夢を読み解くには、それが何を象徴するのか、
夢に関する豊富な知識から
適切な組み合わせを見つける能力・・
そんなものは必要ありません。
夢占いや、心理学の
” A ” から ” Z ” を覚える必要も無い。
必要なのは、あなたと、あなたが見た夢。
それだけです。
そもそも、AからZは
全てあなたの中にあります。
なぜなら、その夢は、
あなたの中から生まれたものだから。
夢解釈は、その分野に精通した
タロットカードのリーディングとは違います。
” 夢占い ” というカテゴリーがありますが、
実際は、夢解釈は ” 占い ” ではなく、
単なる ” 自己分析 ” に過ぎない。
ただ、そこに
未来への示唆が含まれているというだけで。
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夢の中の ” 直感 “
夢を読み解く上で ” 直感 ” は重要です。
” 直感 ” と言うと、芸術家のインスピレーション、
ギャンブルの勘、もしくは、
スピリチュアリストの第六感のようなイメージを
持つかもしれません。
ここで言う ” 直感 ” とは、
そういったイメージとは少々違っています。
筆者の言う ” 直感 ” とは、
夢の中で感じる感覚のことを指します。
例えば、夢の中で
振り向いて確認したわけでもないのに、
後ろに誰が立っていたか、
すでに知っていることがあります。
他にも、何かが迫ってくる気がしたとか、
誰かが部屋の中にいると思ったなど、
目で見て確かめてもいないことを根拠も無く、
” 気がした ” ” だと思った ”
と思い込む奇妙な現象。
そして、その思い込みは、大抵の場合、
当たっている。
*
夢を解く上で映像としては描写されない
夢の中で感じた ” 感覚 ” は重要な鍵になります。
夢とは、映像だけが全てでは無いのです。
夢の中であなたが感じたこと、
考えたことなど、目に見えない要素も織り込まれて、
ようやく ” 夢 ” という一つの作品になっている。
つまり、あなたが夢の中で感じた ” 感覚 ” は、
夢を見た単なる感想ではなく作品の一部です。
もし、あなたが全く行ったことのない
架空の場所に訪れて ” ここに来た覚えがある ”
と感じたなら、それは潜在意識があなたに
そう思わせるために用意したロケーション。
つまり、あなたの感覚は、潜在意識の書いた脚本に
織り込み済みだということです。
重要なのは、なぜ、潜在意識がその場面で
あなたにそう思わせる必要があったのか?
その理由です。
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目に見えない要素
夢を読み解く作業は登場人物やその振る舞い、
舞台となった場所、ストーリーという
目に見える要素に加え、
そこで感じたこと、考えたことなど、
目に見えない要素も視野に入れて
総合的な解釈をします。
具体的には、夢の中のとある場面で、
自分が何を感じていたのか、何を考えたかを
一つ一つ思い出す作業になるでしょう。
そして、自分の解釈が誤っているのか、
それとも的を得ているのか最終的に判断するのは、
あなたの ” 直感 ” なのです。
それが、正しい答えならば、
” ああ、多分、それだわ・・ ”
という自分にしか分からない
” 腑に落ちる感覚 ” を得ることになるでしょう。
ただ、” 腑に落ちる ” と言っても、
それは、推理小説を読んでいて
事件が一本の線で繋がったのを
発見した時のような衝撃ではありません。
それは、
何となく最初から分かっていたような、
忘れていたことをふと思い出すような、
淡い感覚です。
なぜなら、その脚本を書いたのは
夢を見ている本人だからです。
*
それは、夢を見た本人の得る
単なる ” 個人的感覚 ” なので、
無論、科学的に立証することも出来ない。
” 答え ” がインターネットの
どこかに載っているということもありません。
夢とは、それを見る人の本心が描かれる。
あなたの本心がインターネットで
検索できたら怖いですよね。
夢とは、精神世界の産物です。
だから、最終的には心によって判別する以外に
” 答え ” を見つける方法は無いのです。
全てを明確にしなればすっきりしない
理数系の人には理解しがたい世界ですが、
どこまで追及しようと具体化も物体化も出来ない。
それが、夢の本質です。
直感が働かないとき
ただ、人間ですから、
直感が働かないということもある。
それは、どういった時でしょうか?
