リアルとファンタジーが混在する夢|二次元的な三次元

時に夢は、現実世界と仮想世界を融合する
ことがあります。

例えば、ゲームの世界に入り込んだり、
アニメキャラクターと会話をしたり、
自分が映画の登場人物の一人になっていたり
というファンタジックな設定。

ただ、現実の日常を舞台にしたリアルな夢
に比べ、こういったあり得ない設定の夢は、
軽視されやすいのも確かです。

リアルな夢を見ると、大抵は、
” もしかして、現実に起こることでは? ”
と思ってしまいますが、

アニメのキャラクターと同居している夢を
見ても、それが実現する可能性はゼロなので
” 単なる夢 ” として片づけられてしまう。

しかし、リアルな夢は重要度が高く、
そうでない夢は低いという見方は誤りです。
その夢がリアルであるかどうかと、
実現可能性、重要性は関係ないのです。

無論、ここで言う ” 実現 ” とは、二次元の
キャラクターが三次元世界に再現される
という意味ではありません。

潜在意識は、もっと現実的な形のメッセージ
を伝えようとしている。

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” 曖昧さ ” を受け止める

次は、とある女学生が見た夢の一例です。

教室でテストを受けている。
 
なぜか教室の後ろに押し入れがあり、
ドラえもんがあくびをしながら出てくる。

彼女が言うには、教室は現実のもので、
押し入れの部分だけがアニメ化されていた
と言います。

リアルな世界とアニメの世界がどのように
一つの映像に収まるのか不思議に思われる
かもしれませんが、それは、実際に一つの
映像として描かれていた。

夢を見ていた彼女本人は、それを不自然
だとは思わなかった。

そして、彼女は、自分の見た夢を両親に
話したところ、馬鹿げた夢だと言われ、
笑われてしまったそうです。

夢の中は、曖昧であることが通常の世界。

物理的には不可能なことでも、夢を見た
本人が夢の中で成立していたと言うなら、
それは、まさに成立していたのです。

現実世界の常識やルールは通用しません。

夢の中の設定が曖昧であるなら ” 曖昧さ ”
そのものとして受け止めることが必要です。

では、この夢は、
何を意味しているのでしょう? 

彼女は、数日後にテストを控えていた。
そして、テストに向けた準備は万全とは
言えなかった。

つまり、彼女は、数日後に訪れる窮地に
対応するために、夢の中にドラえもんを
召喚したのです。

まさに四次元ポケットから便利グッズを
出してほしくなるような窮地が彼女に
訪れようとしている。

” そんな馬鹿な! ”

そう。常識ある大人なら一蹴するような
馬鹿げた演出を潜在意識は平気で夢に
組み込んできます。

先ほども言ったとおり、常識は通用しない。

もちろん、ドラえもんなど現実には存在
しないことは彼女自身理解していますし、
夢の中で何か道具を出したところで現実世界
のテスト結果が良くなるわけでもない。

しかし、何の問題もありません。

潜在意識にとっては、テストが気になって
眠れない彼女が、ぐっすり眠れるように
その場しのぎの嘘をつくことさえ出来れば
それでよいのです。

また、彼女がアニメ好きということもあり、
テストのプレッシャーを和らげるために、
現実的な解決手段よりは、あえて、
ゆるキャラとして国民的に親しまれている
” ドラえもん ” を選択したのでしょう。

