にあったことや何か考え事を
している時になりやすい。つまり、
就寝直前まで頭を使っていた状態で急に
眠ろうとすると、それは決まって訪れる。
脳が働らこうとしながら、その一方で
眠りにつこうともしているというちぐはぐ
な状態です。
筆者は、金縛りの原因は寝姿勢だけの問題
ではなく、交感神経が働き過ぎて呼吸が
浅くなることで酸欠に近い状態を作り出す
のではないか、と考えています。
*
筆者の行っている金縛りの防止策は、
一般的に知られていることと同じです。
横向きに寝る。そして、就寝前に
脳の働きをクールダウンさせるために
リラックスした時間を設ける。
就寝前のナイトルーティンについては、
インターネットにいくらでも情報は
あるでしょう。ストレッチでもヨガでも
自分にあったものをチョイスすれば
よいと思います。
イメージの紐づけ
なぜ、金縛りと同時に心霊現象にも似た
悪夢を見るのか?
それは夢を見ている本人が、金縛りと
心霊現象を脳内で結び付けているわけ
ですが、それほど難しい話ではありません。
まずは ” 息苦しさ ” という身体的苦痛から
始まり、潜在意識は ” 息苦しさ ” の
理由付けをする必要があります。
それは身体の問題ではなく、外部の問題
であると錯覚させるために、息がつまる
ようなシチュエーションを設定する。
手っ取り早く本人を信じ込ませるためには、
すでにある紐づけを利用することでしょう。
” 金縛り = 心霊現象 ” というイメージの
紐づけが存在すれば、それを利用します。
” 金縛り = 心霊現象 ” という紐づけは、
どこかで聞いた心霊エピソードだったり、
何年も前に見たホラー映画だったり、
これまでの経験で得られた情報によって
インプットされたものです。
なので、仮に、心霊現象に関する知識が
全く無い人が金縛りになったとしたら、
幽霊は出てこない。
*
では、実際に心霊現象としての金縛りは
本当にあるのでしょうか?
冒頭でも言いましたが、筆者には
そういった経験が無いので単なる個人的な
憶測として少し考えてみます。
まず、何らかの霊的な存在が身体を拘束
できるかと言えば、不可能だと思います。
ただ、催眠術師が暗示をかけて、対象者が
椅子から立ち上がることが出来ないという
” 思い込み ” を作ることが可能なら、
それはある意味、拘束したことになる。
もし、実際に心霊現象に遭遇した時に、
その人の中の
” こういう時は金縛りになるものだ ”
という思い込みがあるなら、自己暗示が
発動したと考えることもできます。
恐怖感と過度の緊張による体のこわばり、
そして、ちょっとしたポルターガイスト現象
さえあれば ” 思い込み ” の醸成は難しくは
ないでしょう。
仮に、それを見ていた幽霊がいたら、
こんなふうに思っているのかもしれません。
” 灰皿ちょっと動かしたら、
この人、勝手に固まったちゃったよ ”
広告