夢は現在の願望が描かれる場合も
ありますが、潜在意識が、一足先に
察知した未来の出来事を描くこともある。
いわゆる ” 予知 ”
正確に言うなら、出来事そのものを描く
わけではなく、出来事に対する
その人の ” リアクション ” を描く。
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リアクションとは?
” リアクション ” と言っても、現実世界で
言うリアクションとは、少々違います。
例えば、明日、仕事でミスをして、会社の
上司に怒られる未来が待っているとします。
現実世界では、私たちは上司にミスを
責められると、言い訳をしたり、
平謝りしたり、汚名を返上しようとしたり、
自発的な行動を取りますよね。
夢の世界では、現実世界とは違った
リアクションの取り方をします。例えば、
別の人も同じミスをしている夢を作る。
別の人に同じミスをしてもらえば、
自分のミスが目立たなくなる。自分を
責める予定の上司のミスなら、なお都合が
良いでしょう。
*
つまり、現実世界では自分の行動でしか
トラブルに対処出来ない一方で、
夢の世界では、ストーリーを変更して
それを回避する。
なぜ、それが出来るかと言えば、その人
自身が夢という世界の創造主だからです。
なので、筆者の言う ” リアクション ” とは、
夢の世界の創造主だった場合のリアクション
のことです。
月曜の出勤が憂鬱ならば、巨大隕石を
落として会社を消滅させることも出来る。
準備不足でテストを受けたくないなら
試験会場から出入り口を取り去れば
よいのです。
夢が支離滅裂に見えるのは、多くの人が
この性質を理解出来ていないからです。
歪められた世界
” 未来を暗示する夢は、未来の出来事に
対するリアクションである ”
これを言い換えるなら、夢は事実を
描いているわけではなく、事実に対する
本人の ” 主観 ” を描いていると言うことも
出来る。
それは、あくまで ” 主観 ” ですから、
職場で上司が一言注意しただけでも、
その人にとっては、
” 死ぬほどイジメられた。
明らかなパワハラだ! ”
と感じるかもしれない。
その場合、夢の中では職場での日常的な
トラブルは途轍もない災いとして描かれる
ことになります。例えば、なぜか監禁され、
外国のテロリストから尋問を受けている
というような・・
つまり、日常、私たちが見ている夢とは、
” 主観 ” という鏡に映った歪められた現実を
見ているのです。
例え、それが未来の出来事であっても。
潜在意識の視点
では、具体例を見ていきましょう。
次は、筆者自身が見た夢の一例です。
交差点で信号待ちをしている。
後方から一台の車が侵入してくる。
歩道と車の間を無理矢理
すり抜けようとして接触する。
運転手が降りてきて、
事故の状況を確認している。
この夢は、一見、交通事故を予知している
ようにも見えますが、必ずしも夢の中の
事故がそのまま現実になるというわけでは
ありません。
冒頭でも説明したとおり、夢は出来事
そのものを描くことはない。
そもそも、潜在意識に出来事をそのまま
描写する動機が無いのです。
*
こう思う人もいるかもしれません。
” 事実そのものを描写すれば、夢を見た
私たちが未来の災難を回避できる
じゃないか。それは、十分な動機では? ”
この疑問が浮かんだとしたら誤解して
いるのです。
潜在意識は、私たちにそれを回避させる
ために未来予知をしているわけではない。
潜在意識自身が、目の前の危機を回避
しようとしているのを私たちが ” 夢 ”
という形によって目撃しているだけ
なのです。
潜在意識は、それを未来だと思っていない。
つまり、潜在意識にとって出来事を
感じとった時点が ” 今 ” なのです。
例えば、お化け屋敷に入ってから
怖がるのと、入る前に怖がるのと、
何か違いはあるでしょうか?
潜在意識にとっては、入ったか
入ってないかはどうでもよいのです。
どのみち、その恐怖感は現在感じている
ことには違いないのですから。
潜在意識は、あくまで今、起こっている
ことに対処している。ただ、私たちに
とって、それは ” 未来 ” なのですが。
数日後のトラブル
では、今回の夢に描かれた交通事故は、
どんな意味があるのでしょう?
一つ考えられるのは、何か別の出来事を
交通事故に例えて表現しているという
可能性です。
例えば、ルールを守って社会生活を
送っている筆者が、突然、守らない人の
迷惑行為で被害を被る。と言ったような
出来事を今回の交通事故に例えて描いて
いるのかもしれません。
*
実際、この夢を見た数日後に
筆者はとあるトラブルに遭遇します。
朝、出勤するために駐車場に行くと、
車が傾いていることに気づきます。
左側のタイヤがパンクしていたのです。
夢の中の事故では、接触したのは
左側だった・・
仕方なく筆者は修理業者に連絡を取り、
まだ、新しかったタイヤを買換えなければ
なりませんでした。
後で分かったことですが、タイヤには
尖った何かで故意に傷を入れられた形跡が
あった。
さて、タイヤにイタズラをされたという
この件と数日前の交通事故の夢は、
” 車に関するトラブル ” という点では一致
していますが、随分、状況が違っています。
この夢における筆者のリアクションとは、
” タイヤの悪戯 ” を ” 交通事故 ” に
置き換えたという部分です。
なぜ、置き換えたのか?
その方が都合がいいからです。タイヤの
悪戯ならば、犯人がつかまって弁償でも
しない限りは、自費で修理しなければ
ならない。
公道での事故ならば、ぶつかってきた
ドライバーに責任がありますから、車に傷が
ついても保険によって弁償してもらえます。
つまり、より損害の少ない状況に
シチュエーションを置き換えたのです。
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トラブルを回避する一番の方法
例えば、あなたが、今後何かトラブルに
巻き込まれる予定があったとします。
それが、あなたにとって重大なことならば、
夢になる可能性がある。ただ、それは、
トラブルそのものを描くわけではない。
今回の夢のように一部が一致している
だけで、その内容は違っているという
パターンもありえます。
ただ、それが不慮の出来事や偶然でも
なければ、大抵のトラブルは予測出来る
ものです。
戸締りをしっかりしていなければ、
空き巣に入られる可能性はありますし、
携帯をどこにでも置きっ放しにしていれば
いつか紛失するでしょう。
筆者の体験したようなトラブルを予測する
ことは難しいかもしれませんが、防犯用の
ブザーや人感センサーを駐車場に取り付ける
ことぐらいは出来たでしょう。
*
夢を見る以前に、日常の気の緩みが
トラブルを招く。
結局、トラブルを防止するのは、
毎日の備えや小さなうちに問題の芽を
摘み取っておくというありきたりで
当たり前の対処です。
あくまで夢とは、セカンドオピニオン
のようなものです。
なので、もし、夢を見た時に、
” もしかして・・ ” と気にかかることが
あれば、身の回りについて思い返し、
忘れていることや気の緩みは無いか、
再確認することは良いことだと思います。
それが、結果、夢とは無関係であった
としても、気を引き締めることが損失に
なることは無いのですから。
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