そのおかげで夢全体から陰鬱な雰囲気を
取り去り、軽いタッチに仕上がっています。

別にアニメキャラとは限らず、登場した
者が芸能人であっても、神話上の動物で
あっても、必要であれば、潜在意識は
それを夢の中に組み入れるでしょう。

その時は、夢の中でそのキャラクターが、
どんな役割を与えられているのかが焦点
になります。

そのキャラクターの登場によって、
どんなメリットがあるのか推察するのです。

その夢は、夢を見ているあなたが作った
ものですから、あなたにメリットが
無ければ登場しなかったはずの存在。

それが登場しているなら、そこには必ず
意味がある。

自由な表現

では、もう一つ、夢を紹介しましょう。
次は、筆者自身が見た夢の一例です。

自室の窓から、外を眺めている。
 
なぜか、窓の片隅にマウスカーソルが
置かれている。
 
付近を歩いている子供を
ドラッグ&ドロップして動かしてみる。
 
その操作が面白くて、近所の家々を
マウスで動かしながら配置換えして遊ぶ。

この夢は、窓から見える景色をパソコンで
画像を編集するような感覚で操作して
遊んでいます。

注目点は、窓から眺めるリアルな風景と、
パソコン画面が合成されているという部分。

面白い演出ではありますが、それは、
潜在意識がふざけているわけではなく、
それが表現として最も適切だったという
ことなのです。

この夢の場合、身近なパソコン操作の感覚
を利用して、身の周りの ” 日常 ” を
コントロールしたいという欲求をシンプル
な形で満たそうとしています。

例えば、繰り返される毎日に息が詰まる
ような時、気分転換をしたいと思うでしょう。

髪型を変えてみたり、部屋を模様替えして
みたり、許される範囲で何かをカスタマイズ
する。

ただ、この夢の場合は、もっと広い範囲の
” 日常 ” 言わば、” 自分を取り巻く現実 ”
そのものをコントロールしようとしています。

夢の中で、窓から見える建物を実際に動かす
とすれば、かなりの想像力が必要でしょう。
巨人が現れて家を持ち上げるとか、地殻変動
で地面が動くとか・・

また、大掛かり過ぎる演出は、結局、
何が目的なのかが分かりづらい。

もっとシンプルで直感的にコントロール
するために窓から見える景色が二次元化
されています。

この夢において重要なのは、自身を取り巻く
現実を ” 簡単に ” カスタマイズできる
という点です。

一言で言うならば、筆者は夢の中で
現実を ” 模様替え ” してみたのです。

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馬鹿げた演出にも意味はある

潜在意識の表現には縛りがありません。

それが、二次元であろうと、三次元で
あろうと、その両方であろうと、目的さえ
達成することができるなら関係ないのです。

もし、あなたがリアルな世界と
ファンタジックな世界の混在した夢を見た
としても、それを特に他の夢と区別する
必要はありません。

むしろ、夢の解釈を妨げるのは現実世界の
ルールを基準に考えてしまうことです。

” 現実的に不可能だから意味が無い ”

” アニメキャラクターと会話するなんて
馬鹿げている ”

” 単なるおとぎ話の延長だ ”

それが、どんなに馬鹿げた設定であっても
夢の世界では、それこそが ” リアル ” です。
その全てが大真面目に作られた演出であり、
その一つ一つに意味が込められている。

例えば、馬鹿げた演出の一つに
” 言葉遊び ” があります。

観葉植物として家庭に置かれることのある
” トキワシノブ ” というシダ系植物があります。

長い間、交際している恋人にプロポーズを
待たせている男性が、次のような夢を見る。

窓辺に置かれた
トキワシノブが枯れかかっている。

この場合、トキワシノブは、プロポーズを
待ち続ける恋人を表しています。まさに、
” 時を忍んで待っている ” わけです。

それが枯れかかっているわけですから、
このまま彼が何もしなければ、二人の関係は
終わってしまうのでしょう。

一見すると、語呂合わせ、浅はかなジョーク
のようにも思えますが、夢を見た本人が連想
としてイメージを結び付けてしまった以上、

それが ” 言葉のあや ” であったとしても、
潜在意識は、ためらうことなくその記憶を
利用し、演出として組み込んでいきます。

あなたが、もし、ファンタジックで馬鹿げた
設定の夢を見たとしても、そこに込められた
メッセージは至って真面目なものです。

潜在意識がリアルな描写を避け、
そのファンタジックな表現をあえて選択した
意図を探ってみてください。

それが例えフィクションに見えたとしても、
その夢には、必ず意味があるのです。

 

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