職場の人間関係が悪くなる仕組み|奪う者、奪われる者

会社で働く上で
最も精神的負担になること。

” 人間関係 ”

働くということは、
様々な責任を背負うことになります。

営業職なら与えられたノルマ。
部下がいるなら上司としての監督責任。
経営者ならば利益を上げ、株主や
従業員に対価を支払うことでしょう。

そして、会社という集団の中で
各々が与えられた役割を果たさなければ、
いずれ誰かに責任を追及される。

” 人間関係 ” が会社において
最も頭を悩ます問題になる理由は、
会社で起こりうるほとんどの問題が、
誰かの責任を追及することで解決できる
かのように見えるからです。

今回は、組織の中で
誰もが陥りやすい責任追及の心理と
職場に潜む ” 人間関係の罠 ”
について見ていきましょう。

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給料と仕事のバランス

例えば、給料が安いという問題。

もし、月に10万円の給料だったとして、
それはとても低いと感じます。
しかし、それが1時間12500円の
週二日出勤なら、かなり割高な
アルバイトでしょう。

要するに、給料が安いというより、
額に見合った仕事量ではない
ということです。

また、仕事量ではなく、
仕事の内容という点では、正社員と
パート社員との役割が曖昧になって
いるという問題があります。

パート社員の給料で正社員並みの
仕事を押し付けられている。

平社員の給料で管理職の仕事を任され、
会社に能力を買われているという
都合のいい ” やり甲斐 ” によって
巻かれたネジが止まるまで働き続ける
若者もいます。

*

給料の額というより、給料と
仕事内容のバランスが適正なのかどうか、
ということがこの問題の本質です。

なので、給料が月100万でも、
仕事内容によってはバランスが
崩れた状態はありますし、
給料が月10万でもバランスの
取れた状態はある。

また、将来的に有望な仕事なら、
現在の給料に少々の不満があった
としても、リターンを考えれば
長期視点でバランスがとれている
というケースもあります。

問題は、それが相対的な基準なので
業種や地域、会社によってバランスの
取れた状態というのが、簡単に
判別しにくいという点です。

仮に、バランスが若干悪かった
としても簡単に転職が出来るような
時代ではありませんから、
多くの人が不満に思いながらも
現状を甘んじて受け入れている。

そして、そういった不満を持ちながら
働く人たちによって構成された
” 会社 ” というコミュニティ。

このコミュニティの中で
一体、何が起こっているのか?

*

職種や地域、各会社によって
バランスの取れた状態が町々である。
また、そのバラツキは、会社という
集団の中にもはやり存在しています。

とある部署では仕事配分の
バランスが取れているが、
こっちの部署は一部の社員に
仕事が集中しているとか、

同じ部署内であっても
ある社員は楽しているが、
他の社員は苦しんでいるとか、

バランスの歪は各レベルに存在しており、
そこで割に合わない仕事をする人と
そうでない人を分ける。

もちろん、会社の中で誰一人
割に合った仕事をしていない
というケースもあります。

それは会社自体のバランスが
最初から悪いのか、そもそも
その業種全体が不景気で低迷期なのか、
もしくは、国全体の問題なのか?

どのレベルのバランスが狂っているのか、
まずは、この構造を理解しておく
必要があります。

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” 隣の庭の芝生 ” 問題

大抵、人は隣の庭の芝生の青さを
気にするものです。

その地域が海に近い場所で
潮風の影響でそもそも芝生の育成に
不向きであるということには注目せずに、
” 隣の芝はなぜ青い ” と言う。

衛星写真で見れば、どちらの家も
大して変わらないのに。

会社全体で社員の働く環境を考えて
いかなければ解決しない問題を社員同士が、

” あいつ怠けているくせに
俺と同じ給料を貰っている ”

” 何であいつの仕事を俺がしなくちゃ
いけないんだ? ”

とぼやき合っている。

つまり、自分の仕事が割に合っていない
という問題を隣の家の芝生がどうこう
という隣人トラブルのレベルとして
処理しようとしているのです。

本来の原因を棚上げした状態で、
隣人を攻撃することで問題解決を
図ろうとする心理。

それが、結果、
人間関係の悪化へと繋がっていく。

*

確かに隣人を攻撃すれば、
解決する部分もあるでしょう。

例えば、仕事を隣人に押し付けてしまえば
自分の仕事量は減るでしょうから、
少しは楽になります。

しかし、その次の日、
仕事が減った人のデスクに上には
追加された資料が積まれていて、
上司に肩を叩かれて次のように言われる。

” おお、暇そうだな。
これもやっといてくれよ ”

誰かに仕事を押し付けて数日間は楽が
出来るかもしれないが、
仕事を押し付けたがっているのは、
その人だけではないということです。

会社という集団の中でそれぞれが
バランスを調整しようとしているのです。
人間関係の悪化と引き換えに。

集団の中で ” ゆとり ” というスペースが
不足してくると、それをいかに奪うか、
というフェーズに入っていく。

それは上下関係を利用して、
上司が部下に命令するという形、
いわゆる ” パワハラ ” として現れる場合
もありますし、職場内での ” イジメ ”
という問題に発展する場合もある。

強い者がスペースを勝ち取り、
弱い者が搾取され、
より、苦しまなければならない。

しかし、結局は全てが沿岸地域なので
誰も幸せにはならない。

*

もし、隣人を攻撃することで
問題が解決するとしたら
そもそも目くじらを立てて
騒ぎ立てるほどの問題ではない
と言うこともできます。

例えば、仕事で誰かがミスをすれば、
不満を言い続けるよりも普通に注意をして、
正しい方法を教えれば済む話です。

社員に個々の能力差があったとして、
チームに能力の低い人が一人混じっている
せいで成果が出ないとしたら、そして、
その一人がチーム全員から攻撃を
受けているとしたら、

その人が外れることで
問題は解決されるのでしょうか?

