仮に、あなたが誰かに片思いをしているとします。その人が夢に登場したら、その夢が何を意味しているのか、多分、気になるでしょう。
つまり、あなたは自覚しているわけです。自身の中にその人に対する執着があることを。
特定の人物に執着することが、必ずしも悪いというわけではありません。恋をするというのも一つの執着です。
ただ、気をつけておきたいのは、強すぎる執着は夢解釈において障害になりえるということです。
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夢に影響する ” 恋愛観 “
” 執着 ” は願望を作り、願望は夢を作る。
例えば、就寝前に必ず、好きな人の写真を眺めてから、目を閉じるという習慣を続けていれば、いつか夢の中にその人が登場することになるでしょう。どんなシチュエーションになるかは別として。
でも、それは単なる脳への刷り込みですよね。
それを夢占いで調べ、恋愛成就の兆しに無理矢理結びつけることは出来ません。その夢は必然として作られたからです。
写真を眺める習慣は大袈裟だとしても、強い執着があるほど、願望夢が作られる可能性が高まり、本物のメッセージが届きにくい状態を作る。
それでも、恋する人は解釈を捻じ曲げてでも願望夢から ” 恋の進展の暗示 ” というメッセージを欲しがるものです。そして、実際にそれが出来てしまう。
夢解釈には正解が無く、都合よく解釈しようと思えばいくらでも可能。数学のように明確な真偽は永久に得られないことが夢の本質です。
仮に、あなたが意中の人が登場する夢を見たというなら、情熱は一旦、横に置きましょう。そして、平常心と客観的視点が必要です。
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恋愛に関する夢では、その夢を見た本人の ” 恋愛観 ” が設定やストーリーに大きく影響する。
故に、夢を読み解く前に自身の恋愛観がどういったものか再確認しておく必要があります。
次は、とある女性が見た夢の一例。
通勤電車に乗っている。
人混みの中に意中の男性を見つける。
彼に近づこうとするが、人が邪魔で近づくことが出来ない。
隙間から、見知らぬ女性と楽しそうに会話をしている彼を目撃する。
この夢を見た女性は、通勤時に利用する電車に、いつも同乗するとある男性のことが気になっていました。
しかし、彼女は、恋愛には消極的で自分から行動するタイプではありません。
この夢の最初のポイントは、人混みによって意中の男性に近づけないという部分。これは ” 彼に近づく勇気がない ” という彼女の消極的な気持ちを表している。
人混みのせいで近づけないのではなく、近づかずに済む言い訳として、夢の作り手である彼女自身が人混みを演出の一つとして配置しているのです。
そして、二つ目のポイントは女性の存在。楽しそうに彼と話す美しい女性。
彼にお似合いの女性を用意することで、消極的な自分が太刀打ち出来るような恋ではないという ” 敗北宣言 ” をしてる。
ここでも、彼女の自信の無さが表れています。
なぜ、今なのか?
このケースでは、彼女は彼に対する強い執着があるというわけではなく、むしろ、諦めてしまいたいという本音が夢を作る動機となっています。
” 諦めたい ” という彼女の消極的な願望が、諦めやすい設定を選択している。
ただ・・・彼女は、なぜ、今、このタイミングで諦めたいと思ったのでしょう?
言い換えるなら、彼女の潜在意識は、なぜ、今この夢を作らなければならなかったのか?
これについては、二つのパターンが考えられます。
過去をきっかけに夢を作った。もしくは、未来をきっかけに夢を作った。
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例えば、この夢を見る前日に、彼が携帯電話で誰かと楽しそうに話していたのを偶然目撃したとか、車内で一度、目が合ったが彼が目をそらしたとか、
小さな出来事ですが、彼女にとっては精神的ショックとなり、” 諦め ” という感情を呼び起こした結果、それが夢を作るきっかけになったと考えることは出来る。
その場合、夢はその出来事をきっかけに作られた単なる願望夢と判断することが出来ます。
しかし、何の脈絡も無くこの夢を見たという場合、つまり、夢に結びつけられそうな出来事や心の変化に心当たりが無い状況で今回の夢を見たというなら、
今後、何か、彼に関する出来事が予定されており、それを察知した潜在意識が、前もって夢を作っているという可能性はあります。
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無論、未来をきっかけに作られる夢も、過去をきっかけにするものと同じく、些細な出来事が発端なのかもしれません。
例えば、数日後、彼が電車を降りた後に、すれ違いで美人の女性が乗り込んでくるのを彼女が目撃する・・という出来事が予定されているとします。
その時、” もし、二人が同じ車両に乗って出会ってしまったなら・・ ”
という彼女の単なる憶測と妄想が今回の夢を作ったという可能性も考えられます。
それが愛とは限らない
さて、それが過去をきっかけにした夢にせよ、未来をきっかけにした夢にせよ、彼女の潜在意識が送っているメッセージは、
” 叶わぬ恋は諦めるべき ” と言うことなのでしょうか?
彼女自身は、そう解釈したがるかもしれませんが、実際、潜在意識が伝えているのは、” 自分は、その恋を叶わぬ恋にしたがっている ” という事実しか伝えていません。
” 諦めたい ” という気持ちは、それが消極的な願望であっても、ある意味、諦めの感情に囚われた ” 執着 ” です。それによって夢が伝える本来のメッセージを読み誤ることもある。
夢が映し出すのは、常に、
” ~である ” ではなく、” ~でありたい ” です。
” ~ でありたい ” という潜在意識の声は、夢を見ている本人の気持ちそのものであり、結局、そのメッセージをどう受け止めるかは、彼女次第なのです。
この主張は、一見すると、未来に関する暗示を否定しているように聞こえるかもしれませんが、” ~でありたい ” が単なる願望を描いているに過ぎないという意味ではありません。
” ~でありたい ” という願望を持つことが、未来を示唆することもある。なぜ、このタイミングでその願望を持つ必要があったのか? 何のきっかけもなく、意中の人の夢を見た彼女のように。
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もし、あなたの夢に意中の人が登場したなら、まずは、自身の中の執着について考えてみましょう。
対象に向けられた執着を客観的に捉える。
なぜ、その人に好意を持ったのか?
その発端は何だったのか?
もしかすると、求めているものは、恋人ではなく、良き理解者なのかもしれない。もしくは、厳しい現実から逃れるためのシェルターなのかも。
それによって解釈も変わります。
それが良き理解者であるなら、意中の人の言葉はあなたの心を打つでしょう。その夢が描いているのは恋の成就ではなく、自己肯定です。
それがシェルターなら、脅威が去れば、シェルターの役目は終わり、執着は消える。夢の中の意中の人は、雨に濡れないための傘に過ぎない。
すなわち、夢に描かれていたのは、恋愛感情ではなく、不安の解消です。
正しいメッセージを得るには、自身の内面を冷静に省みることが鍵になります。
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