好きな人から “メッセージ” が届く夢|今も変わらぬもの

誰もがLINEアプリを使ってメッセージを
やり取りしています。時系列に並んだ
吹き出しの中で気軽に会話する。

人々の日常生活に浸透し、身近な存在と
なったLINEが、私たちの夢に登場する
ようになるのは必然でしょう。

無論、現代に生まれた新しい
コミニュケーションツールですから、
古くからの伝承を受け継ぐ夢占いという
観点から言えば適当な解釈が存在しない
アイテムの一つです。

これを旧来どおり夢占いによって解釈する
としたら、コミュニケーションに関する
ものという点では ” 手紙 ” とか ” 電報 ”
” 電話 ” というような項目を参照して類推
することになるでしょう。

もしくは、会話のような吹き出しという
意味で ” 会話 ” という項目から何かヒント
を得ようとするかもかもしれない。

しかし、” 手紙 ” と ” LINE ” は、似て
非なるものですし ” 会話形式 ” と ” 会話 ” に
ついても同様です。

ならば、LINEアプリを操作したり、
メッセージを確認しているという夢を
見た場合、どう解釈すべきでしょうか?

新しいツールには、それに応じた
別のアプローチが必要なのでしょうか?

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継ぎ接ぎのアプローチ

次は、とある女性の見た夢の一例です。

好きな人からLINEメッセージが届く。
 
メッセージを読んでみると、全く
自分とは無関係なことが書いてある。
 
間違えて送ってきたようだ。

意中の人からメッセージが送られてきたが、
誤送信だったという切ないストーリー。

これを夢占いで調べるとすれば、
” 意中の人 ” ” メッセージ ” ” 間違い ” など、
思い当たりそうないくつかのキーワードを
抜き出して調べることになります。

そして、バラバラに調べたその一つ一つの
解釈を総合して何となく意味を探り出す。
多分、漠然とし過ぎて具体的な意味までは
分からないでしょう。

こういった継ぎ接ぎのアプローチによって、
” 答え ” を見つけることは実に困難です。

それは、夢を読み解く側の読解力に問題が
あるわけではなく、単に読み解き方の問題です。

例えるなら、別々のパズルからいくつかの
ピースを抜き出して、一つの絵を作ろうと
しているようなものです。

LINEアプリに限らず、新しく出てきた
テクノロジーやツールを既存の解釈で理解
しようとすると必ずこの問題に行き当たる。

では、どのような方法なら妥当なのか?

まず、夢を読み解くためには、
夢を見た人をよく理解するということです。

夢の作り手はそれを見た本人ですから、
まず、作り手のことを知るということが
基本です。それが、自分の夢ならば
自分自身をよく理解しておく必要がある。

つまり、自己分析です。

個人的な事情

では、” 自分を知る ” とは、具体的には
どういったことでしょう?

今回の夢について言えば、まず、夢を
読み解く前に知っておくべきことは、
現在、彼女が置かれている状況です。

恋愛においては、同じく意中の人がいた
としても、人によって様々な状況という
のがあります。

意中の人とは全く接点が無く、自分は
遠くから眺めているだけで喋ったことも
ない。

友達数人とグループとして遊んだことは
あるが、二人だけで会ったことはない。

何となく自分の気持ちは相手には伝わって
いるが、それとなしに避けられている。

これ以上近づくと今の友達関係が壊れて
しまうかもしれないなど、

男女の関係は好きか嫌いかという単純な
形ばかりではありません。様々な憶測や
心理が交錯して色々な表情を持っています。

筆者は、彼女が置かれている現在の状況
を把握するために質問をしました。

” あなたの好きな男性とは、現在、
どういった状況ですか? ”

彼女いわく、意中の人とは友人の紹介で
LINEを通じて知り合ったということで、
何度かグループで集まり遊んだことがある
ということでした。

そのとき、誰に対しても分け隔てなく
細かな気を使う彼の態度に胸を打たれた。

LINEでメッセージを送り合うことも
出来きるが、彼と個人的なやり取りは
一度も無いということでした。
現在は何のきっかけも無く、進展も
期待できないほとんど諦めている状態。

こうした彼女のこれまでの経緯、
個人的な思い、置かれている状況を確認
することは夢を読み解くためのベースに
なります。

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紛らわしい設定

今回の夢では、意中の人からの間違い電話
ならぬ、間違いメッセージが届くという
設定になっています。

” メッセージの内容は
どういったものでしたか? ”