いいえ。次に能力の低い社員が
ターゲットになるだけです。

つまり、一時的に解決されたように
見えるだけで、実際、問題は解決されていない。

個人の能力差を調整することで、
解決できると考えていること自体が
問題を正しく捉えていないのです。

そのような人たちで構成されるチームに
どんな成果が上げられるのでしょう?

*

隣人を攻撃することが唯一の
問題解決法だと思ってしまう。

多くの人がこのマインドに陥りやすい。

いえ、それでいいのです。

社員が会社に不満を持つことなく、
原因は隣人にあると思い込んで
お互いにつつき合っていれば一定の
ガス抜きにはなる。

給料を値上げすることもなく、
新たな人材を雇うコストも
職場環境を改善するためのコストも
払う必要はありません。

むしろ、下から不満が上がってこない
のですから、経営者にとっては
理想的状態に見えている。

この都合のよい状態を改善する動機は、
経営者側には無いのです。

よって状況は改善されることなく、
現場で働く人々の苦しみは終わることがない。

これが、会社というコミュニティの中で
起こっていることです。

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裏側に潜むもう一つの問題

では、隣人を攻撃してしまうほど
追い込まれた現場で苦しみ続ける人々は、
一体、どうすればよいのでしょう?

その土俵は間違いなく経営者が
作ったものであり、それを一労働者が
変えることは、まず不可能です。

家を建てた場所が沿岸地域ならば、
芝生の育成に適した場所に引っ越すことが
最も理にかなった解決法でしょう。

しかし、それは大きなコストを必要とし、
容易に決断できることではありません。

全く不可能というわけでもないが、
相当の準備と時間が必要になる。

*

なぜ、その土地に庭付き一戸建てを
建ててしまったのか?

なぜ、青い芝生を欲しがっている人が
土地の気候について前もって
リサーチをしなかったのか?

隣の芝生が云々と言う以前に、
振り返るべきことが色々とあります。

無論、過去を振り返ってばかりいても
何も変わりませんし、引っ越さない限り、
その問題はこれからも解決されずに
続いていくのです。

この手詰まりの状態に陥ると普通は、
最もコストのかかる引越しという方法を
避けて別の方法を模索しはじめます。

肥料を撒いたり、品種を変えてみたり、
塩害を防ぐために暴風壁を建設したり、
いずれにせよコストはかかる。

そうやってコストをかけて現状を維持
することは出来るかもしれませんが、
より美しい青さを求めるならば、
よい方法とは言えません。

つまり、過去の選択が延々と
その人から時間と労力を奪っていく。

残された選択は、芝生に青さを求めないか、
諦めて芝生を剥がしてしまうかでしょう。

*

そして、最も深刻な問題は
解決不可能な問題を解決できると信じ込み、
そこに費やす時間や労力が、これからの
選択に、実質、影響を与えてしまっている
ということです。

職場に深く根を下ろしている問題を
隣人を攻撃することで解決できる
という幻想を信じ続ける。

” あいつさえ辞めてくれれば ”

” もっと仕事が出来る奴が
入りさえすれば ”

そこに希望を持ってしまうことで
本来、選択すべきタイミングで
正しい選択が出来なくなってしまう
かもしれない。

その他人本位な考えが、
未来の選択肢を一つ一つ減らしていく。

*

人生とはそれほど単純ではありません。

もしかすると、起死回生の逆転が
できる他の方法があるかもしれない。

ただ、それはどの職場でも見られる
誰もが思いつきそうなアイデアではない
ということぐらいは分かります。

” じゃあ、具体的にどうすればいい?
難しい話はいいから、それを教えてくれ! ”

引っ越すことです。

そして、それが出来ないというなら、
問題は解決しないのです。

私たちは、まず、解決できない
という事実を自覚しなければいけない。

幻想に足を取られて、
これから待ち受ける未来までもを
犠牲にするべきではないのです。

もし、1㎜も身動きが取れないほど
対策の打ちようが無いと言うなら、
きっと隣人を攻撃する時間すらないでしょう。

それが可能だと言うなら、
まだ、救いはある。

過去の選択が間違いではないと
証明するために奔走するよりも、
未来のために、今、何をすべきかを
明確にする方が大切です。

ああ、そうだ・・言い忘れました。

実は、あなたは、まだ家を建てていない。

10年後、お気に入りの庭を眺めて
過去の選択を思い返す時が来るとしたら・・

それを、どこに建てますか?

 

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