長編ストーリーの夢|冒険をした感覚と心理 (3)

では、物語の終盤、駐車場の場面
について考えていきましょう。

最後に駐車場で彼女は、
電話をかけてきた友人Aと再会する。

友人Aは涙を流しながら、
彼女に ” 本当のこと ” を話す。

この場面における友人Aは
どういった位置づけなのでしょう?

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ラストシーン

まず、冒頭では、
” 問題を抱える人 ” の象徴的存在
として友人Aが登場しています。

そして、当初、傍観者であった
彼女に電話をかけてきた。

この場面では彼女に情報を
リークした組織の裏切り者という
立場で登場しています。

会議室の場面を思い出してみましょう。

そこには、三人の役員がおり、
その内の一人が話合いに
納得していない様子だった。

つまり、組織内部にも
問題意識を持っている者がいた。

問題から目を背け続けることに
違和感を感じ始めていた彼女の
心の叫びが、まだ、それを明確に
認識していなかった彼女に
電話をかけたのです。

この場面における友人Aは、
” 最初に問題意識を持った
もう一人の自分 ” です。

また、犯罪組織は彼女自身から
生まれたものですから、言わば、
逃亡していた彼女自身も
組織内部の人間なのです。

そして、友人Aは泣きながら、
彼女に謝る。

” こんなことになってごめん。
私があなたに電話したせいで ”

本当は、こんなことで
落ち込みたくないが、どうしても
伝えなければならなかった。

このまま無視し続けることは出来ないと
気づいてもらう必要があった。

それが心をかき乱す結果に
なったとしても。

*

セッションの終わりに、
彼女は次のように言いました。

” Aにそう言われて、
私も泣いてしまったんです。
それで、もういいから。
全部、分かってたからと・・ ”

夢を作ったのは彼女自身なので
本当は、心の中で何が
起こっていたのか、
全て知っているのです。

それが、
言語化されていなかっただけで。

ただ、筆者には、
一つの疑問が残りました。

この夢が、職場で感じている
ジェネレーションギャップの問題を
描いているとして、それほどまでに
この問題が彼女の心を
脅かしていたのだろうかと。

彼女にこの疑問を話すと
次のように答えます。

” 多分、Aの出産のこともあったので
自分の人生について考えて
しまったんだと思います。
私の場合、仕事でキャリアを築くか、
結婚して家庭を持つかという
二者択一を迫られているわけではなく、
職場にも居場所が無く、家庭を持つ
ことも出来ないという状況なので・・ ”

筆者は、話を聞き、思った以上に
彼女の抱えているものは深刻だと
気づかされました。

この夢は、彼女の人生のテーマを
描いていたのかもしれません。

*

最後に電話の場面に戻り、
ストーリーの幕は閉じられます。

潜在意識は、いくつかの場面を
必要に応じて追加しながらも、
最後に最も伝えるべきことを
ストレートに描いている。

結局、それは、心の奥底で
苦しんでいたもう一人の自分から
送られてきたメッセージを
受け止めるというシンプルな
物語なのです。

電話で交わされた友人との会話。

それが、この夢が
伝えていることの全てです。

冒険をした気分

長編ストーリーの夢は、
様々な場面によって構成されます。

その一つ一つに意味がある。

夢を見ている本人は、
眠っている間、ずっと
ベッド上にいるわけですが、
心は常に変化し続けています。

今回の夢では、
彼女の心の変化が場面ごとに
克明に描写されていました。

まさに人の心は眠っている間も
成長していくのです。

*

では、長い夢から目覚めた時に
壮大な冒険を終えたようなような
不思議な感覚。

あの感覚は、どこから来るのか?

それは、夢の中で精神的な
紆余曲折を経て、何かを悟ったり、
探していた答えを見つけたり、という
” 心の旅 ” を描いているからです。

眠り始めた時から、その心境が
大きく変化したとしたら、
その大きさは夢の中で
距離や時間に置き換えられる。

彼女の見た長い夢は、結局、
すでに内心では分かっていたことを
描いているだけのようにも見えます。

ただ、それを何となく知っていたのか、
または、しっかりと受け止めたのか、
本人にとっては大きな違いだった。

あまり変化が無いように見えて、
実は、とても意味のあること、
それを見落とすべきではありません。

たった1㎜の変化。

それは、その人にとって
本当に1㎜なのでしょうか?

*

さて、あなたが長編ストーリーの
夢を見たとしたら、どのように
解釈していけばよいのでしょう?

会議室の場面について、
彼女は自ら解釈を導き出しました。

それが、夢を読み解くヒントとなった。

長いストーリーの中で、何となく
読み解けそうな場面があれば、
そこを掘り下げていくという方法は、
あながち間違いではありません。

自分を取り巻く日常や現実の出来事と
夢の内容に ” もしかして・・ ” と
思わせる関連性を見つけることが
あるかもしれない。

もし、それを見つけたら、
時間をかけて、
質問を繰り返していくのです。

なぜ、この人は登場しているのか?

なぜ、この場所なのか?

なぜ、リアルではなく、
架空の設定を選択したのか?

なぜ、このタイミングで夢を見たのか?

なぜ、・・・

そのうちに映像としてのストーリー
の中に、別のストーリーが
浮かび上がってくる。

それが、” 心の旅 ” です。

 

関連記事 : 長編ストーリーの夢|冒険をした感覚と心理 (1)

関連記事 : 長編ストーリーの夢|冒険をした感覚と心理 (2)

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