例えば、知識があり過ぎると、
それを元に夢を分析しようとしてしまいます。
個人的な感覚よりも、
一般的な理論や法則などに囚われた視点で
夢のストーリーを読んでしまうのです。
その理論や法則を作った人たちは、
もちろん、あなたを知りません。
タイプ別に区別したり、従来のパターンから
典型的な答えを与えてはくれますが、
” 夢 ” という
極めて個人的で繊細なものに対しては、
教科書どおりの答えでは限界があるのです。
*
例えば、夢占いでは
ライオンは ” 権力の象徴 ” とされていますが、
あなたにライオンについて個人的な思い出が
あった場合は、その解釈は全く違ったものに
なるかもしれません。
もし、あなたが夢を見る前日に
映画 ” ライオンキング ” を観ていたとしたら、
夢の中のライオンは ” 頼れる父 ” を象徴して
いるのかもしれない。
無論、夢占いに前日に何の映画を観たか
といった細かな想定はありません。
しかし、夢を見たあなたが、
登場したライオンを見て、
なぜか ” お父さん ” を思い出したとしたら、
その感覚こそが最も答えに近いヒントです。
*
そして、直感が働かないもう一つの理由は、
強いこだわり、執着心があった場合です。
もし、強い結婚願望を持つ人が、
恋人が登場する夢を見れば、どんな内容であれ、
全ては ” 結婚の予兆 ” という
解釈になってしまうでしょう。
もし、今勤めている会社を辞めたいと
思っている人なら、夢の中のあらゆる出来事が
” 人生の転換期 ” に思えてしまう。
自身の中にこうした執着心を見つけたとき、
心の声を正確に聞き分ける必要が出てきます。
強い執着心が ” 大きな声 ” ならば、
それを否定する ” 小さな声 ”
” おいおい、少し冷静になれよ ”
” 都合がいいな。お前は ”
こうした客観的な視点に耳を傾けることが大切です。
しかし、実際、自分の中にある執着心を
自覚するというのは思いのほか難しい。
普通、人は皆、” 自分はいつも冷静だ ”
と思っているものです。
もちろん、筆者も例外ではない。
なので、筆者の場合は、
間違いなくこれが正解だと思えても、
必ず次のように問いかけます。
” 本当に、それが答えなのか? ”
直感だけでは読み解けないこと
いずれにせよ、
直感は夢解釈のベースになるものです。
それは、どちらか決められない時は、
直感に頼るという意味ではありません。
直感こそが最初に必要なもの。
それがなければ、それ以外の
緻密な理論など何の意味も無いのです。
ただし、直感だけで全てを判断する
というわけではなく、
やはり、ある程度の洞察は必要です。
あなたが夢の中で感じたそれは
潜在意識にそう思わされているだけなのか、
潜在意識の真意を見抜いた結果なのか?
それを見極めなければならない。
*
例えば、幸せな気分に浸る夢を見て、
気分はまさに ” 幸せ ” だったわけですから、
それは幸運の暗示なのでしょうか?
その前に、なぜ、潜在意識が夢という幻想の世界で
あなたを幸せにしなければならなかったのか?
という問いかけは必要なのです。
そこで現実世界のあなたは、
どんな毎日を送っているのか、
どんな悩みを抱えているのか、
それを振り返った時に、
一体、何が見えてくるのか・・
やがて、あなたは何かを見つけ、
夢の中で幸せな気分に浸りながらも、
どこか ” 虚しさ ” を感じていたことに気づく。
その ” 幸せな気分 ” は、
” 虚しさ ” を隠蔽するためのもの。
最初からあなたは、
それを感じ取っていたのです。
直感によって。
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