彼女の説明では、それは買い物リストの
ような文面だったと言います。その内容は
覚えておらず、何かのメモか覚書のような
文章だった。

夢の中で彼女は、彼が何かのメモを誤って
送信してしまったのではないかと思った
そうです。

意中の人から個人的なメッセージが届く
というなら彼女の願望が夢になったのだと
解釈することも出来ます。

しかし、この場合は無関係なメッセージが
届くという少々変化球のような演出。

さて、ここで思い出してください。
この夢は、彼女自身が作ったものです。

つまり、彼に操作ミスをさせ、彼女に向けて
メッセージを誤送信させているのも彼女自身
による演出だということになります。

意中の人が、本当にメモを誤送信したわけ
ではありません。

要するに、彼女は自分に向けて間違い
メッセージを送り付けていることになります。

なぜ、彼女の潜在意識は、このような
紛らわしい設定を採用したのでしょう?

なぜ、単なるメモをLINEメッセージとして
自身に送らなければなかったのでしょう?

筆者は、その男性に向けて自分から
メッセージを送ったことは一度も無いという
彼女の話を聞いて、次の質問をします。

” 自分から送ってみようと思ったことは
ありますか? ”

彼女は、” 何度もある ” と答えます。

しかし、結局送らなかった。送る勇気が
無かったと言った方がいいかもしれません。

この時点で、筆者は彼女が恋愛には
消極的な人柄だということを知りました。

彼女の中の安堵感

なぜ、彼女に送られたものが
無意味なメッセージだったのか?

そのメッセージは無意味である必要が
あったのです。

なぜなら、この設定の目的は、
メッセージの内容ではなく、メッセージが
届くことを確認するためのものだからです。

振り返ってみましょう。

彼女は恋愛には消極的で現在は彼と距離を
縮めるきっかけもなく、半ば諦めている
状態でした。

つまり、今後、彼からメッセージが届く
可能性が無いことは、彼女自身が自覚して
いることです。

彼女の潜在意識は、
こう思ったのではないでしょうか?

” まだ、繋がっているはずだよね。
途切れてないよね? ”

彼女は、誤送信を利用して、意中の人と
連絡を取り合うことが出来るのかを確認
しようとしているのです。

ただ、消極的な彼女が自ら彼にメッセージ
を送るわけにもいかず、

また、彼からメッセージが届く可能性が無い
ことも十分理解した上で残された確認手段が
” 彼からの誤送信 ” です。

同時にLINEの仕組み上、彼女がメッセージを
確認したことを ” 既読 ” によって意中の人に
伝えることが出来る。

例え誤送信であったとしても、それによって
一応は二人の間のコネクションがまだ生きて
いることが証明出来ます。

好きな異性を諦めるべきかどうかという
微妙な時期に彼女はそれを今一度、確認
したかったのではないでしょうか。

夢の中で彼から間違いメッセージが
届いたとき、彼女は、なぜかほっとした。

それは、二人の関係が完全に絶たれた
わけではないことを確認できた安堵感
だったのでしょう。

人の心

今回の夢を読み解くためには、彼女の恋愛
に対する向き合い方、意中の人との関係、
彼女が夢の中で感じた事、思った事などを
一つ一つ理解する必要がありました。

それは、とても地味で内面的な作業。

仮に、夢の中に次世代のテクノロジーが
登場したとしても ” 人の心 ” 自体が変わる
わけではありません。それは、どんな時代
でも常に同じです。

大切なのは、”人の心 ” を理解することです。

夢が生まれた場所がそこならば、その原点を
理解しなければ、そこから生まれたものを
理解できるはずもない。

もし、あなたが夢の中で、
それがLINEであれ、インスタグラムであれ、
メールであれ、何らかのメッセージを
受け取ったとしたら、メッセージの内容
だけに注意を向けるべきではありません。

メッセージが送られた背景、そして、
自分の置かれた状況、そこに何か繋がりが
ないか考えてみることが必要です。

そして、その夢は、自分自身が作った
という視点が必要です。

夢の中のLINEは、あくまでLINEに似せた
あなたのイメージに過ぎないということを
忘れてはいけません。

 

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