就寝前の小さなエピソード|世界の研究

世界には興味深い研究をしている人たちが
います。

筆者は、ネットサーフィン中に面白い研究
に関する記事を見つけるとチェックします。

今日は、その中のいくつかを難しい話は
抜きで簡単に紹介しましょう。

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働かない蟻

蟻と言えば ” 働き者 ” というイメージ
ですが、働かない蟻もいるらしい。

一つの蟻の巣には、たくさんの蟻が
住んでいる。そのうちの二割の蟻は
働かずに休んでいる。

北海道大学大学院准教授の進化生物学者、
長谷川英祐氏が率いる研究グループが
長期に渡って蟻を観察し続けた結果、
解明された生態ということです。

まあ、たくさんいるのだから怠けようと
する蟻もなかにはいるんだろう。
そう思っていたが、どうも、そういう話
ではないらしい。

実験では、150匹の蟻一匹ずつに違う色の
ペイントをつけて、それぞれの個体の一日
のスケジュールを二年間に渡って観察した。

白衣を着た大人たちが巣をのぞき込み、
真面目な表情で蟻一匹一匹をチェック
している光景は、何だか面白い。

” 今、84番は何をしている? ”

” グルーミングです ”

” 女王蟻には会いに行ったか? ”

” 今日は、まだです ”

みたいな会話をしながら。

さて、この研究が興味深いのは
ここからです。実験では、蟻の集団から、
二割の働かない蟻を取り除いてみた。

残るのは、働く蟻だけ・・かと思うと
そうではなくて、残された蟻たちの二割が
働かなくなる。

なぜでしょう?

つまり、” バッファー ” ということらしい。

バッファーとは、労働力の ” ゆとり ” の
ようなもので、お店で例えるなら、
店員の全員がフル稼働で働き続ければ、
誰もトイレに行ったり、食事を取ったり
出来なくなる。

お客さんは、いつ来るか分からないから、
誰かが店番をしなければいけないわけです。

つまり、働き詰めの蟻が一斉に疲れて
休んでしまうと、卵の世話係が一時的に
いなくなってしまう。卵は常に世話を
続けなければ死んでしまうそうです。

そこで、二割の蟻の出番が回ってくる。
疲れて休んでいる蟻に代わって重たい
腰を上げる。

もちろん、シフト制など蟻の世界には
無いので、” 反応閾値 ” によって、
働く蟻とそうでない蟻が役割を分担する。

” 反応閾値 ” とは、簡単に言えば、
怠け者度数のようなもので、集団の中で、
より腰の重たい蟻が二割の ” 働かない蟻 ”
になると言う。

そして、働く蟻ばかりの集団と、怠け者が
いる集団のどちらが長く存続するかを
コンピューターシュミレーションで
計算したところ、後者だったそうです。

疲れるまで働く蟻と、誰かが休んだとき
だけ働く蟻。

何だか、不公平な気もしますが、
自然界では、” 怠け者 ” は、種の存続の
システムに予め組み込まれた必要不可欠
の存在のようです。

そう考えると、効率を求めすぎる人間は、
自然界の中では実は非効率なのかも
しれない。

ハムスターの回し車

ハムスター用のゲージについている
” 回し車 ”

ペットショップなどに行くと、
ハムスターが中に入って、一生懸命、
回しているのを見かけたりします。

一見、ホイールの中で、丸い毛玉が
転がっているようにも見えますが・・

オランダ・ライデン大学医学部の
ヨハンナ・メイエル氏の率いる研究チーム
の実験によると、

マウスが回し車を回すのは、閉鎖空間の
ストレスが原因ではなく ” 遊び ” の一種
として回しているらしい、ということが
分かってきた。

実験はマウスの生息する森林に餌を仕掛け、
その近くに回し車を設置、それを回すか
どうかを三年間観察し続けた。

マウスは、回し車を見つけると、
自ら入って回したという。

まさか、マウスがエサを食べ過ぎたから、
運動してカロリーを消費しようとしている
というのはありえない・・

子供が初めて来た公園で新しい遊具を
見つけた時のような感覚なんでしょうか?

そう言えば、筆者が少し前に、
ホームセンターのペット売り場に足を
止めた時のことです。

ゲージの中をのぞき込むと、少し太めの
ハムスターが回し車の中には入らず、
地面に仰向け寝そべった状態で、真上に
設置された回し車を外側からだるそうに
して回していた。

運動をしたいのか、怠けたいのか・・・

どことなく、私たち人間の姿を映している
ようにも見える。

そう思いながら、しばらくその無意味な
運動を眺めていました。

それから、ハッと気づく。

ハムスターの無意味な運動をじっと
眺めている自分の行動自体が無意味
なのでは?

筆者は、その場を静かに立ち去ります。
背後に店員の視線を感じながら。

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ぐっすり眠った時の幸福感

一日を終え、布団に入り目を閉じると、
頭の中に色々なことが浮かんでくる。

仕事のこと、家庭のこと、人間関係の悩み、
もう、眠らなければいけないというのに・・

誰もが、必ず経験する寝付けない夜。

筆者も、一時期、不眠に悩まされた
ことがあります。目を閉じている間も、
時計の針がカチカチと進み睡眠時間が
削られていく。

それを意識すると、
余計に眠れなくなってしまう。

悪循環です。

何度も寝返りを打っては時計を確認する。
そして、うっすらと空が明るくなった頃に
ようやく睡魔がやってくるのです。

イギリスにあるウォーリック大学の
研究者が、質の高い睡眠をした人の
幸福感は、巨額の宝くじに当たった人の
幸福感に酷似しているという研究結果を
発表しました。

研究チームは4年間にわたり、
16歳以上の英国人3万594人を対象に、
アンケート調査を実施、睡眠と幸福感の
関連性を調査したということです。

確かに、筆者個人もよく眠れた朝は、
ある種の達成感、充足感を感じます。

眠ることは人に幸せをもたらすという
ことなのでしょう。

筆者が、不眠状態から徐々に眠れる
ようになった理由は、特に変わった
ことをしたわけではありません。

ジムで運動し、夜はリラックスできる
時間を作るという基本的なことです。
ストレスを抱えていた当時の筆者には、
その基本的なことすら出来ていなかった。

むしろ、その逆の行動を取っていました。
眠る時間を惜しんで夜遅くまで起きて
いたり、就寝ぎりぎりまでパソコンに
張り付いて仕事をしていたりした。

しかし、そうやって何か成果らしきもの
に繋がったかと言えば、多分・・
大したことは出来なかったと思います。

一日の終わりに

眠ることは、ある意味、癒しであり、
浄化です。

汚れたアスファルトが雨によって
洗い流されるように、

今日一日、あなたに起こった出来事の
全てを洗い流す。

過ぎ去った過去は戻らない。
無論、今日あった嫌な出来事も。

今日は、今日。明日は、明日。

今のあなたには休息が必要です。

誰にも邪魔されることの無い時間。
全てから解放される時間の始まりです。

では、良い夢を。

 

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